マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.05.31
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 石垣島の風景 

 小浜港へ送ってくれた運転手の名前は仲得さん。石垣島の出身のようだが、同じ姓は石垣でも少ないそうだ。だが、「中江」なら内地にもある。宮古島や石垣島には結構内地と同じ姓がある。一説によれば、両島には「倭寇」(わこう)の基地があったと言われる。つまり九州あたりの海賊が、遠く沖縄まで進出していたのだ。仲得さんの風貌は、ウチナンチュよりヤマトンチュに近かった。

 石垣島で観光バスに乗る。バスガイドがついたのも初めて。彼女はまだ入社したばかりのようで、説明が初々しい。バスは石垣島観光の名所、川平湾へと向かう。名蔵湾のマングローブが少ないのは、道路を拡張した際に伐採したためのようだ。川平が近づくと、道路は上下2本に別れた。道路脇の美しいリュウキュウマツ。17年ぶりに見る風景がとても懐かしい。

 添乗員さんの提案で、急遽グラスボートに乗ることになった。川平湾の観光だ。オプションなので妻に聞いたら、彼女は乗らないと言う。これも予想通り。皆が帰って来るまでの間、周囲を散歩する。先ず川平観音堂を訪ねる。ここはなかなかの風情。歴史的にも何か謂れがありそうだ。その後ビーチへ下りた。




川平観音堂1.jpg


                       ≪ 川平観音堂 ≫






川平湾1.jpg





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                        ≪ 川平湾 ≫





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                     ≪ 川平ビーチにて ≫




 その後、私は川平集落へ歩いて向かった。バスの中から気になる森が見えたのだ。あれはきっと石垣島では「おん」と呼ぶ御嶽(うたき)のはず。好奇心がムラムラと湧き上がった。川平の集落にはこんなものも。一つは魚屋さんの手作り看板で、もう一つはガスボンベを利用した「半鐘」。きっと緊急時には、これを打ち鳴らしたのだと思う。いずれも人々の生活臭が感じられる品だ。





川平の魚屋看板.jpg





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                       ≪ 川平集落の風景 ≫




 汗をかきながら坂を登る。御嶽は意外に遠かった。坂を登り切った先に、こんもりと茂った森。ここだここだ、さっきバスから見えたのは。近づくと鳥居があり、思った通り御嶽。だが、「許可のない者は入るべからず」の立て札。幸いにして周囲には誰もいない。脱帽して境内に入る。沖縄本島ではたくさんの御嶽を見たし、実際に入れた。だが、久高島のフボー御嶽は男子禁制で入れなかった。

 宮古島の「おん」は特に神聖な場所で、集落の人以外は入れないことを本で知っていた。旅の初日、運転手さんに「街中におんがあるか」と聞いたのはこのため。ひょっとして観られるかと思ったのだ。その御嶽が今私の目の前にある。説明によれば、鳥居、拝殿、石垣の囲い、そして香炉が一直線に並んでいるのが特徴らしい。なるほど、確かにそう見える。




川平宮鳥御嶽5.jpg


                     ≪ 宮鳥御嶽の鳥居 ≫




川平宮鳥御嶽2.jpg


                     ≪ 拝殿と思しき建物 ≫




 この奥にある不思議な写真は「最終日」に載せる予定。この後川平集落に戻って妻と合流。グラスボートに乗った仲間は不満タラタラだった。船底からサンゴ礁は見えなかったようだ。梅雨の時期は海に流れ込んだ土で、良く見えないらしい。私達は乗らなくて大正解。でも美しい風景を海から眺めるのも悪くないと思う。折角なので集落に咲いていた花を2枚だけ載せておこう。八重山の美しい花々は、改めて続編で紹介する予定。




川平の花1.jpg





川平の花4.jpg


                     ≪ 川平集落で見た花 ≫




 石垣港へ向かう車中で、若いバスガイドは「芭蕉布」を歌った。譜久原恒勇作曲の懐かしい歌。私はこの歌が好きで、今でも時々口ずさむ。妻も小声で歌っていた。彼女にとってもきっと懐かしい歌なのだろう。こうして3泊4日の旅は終わった。那覇空港ではわずかの待ち合わせ時間を利用して、お土産を買った。帰路の機内から見えたのは沖縄本島の残波岬、本部半島、そして水納(みんな)島。




帰路の富士2 赤石山脈?.jpg


                      ≪ 南アルプス上空から ≫





帰路の富士1.jpg


                        ≪ 帰路の富士山 ≫





 それが沖縄の島を見た最後だった。サヨウナラ沖縄。サヨウナラ先島、八重山の旅。ANA464機は渥美半島の上空で左へと旋回した。ガタガタ機体が揺れたが、それも数分で治まった。右手には南アルプスを経て、世界遺産に登録が決定した富士の勇姿が見えた。大好きな沖縄を再び訪れるのは、果たしていつになるだろうか。<完>


 ≪お知らせ≫  写真整理のため、明日は他のテーマにします。そして明後日から何回かに分けて『沖縄・八重山フォト紀行』を掲載予定です。内容は 1)八重山の花々 2)八重山のビーチ 3)八重山の動物 4)八重山の植生 5)八重山の装飾 そして補遺編として 『写真で見る沖縄・八重山の歴史と宗教』を予定しています。乞うご期待。どうぞお楽しみに~♪ 










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Last updated  2013.05.31 09:04:32
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