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映画『砂の器』松本清張原作橋本忍・山田洋次脚本野村芳太郎監督1974年 松竹全編劇場公開50周年記念特別配信 公式動画今も語り継がれる日本映画史上、不朽の名作。刑事、犯人、被害者、あの伝説の親子の彷徨。いずれもはまり役の入神の演技。そして、ダイナックで悲痛な映像美。なお、松本清張の原作(読売新聞連載)は、着想の面白さはあるのだが、いろんな要素をあれこれ詰め込み過ぎて散漫・冗長となり珍しくやや失敗作と言っていいだろう。がっかりするから、読まなくていいとも思う(・・・僕は読んだけど)。その骨子(つぼ、エッセンス)だけを使って思い切り盛り上げた映画は、空前の傑作となった。映画が原作を完全に超えたと評され、ほとんどの主要作品が映画・ドラマ化されている巨匠・松本氏もそれを認め、絶賛したと伝えられる。前半のひとつの山場、わらすべ一本の捜査の手がかり「ズーズー弁」の謎が、国語学者・金田一春彦氏作図の「日本語音韻地図」で鮮やかに解明されるあたりの、静かな昂奮。「おすすぬすんぶん」。それに続く、島根・出雲行きの丹波哲郎刑事の旅のシーンも重厚なピアノ協奏曲(コンチェルト)『宿命』が流れる中、テレビドラマではありえないぐらいゆったりとしたペースで描かれ、これぞ映画の呼吸と思わせる。何気に好きなシーンである。当時二十歳そこそこだったという島田陽子が美しい。この映画では全く台詞のないチョイ役・丹古母鬼馬二あたりもちゃんと芝居をしていて、存在感があるのがすばらしい。古い警視庁庁舎(東京・桜田門)が何度も映るのが今の目で見ると、昭和レトロで懐かしい。なお、この映画は私はDVDで持っているのでもう見飽きるぐらい見ているのだが(笑)もしまだ見ていないという方がいるならば、奇跡のラスト40分間だけでもぜひ一度見てほしい。緒形拳、いい人だなあ。加藤剛、かなしいなあ。どちらも男の中の男なのだが、つらくて悲しい「宿命」の出会いだった。
2024年11月02日
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まさに「聖地巡礼」。日本映画史上に燦然と輝く、今なお忘れ得ぬ人も多いであろう名作『砂の器』(松本清張原作、野村芳太郎監督、昭和49年・1974松竹)のロケ地巡り動画。ふと何気なく見つけて、驚くべき労作とその情熱に感服。ロケ地の変貌ぶりにも驚きつつ、一本の映画を作ることがいかに大変かにも、改めて気付かされる。リメイクはもはや不可能だなと嘆息させる。投稿主ウォーキング・テットさんに深い敬意を表する。〇 映画 『砂の器』 ロケ地探索 島根県編〇 『砂の器』 ロケ地探索伊勢志摩・二見浦、大阪・通天閣編〇 『砂の器』ロケ地探索 茨城県編〇 『砂の器』映画評 圧倒的な映像叙事詩ちなみに、この映画における緒形拳は、僕にとって男の一つの理想像である。人格的、あるいは口調・挙措動作への影響さえ受けたと思う。人として、なかんずく男子として生まれたものは、かくありたいと、けっこうまじで思っている。人情に厚い善人そのものなのだが、惜しむらくは、いかにも明治男らしくやや直情径行なところがあり、あまりにも苛酷な「宿命」によって心に深い闇を宿してしまった犯人の逆恨みを買って殺されてしまうという悲劇的な役どころである。本当に気の毒である。その一方で、大きな声では言えないが、犯人役の加藤剛も最高にかっこいい。難しい役だと思う。音楽表現に憑りつかれて、道徳を超えてしまった芸術家の深い悲しみを満面の表情に湛えて、こちらも名演。松本清張の原作(読売新聞連載)発表時から映画公開後にも、犯行動機の弱さに批判が燻っていたというが、これはもうしょうがないだろう。丹波哲郎の「癩病であったのであります」という衝撃的な台詞から始まる、クライマックスのダイナミックかつ悲痛な映像美の凄さが、すべての批判を吹っ飛ばす。殺人犯・加藤剛、被害者・緒形拳。大物演技派俳優同士の空前絶後の火花散る共演であった。その事件を追う丹波哲郎、森田健作の両刑事も、それぞれ代表作の一つと言えるほどの力演。もちろん、加藤嘉、春田和秀親子の名演は、もはや言葉を超えた真の伝説。■「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん43年を経て語る、子役という “宿命”一定以上の年齢の方はご存じだろうが、こういう気の毒な人や親子は、僕らの子供の頃にはけっこうそこらへんにいた。哀しい。〇 『砂の器』とハンセン病療養所〇 【妄想配役】 映画 『砂の器』 を2023年の俳優でキャスティングしてみたこれはもう、完璧だね。一杯飲みながら見ていたら、これだけで泣けた。この投稿者は、明らかに素人じゃないね。芸能界インサイダーのプロだろう。このキャストで、本当に見てみたい。
2024年11月02日
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まさに「聖地巡礼」。日本映画史上に燦然と輝く、今なお忘れ得ぬ人も多いであろう名作『砂の器』(松本清張原作、野村芳太郎監督、昭和49年・1974松竹)のロケ地巡り動画。ふと何気なく見つけて、驚くべき労作とその情熱に感服。ロケ地の変貌ぶりにも驚きつつ、一本の映画を作ることがいかに大変かにも、改めて気付かされる。リメイクはもはや不可能だなと嘆息させる。投稿主ウォーキング・テットさんに深い敬意を表する。〇 映画 『砂の器』 ロケ地探索 島根県編〇 『砂の器』 ロケ地探索伊勢志摩・二見浦、大阪・通天閣編〇 『砂の器』ロケ地探索 茨城県編〇 『砂の器』映画評 圧倒的な映像叙事詩ちなみに、この映画における緒形拳は、僕にとって男の一つの理想像である。人格的、あるいは口調・挙措動作への影響さえ受けたと思う。人として、なかんずく男子として生まれたものは、かくありたいと、けっこうまじで思っている。人情に厚い善人そのものなのだが、惜しむらくは、いかにも明治男らしくやや直情径行なところがあり、あまりにも苛酷な「宿命」によって心に深い闇を宿してしまった犯人の逆恨みを買って殺されてしまうという悲劇的な役どころである。本当に気の毒である。その一方で、大きな声では言えないが、犯人役の加藤剛も最高にかっこいい。難しい役だと思う。音楽表現に憑りつかれて、道徳を超えてしまった芸術家の深い悲しみを満面の表情に湛えて、こちらも名演。松本清張の原作(読売新聞連載)発表時から映画公開後にも、犯行動機の弱さに批判が燻っていたというが、これはもうしょうがないだろう。丹波哲郎の「癩病であったのであります」という衝撃的な台詞から始まる、クライマックスのダイナミックかつ悲痛な映像美の凄さが、すべての批判を吹っ飛ばす。殺人犯・加藤剛、被害者・緒形拳。大物演技派俳優同士の空前絶後の火花散る共演であった。その事件を追う丹波哲郎、森田健作の両刑事も、それぞれ代表作の一つと言えるほどの力演。もちろん、加藤嘉、春田和秀親子の名演は、もはや言葉を超えた真の伝説。■「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん43年を経て語る、子役という “宿命”一定以上の年齢の方はご存じだろうが、こういう気の毒な人や親子は、僕らの子供の頃にはけっこうそこらへんにいた。哀しい。〇 『砂の器』とハンセン病療養所〇 【妄想配役】 映画 『砂の器』 を2023年の俳優でキャスティングしてみたこれはもう、完璧だね。一杯飲みながら見ていたら、これだけで泣けた。この投稿者は、明らかに素人じゃないね。芸能界インサイダーのプロだろう。このキャストで、本当に見てみたい。
