マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2016.07.03
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カテゴリ: 日本史全般
 <3つの国宝>

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 タクシーの車内で運転手さんと話す。東北新幹線の八戸駅と、八戸線の本八戸駅の関係。最近の八戸の漁業の状況。「三社大祭」の三社とはどこか。そして、青森県にある3つの国宝が、全てこの八戸市にあることなどだった。運転手さんは、きっとそれが誇りだったのだろう。料金は1800円ほど。道が混んでなくて良かった。帰りのために、名刺をもらった。「南部と津軽」の仲の悪さについては、残念ながら聞きそびれてしまった。


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 この際、折角だから紹介しよう。国宝というのがこれだ。左側は「赤糸威鎧兜大袖付」(あかいとおどしよろいかぶとおおそでつき)で鎌倉時代の作。長慶天皇から拝領したと伝わっている。新羅三郎(源義光)が着用したと江戸の書にあるが、彼は後三年の役(1083年~)に都からこの地に駆け付けた武者で、時代が合わない。

 右側は「白糸威鎧兜大袖付」で、こちらは南北朝時代の作。後村上天皇から南部信光が拝領し、子の光経が奉納したと伝わっているが時代が合うのかどうか。どちらも櫛引神社の国宝館に納められているそうだ。写真はネットから借用した。


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 八戸三社大祭は毎年100万人の見物客が出るほどの盛況ぶりらしい。三社大祭とは、共に八戸市内にある「おがみ神社」(これが最も古い歴史がある由)、「新羅神社」、そして「神明宮」の3つの神社の合同で開催される祭。新羅神社は白山神社と同様元々新羅(しらぎ)からの帰化人が信奉した神社だが、恐らく新羅三郎との関係から八戸にも請来したのだろう。写真はネットからの借用だ。


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 昨年の歴史の旅で秋田県の大湯環状列石(ストーンサークル)を訪れた際も、タクシーのお世話になった。その運転手さんが嘆いていたのは、戊辰戦争で越奥羽列藩同盟が破れたのは、秋田の佐竹藩が官軍に味方したからだと言うのだ。同じ秋田県内でも、鹿角地方(先日タケノコ採りで熊に襲われ、4人の死者が出た市)はかつて南部藩に属していた。

 そのことを知らない秋田県民が多いのだそうだ。私はすっかり驚いてしまった。「藩」の意識がまだ残っていたとは。昨日TVを見て驚いたのは、福島県の会津地方で「先の大戦」と言うのは、何と幕末の「戊辰戦争」を差すと言うのだ。まさに「へえ~っ?」の連続。地方でタクシーに乗るのは、その地域の歴史や住民の意識を知るために欠かせない「取材活動」とも言えそうだ。


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 八戸市の郊外にある「是川縄文館」の名前を初めて聞いたのは、昨年盛岡の街を案内してくれたブログ友ニッパさんからだった。私が考古学が好きなことを知って、「青森にも凄い遺跡があるよ」と教えてくれたのだ。今年の計画を立てる際にネットで調べ、これは絶対に行きたいと思ったのがここだった。

 入館料は250円とバカ安。もらったパンフレットが上の写真。イラストに描かれた土偶が実は八戸にある3つ目の国宝通称「合掌土偶」だ。ロッカーにリュックを入れて身軽になり、展示場に行って驚いた。何という充実ぶり。特に「遮光器型土偶」の数が凄い。これは青森県立郷土館の「風韻堂コレクション」にも負けてはいない。これも南部と津軽の代理戦争みたいなものだろうか。<続く>





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Last updated  2016.07.03 04:31:44
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