マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.05.21
XML
カテゴリ: 俳句
<立夏を過ぎて>




          柿若葉疫病の世なれども    *はやりやまい

          隠元の双葉出でけり聖五月   *せいごがつ



           麗しき人去りゆきて夏立ちぬ    *うるわし

           芍薬の夢破りけり通り雨



               不器用に生きて胡桃の花眺む     *クルミ

               せせらぎに胡桃の花や一日過ぐ    *ひとひ



       往き往けど青葉繁れる陸奥の山    *むつ

       老鶯の一山すべて独占す    *ろうおう  *いちざん



          苧環の舞ひ閑まりて朝の径   *おだまき *みち

          苧環やしんと静もる路地の家




          山藤や駆けゆくわれの前後    *まえうしろ

          巨星二つまたたく天も卯月かな   *うづき


            <上溝桜 うわみずざくら>

          石女に上溝桜ひそとして    *うまずめ

          酒蒸しにして喰ふ夜の鬼浅利  *さかむし


        <平山郁夫 仏教伝来図>

   月明や仏教東漸絹の道       *げつめい

   月清し砂漠越へゆく主従かな

   月清し仏典絹の道を往く

   月明や仏典駱駝の背に揺られ   *ラクダ

   月明や仏舎利駱駝と共に往く   *ぶっしゃり=仏陀の遺骨

   仏舎利や砂漠の上に月一つ


  昨年の秋、私は   月明やあくまで皓き釈迦の骨  を提出した。高野山の塔頭の一つである普賢院で観た仏舎利の神々しさに感激した時のことを思い出しての句で、平山郁夫画伯の絵「仏教伝来図」も頭の中にあった。

 だが講師は「あくまで」も「皓き」(しろき)も良くないと言って 月明や豆粒ほどの釈迦の骨
と直した。俳句には副詞も形容詞も使うべきではないと言うのが彼の持論。それは分かるし、きっとそうだのだろう。だが「豆粒」では仏舎利の清らかさも月明も生かせないと私は感じていた。

 あの時の悔しがまだ残っている。つい最近も夜中に起きて上の幾つかの句を詠んだ。言葉に対する思いや、イメージは尽きない。そこに文学の原点があると私は思うのだ。もう夜も更けた。だが創作には完成がない。(予約機能を用いて1週間前に投稿し、その後も修正)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.05.21 09:01:08
コメント(6) | コメントを書く
[俳句] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:暮らしの中の俳句(05/21)  
Kazu さん
Aさん,こんにちは~

本当に寒い日が続きますね。
我が家の前の堤防に,草刈りの兆候が。刈られてはまずいと急遽ワ
ラビの収穫に。ずっと寒かったので,たいした量は期待しなかった
のですが,結構ありました(ホッ!)

今回の俳句は,花シリーズを読んだんですね。ラン&ウォークをし
て,写真を撮り,次にブログ,俳句とAさんの場合一度で四度美味
しい,グリコの上を行っています(笑)

私は俳句詳しくはありませんが,仏舎利を「豆粒」は流石にないか
と。「皓き」はうまく言い表していると思います。 (2020.05.21 16:16:21)

Re[1]:暮らしの中の俳句(05/21)  
マックス爺  さん
Kazuさんへ

今日は~!!
いつもコメントをありがとうございます。
嬉しく拝見しています。(^^)v

あらまあ。それはそれは。😊
間一髪で間に合って良かったですね。💛

これはねえ、元々はランニングの時の印象
なんですよ。コースでは色んな花や鳥のさえずりに
出会いますからね。

もちろん散歩中に撮った花のことも頭にあるし、
畑のこともありますよ。要は季節感に溢れた
「季語」を見つけて俳句を詠みたいと感じた
時が勝負です。

講師は何十年も俳句を作り、自分の俳句塾でも
教えており、その経験の中から築いて来た
「俳句観」があるのでしょう。

素直にそれを受け入れるのも良し。反発して
自らの言葉と表現を探し出すのも良し。
ただし書いたように、言葉に対する感覚と拘りは
人それぞれなので、難しいところですね。

講師は講師で、良かれと思って添削しているのです。
ただし彼の視点は「河北」の俳句欄に採用されるか
どうかくらいなので、私は全面的には納得してません。(^_-)-☆ (2020.05.21 16:52:59)

Re:暮らしの中の俳句(05/21)  
夢穂  さん
仏舎利を見る事が出来るの
ですか。高野山は出かけましたが
そこは知りませんでした。今は
自粛でどこにも出かけられま
せんが、またあちこちで歩いて
みたいものです (2020.05.21 20:08:59)

Re[1]:暮らしの中の俳句(05/21)  
マックス爺  さん
夢穂さんへ

今晩は~!!
ご来訪とコメント、ありがとうございます。
なかなか「大連」の話を書く気になれず、
ほかのことばかり書いています。(;^_^A

ツアーで行ったのですが、私も本物の
仏舎利を観たのは初めてでした。

とてもきれいな骨で感激しました。
その塔頭の住職がネパールの学僧(仏陀の
末裔)と懇意にしていて、わざわざ
ネパールまで行って譲ってもらい、
シルクロード経由で高野山まで持参したと
話してくれました。

そんなことがあったもので、まだ印象に
残っているのですよ。
(2020.05.21 20:52:56)

Re:暮らしの中の俳句(05/21)  
こんばんは!
たくさん句を作られたのね
浮かんでくるのがすごいよ
今でも俳句習いに行っているのですか?
季語などもあり難しいですね (2020.05.21 21:48:49)

Re[1]:暮らしの中の俳句(05/21)  
マックス爺  さん
すずめのじゅんじゅんさんへ

お早うございます。
いつもコメントをありがとうございます。
嬉しく拝見しています。

ハハハ。俳句は詠みたいテーマや季語が見つかった
時に詠んでいます。

俳句教室は新型コロナ騒動のため、4月、5月
とお休みになり、6月の開催もまだ決まって
いないのです。

長い戦いになりますが、今はじっと
耐えるしかありません。健康に留意して
頑張りますよ。

じゅんじゅんさんも、どうぞお元気でね。🌸😊
(2020.05.22 05:25:28)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: