マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2019.02.06
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~沖縄本島単独1周ラン第3回~

  沖縄本島南部

 平成22年12月初旬の土曜日。私は具志頭(ぐしちゃん)三差路でバスを降り、そこから南部の道を東に向かって走り出した。地図で言うと一番下の国道331号線の印がある付近。そこから知念半島を一周して与那原町へ出る33kmのコース。前年は最北端の辺戸岬から与那原町まで走ったので、その残りと言うわけだ。具志頭三差路から摩文仁公園までの空白区間は、翌日の「NAHAマラソン」(フル)で補おうと言う計画だ。

 玉城城  

 この近辺は別名「グスクロード」と言うくらい、古い城(ぐすく)がある地域。沖縄勤務当時、私は原付に乗ってこの島中の聖地を訪ね回っていた。そこには既に「日本」が失った原始的な匂いがする何者かが潜んでいた。大里城、糸数城、玉城城、知念城、斎場御嶽、沖縄の最初の田んぼと伝わる「受水走水」(うきんじゅはいんじゅ)、板良敷グスク、ミントングスクなどが連なる南岸の道。

  シークワーサー

 知念村(現南城市)に入って直ぐ、ふと庭を見るとシークワーサーを収穫しているオジーがいた。思わず「ください」と声をかけると、4つほどの果実を渡してくれた。お礼を言って走り出す。これは別名「平身レモン」と呼ばれるミカンの原種。沖縄では一般的な果物で酸味が強く、強い芳香を放つ。私はジュースも果物の香りも大好きだった。ハイビスカスやブーゲンビレアを観ながら走る海べりの道。

  知念城  

 知念城の前を通りかかったが、行くのは止めた。ここの城壁もなかなかの雰囲気がある。その代わりにでもないが、斎場御嶽(せいふぁうたき)に寄った。世界遺産になってからは初めての探訪。チケット売り場や柵まで設けられ、大勢の観光客が来ていた。私が勤務していた当時(平成元年~3年)は人っ子一人おらず、静謐で神秘的な空気が漂っていたのだが。アカハラが棲む水たまりは、今でも健在だろうか。

  知念崎

 コマカ島も久しぶりに見た。「神の島」久高島もいつも通り扁平な形を東シナ海に浮かべて静まっていた。頂上が切られた台地は知念崎だろうか。私が訪れた20年前は、何もない突先だったのだが。そこから国道は大きくカーブを描き、道は与那原へと続く。

  佐敷風景  

 佐敷のヤシ並木が見えて来た。何と言うことのない沖縄の風景が無性に懐かしい。厳しい暑さも眩めくような光線も、勤務当時を思い出させてくれた。この道を走るのは初めてだが、ヤンバルと異なり全く危険性は感じない。与那原三差路から路線バスに乗って、那覇へ帰った。もちろんランシャツ、ランパンのまま。それでも違和感は全くない。翌日はNAHAマラソンなので練習中の人も多いのだ。

  NAHAマラソン

 翌日は早めに奥武山公園のグラウンドへ行った。そこがスタート地点で、昔の仲間が集まっている。懐かしい顔ぶれに挨拶。そして沖縄の走友Hさんとスタート地点へ向かう。前と少しコースが変わり、新しい把竜橋を渡った。前日33kmを走った疲れはなく、見事10回目の完走を果たせた。これは沖縄本島単独一周ランの「おまけ」。かつての走友と缶ビールで乾杯し、ホテルへ帰った。

    泡盛の古酒(くーすー)  

 風呂に入って着替えしてると電話。古川グループつまり宮城のウルトラ仲間から「飲みに来い」とのお誘い。早速出向くと、かなり出来上がっていたT田さんほか数名。皆顔なじみばかり。私の「沖縄本島単独一周ラン」の快挙も喜んでくれたのだが、私はそれで終わったような気がしなかったのだ。なぜだろう。まだ何か「忘れもの」があっただろうか。<続く>





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Last updated  2019.02.06 00:00:25
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