マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.06.22
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カテゴリ: 生活雑記
~イラつく男~



 何故だかその人はやけに苛立っていた。4か月ぶりに開かれた俳句教室。私は意気揚々と出かけた。例のコロナ対策で、教室の机の配置は以前とは異なり、講師の前に透明なプラスチックの幕がぶら下がっていた。だが講師の様子がおかしい。今年から入った新人は2人。講師は自分の作品を印刷したプリントを配り、長々と話を始めた。もう何度も聞いた自慢話と自分の信念。新人には珍しいだろうが、度々聞かされて来た旧年度からの我々には「また始まったか」とうんざりだ。



 講師は今年で80歳。ガンにもなっていつ死んでもおかしくないとのこと。そして自分の考えに反対の人はいつ辞めても良いと言う。馬鹿な男だ。自分が主催する俳句の同人ならそれでも良いが、俳句教室は市の地区センターの企画なのだ。嫌なら辞めろとは非常識で言語道断。それで5年前にも受講生と大喧嘩した由。その日、私は講師から散々嫌味を言われガッカリして帰宅。何なのだろうなあ一体。



 恐らく老化のなせる業なのだろう。同じことを繰り返す。話があらぬ方向に飛ぶ。時間の配分が不安定。結局来月の兼題も出さないまま終わった。きっと怒り狂ってそんなことすら忘れてしまったのだろう。自分の気持ちをコントロール出来ない老講師。さてそれでも今後彼から学ぶことがあるだろうか。それともじっと我慢して、自分なりに自習するか。まあ月に1回仲間と会え、刺激にはなるが。

               万願寺唐辛子  

 翌朝起きると、庭と畑が濡れていた。夜中に雨が降ったのだ。畑に出ると萎れていたナスとキュウリの苗が、元気になっていた。どうやら根付いたようだ。無理な移植を反省し、朝夕水を撒いたことも幸いしたのだろう。そして万願寺唐辛子が3個ほど生っていた。嬉しいなあ。きっとナスも実が生ると思う。花が咲いてるのを無理やり移植したが、何とか生き返ってくれた。



 ついでに雲南百薬の葉を30枚ほど摘んだ。今年の初物だ。この苗は今年で7年目になる古老。冬の間もずっと土に埋めたまま。土寄せしただけで春まで頑張ってくれた。本当に強いアンデス原産の健康野菜。別名「岡ワカメ」と言い、ぬるぬるした食感もまた健康には良さそう。早速茹で、夕食のテーブルに載る予定。あんな老講師に腹を立てても無駄。自分は自分の人生哲学を会得すれば良いだけの話。



 物のついでに梅干しの漬かり具合を確かめた。漬け始めてから1週間は経った経ったはず。3個の重石を退けると、少し萎んだ梅の実が姿を現した。梅酢が上がって来てる。少し舐めたがさほどしょっぱくはない。そこで再び庭に出て梅の実を15個ほど採り、少し塩を加えて一緒に漬けた。合計で70個ほど。今年は見事な青梅が実って嬉しい。これも自分の健康を守る必需品。ゴーヤとヘチマも楽しみだ。



 喜びついでにモップをかけた。そろそろ集金に来るはず。その前に使っておこう。1階のフローリング全部と和室の畳表を拭き終え、次に1階の窓の外側とサッシ、玄関と勝手口のドア、風呂場のルーバーを拭き掃除。モップはすっかり汚れた。何とその日の夕方には係の人がやって来た。約束の日の1日前。やっぱりやっておいて良かった。それから意気揚々とリュックを背負って出かけた爺だった。<続く>





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Last updated  2020.06.22 15:12:09
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