マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.12.21
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<首里城炎上>

  有料ゾーン入口

 首里城の有料ゾーン入口でチェックを受けた際に「ビニール袋はないですか。飛行機の搭乗用紙が濡れて破れないか心配なので」と言うと、案内嬢が親切に紙ナプキンで搭乗用紙を包み、ビニール袋に入れて手渡してくれた。嬉しい。これなら大丈夫だ。足場が組まれた作業現場が見えた。火災に遭った正殿跡地を丁寧に調査してるのだ。



正殿跡地はこんな状態で、折角大金をかけて復元した美麗な建物は、全てが残骸と化していた。



 これが焼失部分の詳細。正殿を含む7つの建物が火事で焼け落ちた。



 正殿前に立っていた2本の龍柱(りゅうちゅう)のうちの1本。龍は権力の象徴で、中国では皇帝しか図柄も使えなかった。焼け跡に立つ龍柱が何とも空しい。



 御庭(うなー)に集められた、焼け落ちた正殿の屋根瓦。精査後は次の復元に備えて再度利用するもの、細かく砕いて焼き直す瓦の原料とするものなどに分けられる由。



 作業現場には見学者巡回用の足場が組まれ、作業の邪魔にならぬようゾーニングされていた。

  炎上する首里城

 巨額をかけて再現復興した首里城が、なぜ火事になり、なぜ消火出来なかったのかが不思議だ。消防と警察の調査でも出火原因は明らかにならなかった。ただ、電気系統に起因することだけは確かなようだ。当日は遅くまで業者が作業していたが、最後に火気の点検はしたと主張。扉が何か所も閉まっており、警備員が出火場所に近づいての消火活動が出来なかった。何たるざまだ。

  出火翌日も煙を上げる首里城  

 首里城は丘の上にあり、構造上消防車が入れないためホースをつないで消火したが、限界があった由。貴重な史料が水に濡れるのを防ぐためスプリンクラーは設置してなかった。警備員による消火訓練を全くしてなかった。施設管理のための施錠と出火時の対応が連動してなかった。建設した国と管理を委譲された県との連絡体制に問題があった。ニュースを聞いて知った私の理解は以上の通りだ。



 火災の数日後には玉城県知事が上京し、安倍総理に早期の再建を陳情したのには呆れ果てた。まだ出火の原因が明らかになってない段階で、何の反省もなく「首里城は沖縄県民の魂なので早期再現復興を」だと。馬鹿野郎。あれを造るのにどれだけ大変だったか。昔の設計図や写真を探し、台湾から貴重な檜の大木を譲ってもらうなど、かなりの年月をかけ、どれだけ苦労したかを彼は知らない。

 尖閣諸島に侵入する中国に対しては文句も言えないくせに、超危険な普天間基地の移転問題には反対してばかり。さらに中国とは喜んで共同研究会をするアホ加減。中国は尖閣を自国領と主張し、沖縄の奪還を公にしているのにだ。沖縄県が国に金をねだるのはずっと以前から。沖縄振興費は国民の血税なんだよ。道路の整備も離島の架橋も、他県よりずっと簡単に早く実現してるのを彼らは知らない。



 沖縄勤務当時、私の職場へも首里城復元のための調査が来た。柱や壁が赤かったか黒かったかの資料の確認だ。最終的には「赤説」が採用された。塗った赤い漆が経年劣化によって黒ずんだとの結論だ。鎌倉芳太郎氏所蔵の戦前の写真や設計図、建設した宮大工が作った精巧な模型(現在東京国立博物館で展示中)が復興再現に寄与した。

  戦災で焼け落ちた首里城

 第二次世界大戦の激戦地だった沖縄。地下に日本軍の司令部があった首里城も徹底的な砲撃で焼け落ち、戦後の一時期は城跡に琉球大学が置かれた。同大は日本復帰後国立大学となって現在地の西原町に移転。私もそこで3年間勤務した。沖縄への想いは今も深いが、愛すればこそ厳しくもなる。「沖縄独立論」など中国の策謀以外の何物でもない。沖縄は昔から日本であり、沖縄人は昔から日本人だ。

 それをこともあろうに沖縄人は日本の先住民族と国連で訴えた馬鹿な知事がいた。昔から同じ言語と、同じ文字を使っているのに。日本の先住民族は縄文人しかいない。そしてそれは沖縄とも共通の祖先だ。

  焼失前の城内

 今回焼け跡の現場を確認出来て良かった。珍しい女官用の「湯屋」跡も見たし、王の遺体を一時的に安置する貴重な場所も見た。「東の砦(あざな)」と言う見張り台にも登り、王朝時代の風景を偲んだ。首里城内の御嶽が移された「弁嶽」(びんのうたき)を久しぶりに見た。神の島「久高島」こそ雨で隠れていたが、心の瞳はその島影をしっかりと捉えた。

    地下の遺構   

 首里城正殿はじめ7棟は焼失したが、「世界遺産首里城」は健在。実は世界遺産に指定されたのは地上の建物ではなく、地下の遺構なのだ。焼け落ちた瓦の下に礎石などの遺構がそのまま眠っている。政府は2026年までの再復元を目指す方針とか。それを私が見られる保証はないが、心の中で見ようと思う。首里城近辺の散策はこの後も続き、驚くべき奇跡に遭遇する。びっくり<続く>





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Last updated  2020.12.21 00:51:02
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