マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.09.26
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テーマ: ニュース(99889)
<ウチナンチュ・ヤマトンチュ>

沖9中村家.jpg 重要文化財中村家住宅

 先日、国連の人権委員会(ジュネーブ)において、翁長沖縄県知事は「日本の米軍基地のうち70%以上が沖縄にあり、独自の文化と言語を持つ沖縄の人権が犯されている」と訴えたそうだ。またこれに先立つ講演会では、「沖縄は日本のものでもアメリカのものでもない」と述べた由。不思議なことを言う人がいるものだ。琉球語は日本語の古語を基調とする方言だし、沖縄県があれだけ巨額の地域振興費を毎年日本政府に要求し続けている理由は何か、訳が分からない。

 これに対して日本のNGO団体は人権委員会において、「沖縄県民の人権は犯されておらず、逆に尖閣諸島領海への中国艦船の侵犯などで沖縄の安全が犯されている」と訴えたそうだ。どちらがまともな神経なのだろう。


版画4お婆.jpg

 私は3年間勤務した沖縄が大好きだ。米軍基地が密集する現状については気の毒にも思う。だが、その基地も計画に基づいてかなり返還されており、今後も嘉手納基地以南の地区が順次返還される予定なのだ。かつて米軍基地だった所が、新しい街に生まれ変わった姿を観るのは新鮮だ。そして沖縄を訪れる度に、立派になっているとの実感がある。

 私が赴任した平成元年頃の沖縄は下水の臭いが鼻につき、道路は凸凹で、小学生まで泥棒をして捕まり、高校生は酔っ払いの無免許運転で一夏に何人も死んでいた。高い失業率に離婚率、かつては日本一の長寿県が肥満で短命になりつつあった。私は沖縄の人から「ヤマト」や「ヤマトンチュ」と呼ばれ、生命の危険を感じたことが3度もあった。


沖8寺.jpg 崇元寺石門

 「辺野古に新基地は作らせない」と知事は言う。それはおかしい。既に辺野古に米軍基地はあり、普天間基地からオスプレーを移転するため海上に滑走路を延長するだけの話。それに伴って、これまで沖縄県民が危険と訴え続けた普天間基地が全て返還されるのだ。それに現在普天間基地にある爆撃機と給油機も全て本土に移転する。そして辺野古は過疎地のため、オスプレーの「危険性」も大幅に減少する。それでも沖縄の安全は保たれるし、良いことづくめだと思うのだがなぜ反対するのか分からない。


版画3ハイビスカス.jpg

 実は不思議なことがあるのだ。海上に米軍基地を拡張する案だと、これまでも沖縄県は反対して来たのだ。理由は基地の借地代が入らないためだろう。米軍基地3か所の返還も、地元の名護市は拒んでいる。山間部にあるため返還されてもその後の活用が困難なためだ。それなら借地料をもらい続けた方が得と考えているのだと思う。

 那覇の米軍軍港が近く浦添市に移転する。これは翁長県知事が那覇市長だった時に推進した事業だ。軍港の移転は歓迎しながら、最も古くて危険だと訴える普天間基地の移転と返還を喜ばない理由は何なのだろう。全く訳が分からない。あの広大な土地が返還されたら、きっと新しい宜野湾市の構想が生かせるだろうに。


沖7今帰仁城.jpg 今帰仁城石門

 県知事は辺野古の海上工事許可を取り消す方針を打ち出した。その是非を巡って、今後長い法廷闘争が続くことになろう。その間、沖縄が訴えた『普天間の危険性」はそのまま続くのだ。政府は地方振興費の一部を県や名護市を通さず、地元の辺野古集落へ直接配分することを検討中らしい。地元の賛成は99%以上なのだ。それにこれまでも政府は、北部振興の一環として辺野古周辺に沖縄工業高専を新設し、隣り合う恩納村に大学院大学を新設している。


版画7踊り.jpg

 県内の道路整備や離島への架橋など、沖縄県への予算配布は異常なほど高い。県知事はかつて自民党の沖縄県連会長で、那覇市長当時は「米軍基地反対を言うのは政府から予算を引き出すため」と話していたそうだ。すると国連人権委員会でのアピールは一体何だったのか。都合の良い時はヤマトンチュ(日本人)として多額の予算を要求し、都合が悪くなるとウチナンチュ(沖縄人)になって沖縄の悲劇を世界に訴える。

 まるで二重人格者ではないのか。私は沖縄が大好きだが、そんな「使い分け」は大嫌い。だが、事情を知らない内地の人間や世界の人々は、悲劇の島沖縄に心からの同情を示して已まない。


伊江島.jpg 伊江島タッチュー

 沖縄県民を悩ませて来た米軍に関する「地位協定」も徐々に改善されて、最近では米兵の犯罪を日本の警察が取り調べる案件も多くなった。また、つい最近も政府は米国に改善方を申し入れている。その経済力に恐れて、一時は日本の頭越しに中国と手を結ぼうとしたオバマ政権だが、南シナ海や東シナ海における中国の脅威に、その後ようやく気付いたようだ。だが経済力が落ちたアメリカが、どこまで本気で日本を守るかは疑問が付きまとう。


版画2.jpg

 そのためにも今回の「安保法案整備」は不可欠な措置だったと思うのだが、肝心の沖縄はのんきなもの。地域振興費を使って中国から大量の「龍柱」を輸入するようだ。龍柱は中国皇帝の権威の象徴で、冊封国はその権威をありがたく利用する。つまり日本の予算を使って中国のPRをしているようなものではないか。

 「沖縄タイムス」や「琉球新報」は、ほとんど中国の脅威の実態を伝えないそうだ。狭い島では、それが唯一の真実になるのだろう。そしてそれがウチナンチュとヤマトンチュの心をますます遠ざける結果になるように思う。  


家2シーサーA.jpg

 私にはなぜか沖縄と韓国が非常に似ているように感じてならない。「日本」と言う国に支配された歴史、地政上の宿命と、それゆえに米軍基地が置かれる事情、そして屈折した心情などだ。いつまで経っても日本を恨み、それでも多額のお金を要求し続ける心理。いつになったらそんな過去の悲劇から脱却する日が来るのだろう。それとも永遠に「琉球独立」を夢見るのだろうか。それこそが中国の思う壺だと私は思うのだが。<続く>       





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Last updated  2015.09.26 15:20:25
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