2024年10月20日
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宮崎あおいのかぐや姫マクドナルド 月見バーガーあまりのはまり役に、口あんぐりこのままのキャスト(子役も)・監督(ディレクター)で『竹取物語』の実写版映画化を切望します。竹取の翁(おきな):松重豊その妻・媼(おうな):手塚理美満月なのになんで「三日月」なんだという当然の疑問は承知の助の小炎上商法かCMメイキング
2024年09月05日
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The Big Shoefrom the movie 'Antz'original soundtrack byHarry Gregson Williams& John PowellAntz (1998) 'The Big Shoe' sceneEvery ant has his day.どんな蟻にも、輝く日がある。テレビ朝日系全国ネット『帰れま10』挿入曲(BGM)
2024年08月25日
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知ってる? Google アプリCMMISANOいくつかの異なるヴァージョンでテレビ放映たけなわである。露出度もすごくて、けっこう話題になっている模様。圧倒的に可愛いというにとどまらずなんか女子としての余裕というか貫禄というか成熟や落ち着きや凄みを感じて、一瞬でぐっとくる。・・・僕が若かったら、お嫁さんにしたかった
2024年06月07日
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月曜日のユカ 予告編 デビュー作。本陣殺人事件 金田一耕助役。秀吉 柴田勝家役。突然の訃報に、信じられない思いだ。本当に好きな役者だった。文質彬々ぶんしつひんぴん。コメンテーターやタレントとしての、一家言あるあの一種理屈っぽい感じも好きだった。昭和は遠くなりにけり。■ 俳優 中尾彬さん死去 81歳 映画やドラマなどで活躍【NHK 5月22日】 貫禄ある演技で映画やテレビドラマで活躍し、バラエティー番組でも人気を集めた俳優の中尾彬さんが、今月16日に心不全のため亡くなりました。81歳でした。中尾さんは千葉県木更津市の出身で、武蔵野美術大学在学中に日活ニューフェイスに合格し、俳優の道を歩み始めました。渋い声と貫禄のある演技で、個性派俳優として活躍し、映画では、1993年以降、平成の「ゴジラ」シリーズに出演したほか、「極道の妻たち」や「アウトレイジビヨンド」など話題作に出演しました。NHKでは大河ドラマの「秀吉」や「龍馬伝」をはじめ、「ハゲタカ」など数々のドラマに出演しました。こわもてで悪役のイメージがある一方、マフラーをねじって首に巻く個性的なファッションでバラエティー番組に出演しユニークな発言でご意見番として人気を集めました。また、妻は俳優の池波志乃さんで、おしどり夫婦としてさまざまな番組に2人で出演し親しまれました。所属事務所などによりますと、中尾さんは今年に入り足腰が悪く体力も落ちていたということです。それでも、時々、仕事をしたり、旅行に向けたリハビリに取り組んだりしていたということですが、今月15日に容体が急変し、翌16日に心不全のため自宅で亡くなったということです。
2024年05月23日
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市川崑東京オリンピック1964年開催、翌年映画公開の公式記録映画。各種ランキングにはあまり出てこないが、日本映画の傑作である。私個人的にも、これまで見てきた映画の中でかなり上位に位置する。国策映画として、映画館はもとより、全国津々浦々の公民館や学校などで上映され、この映画でオリンピックというものの崇高な意義が初めて分かったという国民も少なくなかったといわれる。観客動員数では、今もなお歴史的トップを維持しているとも見られる。巨匠・市川崑ならではのモダニズムと完全主義で、今見てさえ(写っている被写体は古くても)表現としては全然古くない。何度見ても感動するし、一種の批評性も利いてるなと思う。この後の映画・ドラマにもたらした影響は計り知れない。黛敏郎の音楽も、神がかっている。富士山の手前を聖火ランナーが駆け抜けるワンカットなどは市川監督の(今でいう)ヤラセ・演出だといわれているが、かつてワイドサイズ(シネマスコープ)で写された中で最も美しい映像であると言えるだろう。完全に許容される。ただ、本来は純粋素朴なスポーツ記録映画を期待されていたものを市川監督が文学青年系で、全くのスポーツ音痴であったこともあり、ここまで「芸術」にしちゃっていいのかという批判は当時からあり、賛否両論・毀誉褒貶相半ばする作風ではあった。確かに、例えばスポーツ競技中の顔のクローズアップの多用などは、スポーツ愛好者から見れば、何をやっているのか分からないという正直な感想もあり得るだろうなと思う。もちろん、私は市川氏の意図を完全に支持するが、こういった手法は、この作品だけでいいだろう。なお、これは英語ナレーションの国際版なので、オリジナル日本版とは若干映像の編集が違うが、私の見たところ、ほぼ97%はそのままである。市川氏も日本人である。日本人が特にフィーチャーされている場面などが、ちょこちょこカットされている感じだ。これはまあ、しょうがないよね。
2024年04月29日
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湖池屋ランチパイ新商品CM新木優子しばらく誰だか分からなかったのは、僕だけじゃあるまい。美しくて、どことなくレトロ感があって懐かしく、商品とのミスマッチが意表を突いていて面白い。CMメイキングCMディレクター(監督)が誰なのか調べたが、今のところ不明。やってくれたね。監督も女優も視聴者も「三方一両得」で楽しい。
2024年04月04日
