マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.04.19
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カテゴリ: 健康
 暗転 

 4月12日(木)入院4日目

 同じ日に同じ手術を受けた仲間のうち1人はお握りで、2人は普通のご飯。メインの副食はサバの竜田揚げだったようだ。ところが私だけが別メニュー。「ちらし寿司」とは言ってもそぼろ、錦糸卵、鶏肉、絹サヤが入った、ごくささやかなもの。これが2回目の手術で全快したお祝いなら嬉しいのだが。副食はネギのぬた。レタスとキュウリのサラダ。

 夕食後、野球マンが麻雀の話をし出した。若い頃にやくざの手ほどきを受けて麻雀を覚え、親分の相手をしたのだとか。勝つと怒られるため少し負ける程度で収めるのが手。勝負が終わると相手をしてくれたお礼に親分が小遣いをくれた由。当時の給料は3万円で家賃は1万円だったが、この「臨時収入」のお陰で10年間は家賃がただになったそうだ。

 そんな世界もあるんだと感心したのだが、野球マンは「女房はいないけど、一緒に住んでる女性はいる」とも話す。なるほど、それでガイダンスの際の話が理解出来た。「麻雀するとタバコが吸いたくなるでしょ」と聞くと、今でも40本は吸ってる由。「タバコは心臓に良くないから、止めなくちゃいけないよ」と言うと返事に詰まった。どうやら今日も隠れて一服したようだ。

 看護師が手術後の体調に関するアンケート調査を持って部屋を訪問。だが、内容は至って簡単なもの。前回時より確かに改善はされたが、果たしてそんなので役に立つことがあるのか不思議。18時55分。薬剤師が退院後の服薬指導にやって来た。飲む予定の薬剤リストをもらったが、その中に不整脈防止剤がある。

 今回は手術後もその薬を飲んでいないのに、何故退院後に飲む必要があるのか疑問に思って質問すると、主治医と相談しますと帰って行った。相談の結果、やはり飲まなくて良くなった。薬を飲むか飲まないかは、手術の成功と関係すると思うのだが、主治医と薬剤師との連絡がちゃんと取れているのかを疑う。

 19時45分。若手のドクターが野球マンのところに吹っ飛んで来た。「不整脈が出ているので、それを抑える薬を飲んでもらいます。それで当分様子をみましょう」。有無を言わさず強い調子でそう告げるドクター。思わぬ展開だが、野球マンはどう捉えて良いのか分からない感じ。私に対しては特段の説明はなかった。手術は上手く行ったのか。退院後は何に注意したら良いのか。退院に際してそんなことも説明しないとは摩訶不思議。

 それにしても何と生意気な男。ナースステーションには『手術数でわかるいい病院全国ランキング2012」が山積されている。無料で配っているところを見ると、この病院も掲載されているのだろう。だが手術数だけが良い病院の指標になるのだろうか。例え技術は高くても、患者への適切な説明がない病院など論外だと思うのだが。

 もう30年以上も前の話だが、4番目の職場に榊原仟(しげる)先生が副学長として就任された。先生は当時東京女子医大の名誉教授で、彼の名を冠した研究所もある。その先生に囲碁の大会で勝った時、彼は気さくに握手してくれた。心臓外科の世界的な権威で、「神の手」と称されていた先生の手はとても暖かく、小さくて柔らかだった。「本当に偉い人は決して威張らない」。それがこれまでの経験に基づく私の実感だ。

 20時43分。体温は35度8分で、血圧は137/86/59とほぼ正常値に戻った。21時の消灯と同時に就寝したが、23時51分ごろに少し大きめの地震。今夜一晩眠れば、いよいよ明日は退院だ。<続く>





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Last updated  2012.04.19 19:08:27
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