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今年のNHK大河ドラマ『光る君へ』が最高に面白い。絶好調である。毎回ドラマチックかつロマンチックな展開で、心が揺さぶられる。まだ早春の今からこんなに面白くては、今後いったいどうなってしまうのか(いい意味で)先が思いやられる。特に昨10日放送の第10回は、なにげに神回と思った。□ 哀れ花山天皇 が、それよりまひろと道長の展開が速くないかざわつく「光る君へ」第10回【木俣冬氏 ヤフーニュース 10日】子供のころから親しんできた大河ドラマだが、私の知る限り、歴代の中でも五指に入る出来だと思う。日曜の夜が待ち遠しい。吉高由里子は、国民的大女優になりつつある。現在のわが国の人気女優を見渡しても、余人を以て代えがたい配役である。このあと、間違いなく歴史的傑作小説を物するであろう文人的な落ち着いた物腰と聡明な感じ。彼女はこの役を演ずるために生まれてきたと、私は確かちょっと前の詠草で(いくぶん大げさな表現で)短歌にしたが、その感想はますます裏付けられている。ただ、平安宮廷を描く以上やむを得ないのだが、登場人物が藤原姓ばかり(あとはせいぜい「源」ぐらい)という「藤原問題」をはじめ、かなり歴史ファン向けの「通好み」な作風になっており、見る側にも一定の教養が要求される感じだ。一般視聴者がなかなかついて来られないようで、視聴率は苦戦している模様だが、これはもうしょうがないよね。間違いなく、長く語り継がれる名作となりつつあるので、NHKのスタッフや上層部は、目先の数字なんか一切気にしなくていいと思う。芸術・芸能への評価って、しばしばこういう感じだから。生前はほとんど理解されず無名で、死後に評価・称賛された芸術家のなんと多いことか。ゴッホ、宮沢賢治はその典型である。芸術の歴史は、死屍累々・無念ゴロゴロの歴史である。・・・って感じか。「時代を先取りしすぎていた」「生まれてくるのが早すぎた」とかいわれる類いである。きのうも、若き藤原道長とまひろ(紫式部、こちらも藤原、遠い親戚)の情熱的な恋模様が美しく描かれたが、当時の慣例に忠実に、玉梓(たまずさ、詩歌によるラブレター)のやり取りで恋愛が進行する。道長のラブレターが、当時の貴族なら(当たり前の)必須科目の古今和歌集からの引用であるのに対し、まひろの返歌が読むのも相当難しい漢詩であるというあたりに、紫式部の文人(学者)としての教養とプライドあふれる人物像を垣間見せた面白さがあったのだが、こういう世界に少々は慣れ親しんでいる私(くまんパパ)にとっても、解読を断念するほどの高踏優雅な場面であり、ましてや多くの視聴者にはチンプン漢文であったかも知れない。それに続く、月の光の中でのラブシーン(ほぼ、今でいうベッドシーン)は、思わずうなるほどの美しさと激しさで魅了された。まさしく、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』、『ハムレット』であった。稀に見る「ファンタジー大河」と言えよう。史料の少ない平安時代をこれ幸いと、オリジナル脚本の大石静はやりたい放題。ロマンチック盛り盛りマシマシで、空想の翼を自由奔放に羽ばたかせまくっている。うるさいアカデミズムや歴史マニア方面の一部からは、多少クレームが付き始めているとも仄聞するが、所詮エンタテインメントのドラマなのであるから、そう目くじらを立てなくてもいいだろうと、私は思う。この調子で、今後もガンガン行ってもらいたい。なにしろ、信頼しうるまともな同時代の参考資料は、ロバート秋山演ずる藤原実資が毎日小まめに書き綴った日記『小右記』ぐらいしかないといわれるのだから。その秋山竜次も、コメディ・リリーフとして笑わせながら、けっこう重厚な存在感を示していて、役者開眼だね。売れない大部屋役者だったというお父さんは、草葉の陰で涙してるよ。道長役の柄本佑が、放送前のインタビューで「大石さんの脚本があまりにも情熱的なので、気恥ずかしさをこらえるのに苦労した」(うろ覚え)というようなことを言っていたと思うが、こうした場面のことであったかと納得。その柄本佑がいい。平安宮廷での権力闘争・謀略に邁進する父と兄たちに翻弄されつつ、自己を確立してゆく繊細かつ心優しき道長像を新たに創造している。この大抜擢といえるキャスティングは大当たりだったね。今のところ、若さ・未熟さを表現するため、わざと生硬(下手め)な芝居をしていることさえ、ありありと感じとれる。大河は長いのである。天才的な俳優である父親譲りの計算された演技がすばらしい。かつて、岸谷五朗もそんな感じだった。これは、一年間見ていられる。ほかにこの役を務められる若手中堅の人気演技派俳優は、菅田将暉ぐらいしか思いつかない。ただ、菅田はついこないだ同じ大河で大役・源義経をやったばかりだしな。そして、上手いが地味めなバイプレーヤーと思っていた段田安則が、「平安のゴッドファーザー」を見事に演じて、出色の貫禄と包容力。脚本の大石静が、『ゴッドファーザー』シリーズと『華麗なる一族』を参考にしたと言明してるだけあって、なかなかの「ブラック大河」でもあるが、まさしくマーロン・ブランドと北大路欣也を髣髴とさせる。しかもけっこう家族思いの温かい人間味やユーモアさえ宿っていてすばらしい。岸谷五朗演ずる父・藤原為時と娘・紫式部の関係性も、いろいろ波瀾もあったが本当にすばらしい。抑制された穏やかな演技の中に、冬を超えた春爛漫の温かい情愛が香り立っている。私にも、まもなく先生という敬称で呼ばれることになるであろう親孝行な娘がおり、とても人ごととは思えず、毎回うるうるして見ている。その娘は、吉高由里子と横澤夏子を足して2で割ったような顔をしているのである。かわいい。* この記事は、もうちょっときちんと加筆修正して書こうと思ったのですが、仕事が忙しすぎて頭がぼやけておりまして、とりあえずこれで終わりにします。すみません。
2024年03月11日
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エポックメイキングな新型テーマパーク「IMMERSIVE FORT TOKYO」の、今さかんに流されているテレビCMで、コミカルな演技を披露している可愛い女の子が気になって気になって夜も寝られない。・・・とはちと大げさだがけっこうタイプな女性である。ぼ~っとテレビを見ていても、美女は見逃さないのである。ラストの「人生、全とっかえ。」の決めぜりふコピーとともに映される、切れ長の目の彼女のクローズアップが、まじで美しい。うっとりしている彼女に、うっとりしちゃう。コミカルな中に一種の格調も感じさせ、このCMの監督(ディレクター)は、なかなかやるなと思う。・・・ところが、ネット上を縷々探っても、このモデル?女優?さんのデータはもとより、このCM自体がアップロードされていない。非常に不満だ。今からでも遅くないから、ちゃんと出してもらいたい【11日後記】今なおアップされていないようである。どういうつもりなんだ
2024年03月08日
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愛弟子・笠置シヅ子(福来スズ子、趣里)の復帰と、戦後日本の復興にふさわしい曲をと思い悩んだ作曲家・服部良一(羽鳥善一、草彅剛)が、乗っている電車のガタンゴトンという音と吊り革の揺れる光景に霊感を得たかのように、ついに神曲『東京ブギウギ』のメロディーを思いつく。辺り構わず「ラララ、ララララ」と歌い出し、周りの乗客の顰蹙を買う。あいにく筆記用具を持っていなかった彼は、矢も楯もたまらず駅前の喫茶店に跳び込んで、紙ナプキンに鉛筆で音符を書きなぐる。メロディーだけで、まだ歌詞のない紙ナプキンの楽譜には、しかしすでにタイトル『東京ブギウギ』の文字がくっきりと書かれているのだった。史実といわれるこの場面が再現された、けさのNHK朝ドラ『ブギウギ』は、神回だった。草彅剛の緩急自在の見事な演技から、自らの手で新時代を切り拓いた男の興奮と歓喜が伝わってきて、目頭が熱くなった。ドラマは、おそらくこの木・金曜日、クライマックスを迎える。
2024年02月07日
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□ 俳優・草彅剛が「あえてそうした」演技とは朝ドラ『ブギウギ』で見せる “驚くべき大胆さ”【文藝春秋オンライン CDB氏 23日】読んでいてなかなかの名文だと思ったのでリンクしておきます。
2023年12月24日
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ゴジラ -1.0予告編11月3日公開GODZILLAMINUS ONEOfficial Trailer12月1日全米2300館公開ゴジラ -1.0テーマ曲(長尺)佐藤直紀
2023年11月01日
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いなば CIAOちゅ~るCM 3分ヴァージョン Iいなば CIAOちゅ~るCM 3分ヴァージョン IV
2023年04月12日
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伊丹十三監督『タンポポ』挿話(通称)「最後のチャーハン」井川比佐志 三田和代同 英語字幕入り「タンポポで最も悲しいシーン」映画全体の本筋とは別の、わずか4分間のシーンだが、深く心に残る。世界映画史に残るといっていいのではないか。井川比佐志、三田和代の鬼気迫るほどの入神の演技に加え、せりふのない子役の動きまで、ほぼ完璧である。涙止めえず。唯一、臨終を告げる医者役の演技が上手くないと思っていたのだが、医者も人間である。手立ては尽くした。精一杯やった。礼も尽くした。もう帰りたいよという気分を表現していて、これはこれでいいのだと思い直した。映画好きであれば直ちに気づくことだが、このシーンは巨匠・小津安二郎監督の代表作で、日本映画屈指の名作『東京物語』で母親が亡くなるシーンへのオマージュと挑戦が入っているのだろう。そこで大声を立てて泣くのは、大女優・杉村春子だったが、(・・・これがまた、書けば若干長くなるのだが、書いてしまおうか。当時のこととて、割と優しいけれどもやはり威張っている父親に忍従気味の古いタイプの母親に反発して、手に職をつけて自立して、今は天下の大東京で美容院の経営者として成功している長女・杉村は映画の初めから母親にクールでドライで冷笑的な言動を繰り返す。見事な脚本と演出を得て、歴史的演技派大女優の面目躍如の独壇場である。母親の危篤に際しても、ますますそのドライな怜悧さは冴えわたる。女って、女に対してこうだよなと、いちいち思い当たって男は苦笑する。ところがそれが、長大な伏線であったと気づくのが、くだんの母親の臨終シーンであり、この瞬時、魂の叫びのように杉村春子が泣き崩れる。「ああっ」という声だったか。そしてすべての伏線が回収されたのである。脚本・監督のたくらみであり、ドラマツルギー・作劇の見本であると思う)この長女役の子役の泣き声は、それに勝るとも劣らないと思う。長男役の子役もいい。母の死を目前にして茫然としつつ父の命に従い、その最期のチャーハンを黙々と食う。かなしみは、やがてじわじわと後から襲ってくるだろう。かなしい。
2021年09月05日
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このところ働き詰めで、今日は個人的な休日(代休)。その聖なる日(ホリデイ)の昼下がり、テレビ東京で何気なく見始めた映画『バンテージ・ポイント』に釘付けとなった。そのシャープな組み立て、演出、編集(カッティング)、そして役者たちのリアルな演技にビックリ。手に汗握るとは、まさにこのことだ。ひとつの大事件を、複数の視点から繰り返し描くという凝った着想には、若き日の黒澤明の才気迸る傑作『羅生門』の影響があるか。時々刻々と過ぎてゆく時系列を強調した表現は、西部劇の名作『昼下がりの決闘』か。純然たる娯楽映画(サスペンス・アクション)であり、もちろん芸術作品ではないが、その表現の志がきわめて高く、野心的・意欲的であることは一瞥して明らかだ。すげえ。けれん味たっぷりでありながら、リアル感を能う限り追及している。そのため、多少小難しい構成になっているのは否めず(そこが面白いのだが)、やや見巧者の玄人向けとなっている。それゆえ、一般鑑賞者の評判は「めんどくさい、頭が混乱する」など、必ずしも高くない。これはやむを得ない。万人に受けることは出来ない。今や、世界トップの映画表現はここまで来てるのか。そう思わされた。ひとつの完璧なテキストというべきか。最初の死屍累々のモブ(集団)シーンは、またまた黒澤明『影武者』の引用か。『影武者』からはもう一つ分かりやすい重要な引用がある(ネタバレになるのであんまり書かないでおくが)。ラスト・シークエンスでの、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『終着駅』(迫りくる巨大な汽車/救急車の前を辛くも横切って愛する者を助ける場面)の引用を含め、映画オタクの監督による映画史(映画の大先輩たち)へのオマージュ(敬愛をこめた表現)多数と見受けられた。よく言われる通り、映画はやはり監督のものであり、その監督にどれだけの引き出しがあるかで決まる。ストーリーの大筋とは全く関係ないのだが、中盤からちらりほらりと登場してくる、天使のように純真無垢で無辜なる少女「アンナ」は、フェデリコ・フェリーニ監督の傑作『甘い生活(ラ・ドルチェ・ヴィータ)』、および北野武『HANA-BI』のラストシーン・ラストカットの美少女(実の娘・北野井子を起用)か。そして、そのアンナ(Anna)はアイスクリーム(ジェラート)を持って登場し、そのアイスクリームでちょっとしたひと悶着がある。これは、もしや『ローマの休日』のアン王女(Princess Anne)か。そんなこんなで、私の見るところ、私の気づいていないものも含めて、この作品はヴェネツィア映画祭大賞作品や滋味溢れるイタリア映画その他のオマージュ祭りなのであった(個人の感想です)。・・・映画って、本当に素晴らしいものですね(水野晴郎)。
2021年07月05日
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皆様、お久しぶりです。ブログの方はしばらく放置・休眠状態でしたが、相も変わらず連日望外のアクセス・ご訪問をいただいておりまして、厚く感謝感激しております。本当にありがとうございます。私はといえば、ここ数年は仕事があまりにも忙しく、課せられた責任も重くなるばかりで、心身共にへとへとの毎日を過ごしております。帰宅すれば、飯食って風呂入ってテレビでも見ながら一杯やってバタンギューの有様で、ブログの方に注ぐエネルギーすらもはやなく、ずいぶんご無沙汰してしまっていますが、本人はまずまず元気で生きてはおります。いずれリタイアしたあかつきには、思いっきり好きなことをやりまくり書きまくり三昧となるのが、ささやかな夢の今日この頃であります。〔なお、以下の駄文は酒を飲みながら書いたので、さまざまな表現がやや過剰というか大げさになっておりまして、しらふで読み返すとちょっと気恥ずかしいのですが、・・・まあ、これはこれでいいか~〕さて閑話休題、15日に終了したテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系全国ネット・関西テレビ制作)は素晴らしかった。具体的な内容については、すみませんがめいめいググってみていただきたい。番組が終わってから書くのも、証文の出し遅れというか間が抜けた話だが、とにかく久しぶりに一筆書きたくなる代物だった。視聴率的にはかなり苦戦した模様で、一般視聴者の評判は「面白い/つまらない」の真っ二つに分かれているらしいが、私はテレビドラマのひとつの到達地点といってもいい出来だったのではないかと、陰ながら高く評価している。「つまらない」という感想も、実は全く分からないでもない。現代社会を生きる知的な大人の日常が、緻密な観察眼に支えられたリアリティと絶妙な演技で微苦笑的なコミカルさの中で淡々・延々・黙々と表現されていた。地味といえばやや地味である。連続テレビドラマならではの一種のたっぷりとした時間の余裕もこれに相俟っていた。芸術・芸能表現においては、高度で本物になればなるほど、ある種の「退屈さ」と紙一重になってくることは、どの分野でも多少齧ってみれば誰にでもわかる事実である。神に近づくことは、宇内の静謐に近づくことだからだ。1300年の伝統を有する短歌・俳句などその好例だろう。表現者は、そうした中で勝負する。鑑賞者もそれに準ずる。このドラマは、受け手の側の一定の研ぎ澄まされた感性も要求される、驚くべき自由闊達さと完成度の、小さな奇跡だった。メディアやネット上の見巧者の評価もきわめて高く、我が意を得たりである。歴史の評価に堪えるということは得てしてこういうことだと思う。同時代では案外と見過ごされてしまう。宮沢賢治は、東北・岩手の農学校の無名の一教師として死んだ。ゴッホも、悲惨というべきほどの無名かつ赤貧だった。・・・その他芸術家・文学者の実例、大勢すぎる。芸能芸術を志す者であれば、無縁仏で野垂れ死にする覚悟がどこかにあるべきだろう。知る人ぞ知る。分かる人は分かってくれる。宝くじは誰かに当たる。くだんのこの作品は、私の最も好きな作家・保坂和志の作風に近いことは指摘してもいいだろうか。純文学の目指しているひとつの方向性・目標である、大したこと(いわゆる波乱万丈の「ストーリー」とか)はほとんど何も起こらない日常のリアル感と同時に、限定されたシチュエーションにおける人生の桃源郷ともいえる幸福感が満ち満ちていた。私ごときがいうのはおこがましいのは重々承知しているが、文学などの鑑賞眼はそれなりにあるつもりである。偉そうにいえば、表現行為に関心がある者はぜひ見ておいた方がいいというレベルの達成だったと思う。しかも楽しみながら勉強できる。松たか子演ずるタイトルロールの女性が、きわめて魅力的でキュートなのは言うまでもない。演出・演技の驚くべきナチュラルさは、今や大女優となりつつある彼女の中期代表作のひとつになったと思う。チャーミングでコケティッシュであると同時に、現代社会で働く・戦う女ならではの一種のガサツさ・豪快さ・男前な性急さなども含めて十全に表現された。・・・が、にもかかわらず、この作品の表現のツボはそこではなかろう。松たか子は、半ば狂言回しといってもいい存在であり、ツボは「三人の元夫」の振舞いにある。ゴールデンタイムのテレビドラマとあって、状況設定はやや奇抜でケレン味があるが、それも大したことではなく、この3人の元夫たちの掛け合い漫才的なじゃれ合いこそが作者(脚本家・演出家)の本懐であろう。いずれ達者な演技派俳優の「間」も見事な芸の奔流が本当に楽しかった。彼らは、お互いに寛容である。大豆田とわ子という女性への思慕・渇望、女神への崇拝めいた志向を秘めた、一種の盟友である。たまに対立することもあるが、さほど深刻な葛藤には至らない。かといって、微温的なぬるま湯ともまた違う、真剣で緊張感のある応酬があり、引いた目線で客観的に見るとコミカルでもある。そしてその状況を作中人物(キャラクター)たちは限りある唯一無二の人生の貴重な一部として存分に楽しんでいる。この楽しさが、見ているわれわれにも伝わってくる。この雰囲気・表現の境地は、わが駄文では説明できない。野心的な脚本家と演出家によって創造され、生身の俳優によって演じられたドラマ(テキスト)そのものを見てもらうしかない、というほかはない。フジテレビの午後の再放送枠で、うまくすれば一回ぐらいOAされるような気もするし、いずれDVDも発売されるであろう。そんなこんなで、見て損はないと思う。
2021年06月16日
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ワンダ モーニングショットCM「部長ハイテンション」編ビートたけし 劇団ひとり 澤部佑同CM メイキングスナップ
2017年05月01日
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伊丹十三監督『タンポポ』挿話「最後のチャーハン」井川比佐志 三田和代
2017年01月26日
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大島渚戦場のメリークリスマスラストシーン
2016年12月23日
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ハナマルキ・液体塩こうじCM「夫の悲劇篇」&「妻の悲劇篇」 ・・・身につまされる、というか、リアルすぎて背筋に寒いものが走るのを覚える 僕と妻はまだここまで行っていないとは思うが、時としてこれに近い空気は、やや無きにしもあらずである。 それにしても、モリタク氏はハマりすぎ~。よくまあ出たもんだな~と感嘆である
2016年10月30日
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NHK大河ドラマ『真田丸』がめっぽう面白い。伝統ある大河ドラマの歴史に一石を投じ、新たな1ページを開いたといっても言いすぎではないであろう出来栄えで、毎回瞠目しつつ楽しませてもらっている。○『真田丸』 みんなの感想テレビガイドサイトの、実に6000件を超える視聴者コメントも賛否両論はありつつ活気がある。私などが言いたいことは、およそ言われ尽されてしまっている。これを読んでるだけでも楽しい。さすがの三谷幸喜脚本というべきであろう。つわもの揃いのベテラン演技派役者たちがみな生き生きと芝居しているが、特に、多くの方が言っている通り小日向文世の秀吉は白眉と思う。これまで決定版と見られてきた竹中直人や香川照之の秀吉のアンチテーゼとしての怜悧でクールな人物造形がスゴすぎる。・・・なるほど~、天下人・秀吉ってこういう感じだったかも知れないなとなるほど納得、感服である。
2016年05月01日
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忠臣蔵 雲の巻 7平成3年(1991)12月13日 フジテレビ系放映
2016年01月17日
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『ロッキー』アポロの孫が主役のスピンオフ映画今月撮影開始 スタローンも「ロッキー」役で登場 映画史上の伝説的名作『ロッキー』(1976)の中でロッキーのライバルで親友だった世界ヘビー級チャンピオン、アポロ・クリードの孫を主人公にしたスピンオフ(派生作品)映画『クリード(原題)』が、今月クランクインされるという。私を含め、世界映画史上屈指の傑作と評価する人も多い第1作の初公開から40年を間近に、すばらしい朗報と思う。 『ロッキー』シリーズの主役だったシルヴェスター・スタローンも、主人公のメンター兼トレーナーになる「老ロッキー」役で登場するという。シリーズで重要な脇役だった老トレーナー「ミッキー」役のバージェス・メレディスの名演を改めて思い起こさせる。
2015年01月28日
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2014年11月20日
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「幸福の黄色いハンカチ」 予告編公式動画
2014年11月19日
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高倉健さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。 幸福の黄色いハンカチ(北海道・夕張)ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン * 画像クリックで拡大。
2014年11月18日
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○ 史実 軍師・黒田官兵衛(如水) あらすじとネタバレ 今年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』は、視聴率もまずまずのようだが、中高年を中心とする歴史ファンの間では、大河の歴史に残る名作という評価が高いように思われる。筆者の所属する町内会のオヤジたちにも大評判である。毎週日曜日の宵が待ち遠しい。○ 軍師官兵衛・みんなの感想 1 同2 大河ではかつてないほど「悪」の要素を綺麗事の解釈で糊塗しようとせず、「黒田」の苗字に引っかけてであろうが、「ブラック官兵衛」とまで呼ばれるリアリティがスゴイ。役者の演技や演出も渾身の気魄が注入されている。個人的には『龍馬伝』以来の会心の作ではないかと思っている。 ただ、信長・秀吉・家康の戦国三英傑の通史を扱うため、展開はどうしても駆け足にならざるを得ず、個々のエピソードはちょっと踏み込みが物足りないという意見も多い。 そこで、もう少し詳しく史実を知りたいファンのために、上記リンクのウェブサイトなどが好適と思ったのでご紹介したい。簡単すぎずゆるすぎず、逆に学術的に厳密・詳細すぎず、ちょうどいい質と量と思う。読み物としても面白い。このサイト管理者の方の労を多としたい。
2014年09月24日
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絶好調と評判のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』を毎週楽しみにしているが、次回の豊前(大分)宇都宮氏の滅亡だけは、なんとも見るに忍びない。「黒田」に絡めてだろうが、「ブラック官兵衛」といわれるゆえんの一つである。悲劇の武将・宇都宮鎮房(しげふさ)を、豪胆さと悲壮感を併せ持つハマリ役の村田雄浩さんが演じている。 (歴史のことは詳しく書けばきりがないから、かいつまんでいうと)当地・下野(栃木)宇都宮城主を本家とする宇都宮一族は、小倉百人一首の選定を藤原定家に依頼した宇都宮頼綱の一族としても知られる名門だったが、戦国時代から桃山時代にかけて、例えばこのようにして各個撃破されたり改易されたり身内に裏切られたりしてほとんど滅亡し、数少ない生き残りが現在の全国宇都宮氏の祖となった。地元の住民としておいたわしく思う。 攻めた豊臣政権側にも当時さまざまな差し迫った事情があったのだろうし、秀吉はのちにこのことを深く悔いたとも伝えられるが、秀吉とその股肱の重臣、黒田官兵衛・長政父子によって、騙し討ちといわれても仕方がない謀略で滅ぼされたという事実は覆らない。凄惨な戦国悲話の一つであることは書き留めておきたい。○ 「宇都宮鎮房」軍師官兵衛・村田雄浩【ネイバーまとめ】 宇都宮氏 家紋・左三つ巴ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン * 画像クリックで拡大。
2014年09月05日
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今年の大河は久しぶりに面白いなと、中高年がつどう町内会の飲み会でもひとしきり話題になった。その『軍師官兵衛』は、まさにダウンタウン松本の講釈通りの展開になりつつある。○松本人志 好きなものの話 黒田官兵衛○ためになる話 官兵衛と松本の意外な接点 松本が講師。生徒が千原ジュニア、フット後藤、バナナマン日村、品川庄司品川(・・・もうひとり誰?)ってところ。面白いし、心からの敬愛が感じられるなあ。そういえば、松本は黒田官兵衛の地元・兵庫県の尼崎市出身。さすがの内容と話術で、普通に勉強になるね。○大河ドラマ『軍師官兵衛』が楽しみすぎる理由 ・・・全く同感だ。毎週日曜日が楽しみすぎる。
2014年08月10日
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古今東西を問わず、政治や軍事の領域に「悪」の要素が必然であることは、つとに16世紀イタリア・ルネサンス期の政治思想家マキャヴェッリが犀利に分析しているところで、現在の国際情勢を見るにつけても自明のことだが、今年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』にはことのほかそれが色濃く滲み出ていて、見ていてゾクゾクさせられる。例えば、映画史上の傑作『ゴッドファーザー』シリーズのような凄みと静かな気魄が全篇に溢れていて、大の男を夢中にさせる。「黒田」をもじっているのかも知れないが、親しみをこめて「ブラック大河」「ダーク官兵衛」などと呼ばれているのもうなずける。 当時の日本人のトップクラスの智力と持久力、智略・智謀と胆力、理念構築と現実洞察の全人間的な能力を傾注して天下泰平の世を引き寄せてゆくブレイン(頭脳)ゲームを描いて、歴代大河の中でも異色でありつつ、屈指の記憶に残る作品になっている。演技・演出・脚色などについてはほかのサイトに譲ることにするが、主役の岡田准一を筆頭に、その素晴らしさは言うまでもない。 佳境に入った展開はますます絶好調で、視聴率の数字も着実についてきているらしい。当然であり、納得である。 万が一、まだ見ていないという方がいれば、今からでも遅くないから、ぜひおススメしたい。○[軍師官兵衛]番組最高の視聴率19.4%中国大返し、秀吉天下取りでV字回復【マイナビニュース 22日】
2014年07月22日
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GODZILLAゴジラ 予告編1世界が、終わる。7・25日本公開予告編2日本語版予告編・・・なんと、「ゴジラ」松井秀喜も出演しているらしい。いやホント
2014年06月10日
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○ 大河ドラマ「軍師官兵衛」 徳川家康役に寺尾聰 あれ? これは5月16日の記事か。半月も前に発表されてたんだね。知りませんでした。「寺尾家康」は、いくぶん意外といえば意外だが、なるほどといえばなるほどなキャストだね。しかも、寺尾さんはすでに41年も前の「国盗り物語」(1973)で家康役の経験者だという。 最近の寺尾さんは、あの独特の落ち着いた温厚な雰囲気に、貫録と年輪も身に着けたように見えるので、これはもしかすると決定版のはまり役になるかも知れないね。 お父さんの宇野重吉さんも大河は常連だったが、ますます似てきたように思う。僕ら中年世代にはなんとも懐かしい。 ・・・ノルアドレナリンの信長、ドーパミンの秀吉、セロトニンの家康と、脳内ホルモン(神経伝達物質)の分泌が三者三様で、その代表格ともいわれる戦国の三英傑がやっと揃い踏みだね。○ 大河ドラマ.net
2014年06月03日
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今年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」がすばらしい。演出・配役も俳優たちの演技も実に見事で、毎回本当に見応えがある。「人生」と「日本人」に深く思いを馳せたくなる、まれに見る重厚な人間ドラマであり、久しぶりに大河らしい大河と言えるのではないか。詳しくは、以下の賢明なファンの膨大なコメントに言い尽くされているので、私が屋上屋を架す必要はないだろうが、多くの声に同感である。 涙なくしては見られなかった第21回のラストシーンでは、荒木村重の虜囚となった主人公・黒田官兵衛孝高(如水)がのちに黒田家の家紋にしたという、絶望の淵の牢獄から眺めた藤の花が出てきた。これは歴とした史実といわれ、まことに美しい白眉のワンカットだった。○ YAHOOテレビ 「軍師官兵衛」 みんなの感想○ ちゃんねるレビュー 「軍師官兵衛」○ 軍師官兵衛 第21回 みんなの感想まとめ 視聴率では苦戦気味とも伝えられているが、NHKは全然気にする必要はないだろう。歴史ファンは強く支持していると思う。 ここまでの展開では、史実におおむね忠実なストーリーが、長い隧道の中を彷徨っているがごとく暗く荘重・深刻であり、おもわず目を背けたくなるような悲惨で陰々滅々とした場面も少なくなかったので、一般視聴者(特に若い女性層など)から毛嫌いされた面があるのだろう。しかし、これからは主人公の周辺にも光が射してきて、明るく颯爽とした見せ場も多く登場してくる。特に、次回・次々回あたりは官兵衛たちの身に奇跡のどんでん返しが訪れ、やっと暗いトンネルを抜ける感がある。今後もますます楽しみであり、期待している。
2014年05月31日
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GODZILLAゴジラ 予告編1世界が、終わる。7・25日本公開予告編2日本語版予告編 私は生まれていなかったが、歌詠みで何でも来いの映画好き、怪談や怪奇物も好きだったモダンな祖母が大ファンだった。 今を去ること60年前の昭和29年(1954)、あの伝説の「ゴジラ」第1作を初めて見た日本人の恐怖が、今ハリウッドの最新技術で再起動リブートされて蘇る。 ちなみに、この予告編に流れている神秘的な楽曲は、明らかに何ほどかの宗教性を帯びた現代音楽の傑作で、トーン・クラスター技法を駆使したジェルジュ・リゲティの「アトモスフェール」(1961)である。僕個人としても、好きな音楽作品の五指に入る名曲である。本編でも使われていればいいなと思う。伊福部昭のオリジナル・サウンドトラックには到底及ばないとは思われるが。 ゴジラとは、和を以て貴しとなす日本人の魂の奥底に潜み、めったなことでは姿を現さない、ちはやぶる「破壊神」の形象アイコンである。 例えば、歴史好きならピンとくるだろうが、堪え難い蹂躙の果てに日本第一の荒ぶる怨霊となりたもうた「崇徳院すとくいん」のごときものにほかならない。今も平将門が仕えている。 敷衍していえば、日本人とは、潜在的ポテンシャルに暗黒面を秘めた恐るべき民族である。舐めてかからない方がいい。万が一にも、ひとたびその暗黒面が発動されることあらば、われわれ自身も含めて、地球上に止められる者はいない。世界は終わってしまうだろう。
2014年05月19日
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私くまんパパの中学・高校の同級生、片嶋一貴かたしま いっき監督の最新作『たとえば檸檬れもん』が、6月15日(土)~7月12日(金)に当地の栃木・宇都宮ヒカリ座で凱旋ロードショー公開されることになりました。片嶋君本人から連絡がありました。 なお、このお知らせは、画像も含め拡散大歓迎です。 □ 映画『たとえば檸檬』オフィシャルウェブサイト□ 同 公式フェイスブック(書き込み自由です) ●監督:片嶋一貴(『小森生活向上クラブ』、『アジアの純真』)●出演:韓英恵(『誰も知らない』)有森也実(『キネマの天地』)綾野剛(『その夜の侍』、NHK大河ドラマ『八重の桜』)佐藤寛子(『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』)白石隼也(『シグナル 月曜日のルカ』)/古田新太室井滋/伊原剛史ビスタサイズ 2時間18分 ■ 宇都宮ヒカリ座 ウェブサイト 今回は家族・親と子の絆をめぐる重厚・鮮烈な人間ドラマに仕上がっていて、豪華実力派俳優陣の競演も見どころです。 ダイナミックでエネルギッシュな演出と尖鋭な映像、斬新なストーリーテリングで人間存在の深奥を追究し疾駆しつづけるわが畏友・片嶋一貴監督の真骨頂を、この機会にぜひ劇場でご堪能下さい。 画像クリックで拡大ポップアップ。
2013年05月21日
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* 画像をクリックすると拡大画面がポップアップ。○ 映画『たとえば檸檬』オフィシャルウェブサイト○ 『たとえば檸檬』トークショー&サイン会開催 前作『アジアの純真』では、衝撃的なストーリーテリングと描写で轟々たる賛否の嵐を巻き起こし、ダイナミックでエネルギッシュな演出と鮮烈な映像で人間存在の深奥を問い続ける片嶋一貴(かたしま・いっき)監督の新作、絶賛公開中。 片嶋監督と私は中学・高校の同級生。この畏友の異能にはいつも驚かされっぱなしである。 興味とお暇がおありの方は、覗いてやって下さいませ
2012年12月22日
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* 画像をクリックすると拡大画面がポップアップ。■ 映画『たとえば檸檬』オフィシャルウェブサイト 前作『アジアの純真』では、衝撃的なストーリー展開と描写で轟々たる賛否の渦を巻き起こし、ダイナミックでエネルギッシュな演出と鮮烈な映像で人間存在の深奥を問い続ける片嶋一貴(かたしま・いっき)監督の新作映画、まもなく公開。 ちなみに、片嶋監督と私は中学・高校の同級生。この畏友の異能にはいつも驚かされっぱなしである。 興味とお暇がおありの方は、覗いてやって下さいませ
2012年12月15日
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大滝秀治さん遺作高倉健 主演あなたへ降旗康男監督作品大ヒット上映中
2012年10月09日
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NHK大河ドラマ「平清盛」が面白くなってきたと思う。放送開始直後からいろいろと難癖・クレームがついたり低視聴率に喘いだりと苦戦が伝えられてきたが、ここしばらくの展開については、私はかなり気に入っている。まだ全体像を評価するのは早計かも知れないが、もしかすると、おととしの「龍馬伝」に優るとも劣らない出来ばえではないかとさえ期待している。ドラマは、いよいよ前半のクライマックス「保元の乱」にさしかかってきた。平安時代まで続いたやんごとなき古代天皇制が瓦解した、最初の決定的な大事変である。続いて「平治の乱」となる。院政の主(ぬし)、「治天の君」こと白河、鳥羽両法皇の乱倫に始まった平安末期の朝廷の混乱・迷走は、武力を伴う大動乱になだれこんでゆく。その中で悲劇の貴公子・崇徳上皇(崇徳院)は、「3D貞子」も裸足で逃げ出す日本第一の怨霊となって明治維新までの歴史を支配することになる。崇徳院を演じている井浦新(旧・ARATA)さんという俳優は、詳しくは知らないが、いかにもそれらしい雰囲気を醸し出していて、今後の展開へのいや増す期待も含めてハマリ役ではないかと思っている。見せ場での熱演を期待したい。こののち、源平合戦という武力衝突を経て、源頼朝らによる前例のない武家政権(鎌倉幕府)が樹立されるのはご存知の通りだが、事実上革命的ともいえるその過程は、いわば「二段階革命」だったともいえよう。現在進行形なのは、平清盛らによるその第一段階の遂行といっても、当たらずといえども遠からずであろう。基本的に、この素材が面白くないわけがないとも思う。主人公の清盛が妙に「いい人」だったりするのをはじめ、時代考証の甘さについては例年通りであり苦笑を禁じえないが、歴史好きとしては見逃せないし、私などより遥かに詳しい歴史ファン・マニアの皆さんのおめがねにもおおむね適っているのではないか。ただ、権謀術数渦巻く宮中や平氏・源氏の登場人物と人間関係が分かりにくいのは否定できない。特に、藤原氏や平氏の人々は、名づけの父子相伝で名前が似通っていて紛らわしいことも相俟っている。■ NHK「平清盛」公式ウェブサイト;登場人物一覧ただ、この点は分かりやすくするにも限度があるし、角を矯めて牛を殺す惧れもある。見る側もある程度予備知識を勉強しておく必要があるだろう。このブログをご覧の皆さんであれば、ちょっと検索すればいくらでも詳しい情報が出てくるので、せめて軽く予習しておくことをオススメしたい。・・・それにつけても、女優陣が皆ほんとうにキレイだ女優というものは、悲劇的なシチュエーションの中でこそ輝きを増すらしいと、改めて気がついた。■「清盛」2カ月ぶり14%台回復【デイリースポーツ 15日】 13日に放送されたNHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が、前週比1・2%アップの14・7%(関東地区)だったことが14日、ビデオリサーチの調べで分かった。 一時は視聴率が11・3%まで低下するなど苦戦していた同ドラマが14%台まで回復したのは3月11日の放送(14・7%)以来、2カ月ぶり。 13日放送分では、政治の実権を握っていた鳥羽法皇(三上博史)の崩御に伴い、これまで朝廷内外でくすぶり続けていた確執や思惑が表面化し、天下大乱の前触れが描かれた。 画面を明るくしたり、難解な人間関係を分かりやすくするために人物のテロップを入れるなど、視聴率低迷打破に向けての“テコ入れ”作戦が続く「平清盛」。4月29日に第2部がスタート以降は13・9%、13・5%、14・7%(いずれも関東地区)の数字を記録している。
2012年05月20日
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■ ホラー映画なのに可愛すぎ? 貞子役に「美少女」橋本愛抜擢【J-CASTニュース 11日】人気ホラー映画『リング』シリーズの最新作『貞子3D』で、貞子役を若手女優の橋本愛さん(16)が演じていることが明らかになった。橋本さんは現在最も注目されている若手女優の一人。ネットでは「貞子が可愛すぎる」といった声が挙がっている。・・・いやいや、軽く反論。幽霊の役は美人や美少女の女優が演じるのが、むしろ日本芸能の伝統と思う。それでこそ哀れさと凄みが出るというものだ。本邦ホラーの代表作『東海道四谷怪談』のお岩も、田中絹代、岡田茉莉子など大女優たちが、その美しさも全盛期だった若き日に演じているのは好例である。→ ウィキペディア「四谷怪談」
2012年05月12日
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わが家で一番肝が太いと思われる三番目の娘(小学生)は、生まれつきホラー映画のたぐいが大好きな、やや不思議少女というか、へんてこりんなところがある娘である(・・・もちろん、メチャクチャかわゆいことは言うまでもない)。このほど、新作映画『貞子3D』の宣伝を兼ねてであろう、どこかの局で放送された『リング』第1作(平成10年・1998)を見たい見たいとしきりにせがむので、昨晩家族揃って録画を見たのだが、その中であの「呪いのビデオ」の最初の犠牲者になる美少女役は、なんと竹内結子さま、それを見ることを唆(そそのか)す親友の少女役が佐藤仁美さんだったことに、けっこうビックラした調べてみると、これが結子さまの映画デビュー作だった。この映画は何度か見ているが、前回見た時(10年ぐらい前)には全然気が付かなかった。・・・というのも当たり前か。光陰矢のごとしである。栴檀は双葉より芳し。現在大輪の花を咲かせている竹内結子さまは、まだ蕾の少女の頃から本当に可愛かった。恐怖に慄く演技が、可愛らしさを際立たせている。・・・それにつけても、ラスト近くでついに「貞子」が姿を現すシーンは、やっぱり怖すぎてまともに正視できなかった。ちらっと見ただけでも夢に出てきて朝方魘(うな)されそうである。『キャリー』のラストシーンも心臓止まるかと思ったし、あくまでも個人の私見だが、ホラー映画はこの世に必要がないと、私は声を大にして主張したいっ!
2012年05月12日
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■ シネマトゥデイ 29日付「前田敦子、シュミーズ姿で水浴び! 森山未來・高良健吾共演『苦役列車』で古風なヒロイン熱演!」■ シネマトゥデイ 11日付山下敦弘監督、映画『苦役列車』完成で「森山未來、高良健吾、前田敦子でしかあり得ない」とキャストを絶賛!■ 映画「苦役列車」公式ウェブサイト/予告編わずか1分14秒の予告編を見ただけでウルっときた。主演の三人と監督の気迫が伝わってくる。この不運な19歳の主人公と境遇は違っていても、たいていの男には、この若者のつらさ、苦しさ、やるせなさ、切なさ、かなしさ、魂のつぶやきが伝わるのではないか。原作が多くの読者を獲得しているゆえんであろう。映画は原作をやや改変している模様だが、それはそれでどう料理されているか楽しみである。絶対に見る。男優二人はすでに折り紙付きの演技派だが、前田敦子もこれで演技開眼、女優としての新たな門出となりそうだ。・・・そこで一首。森山が前田敦子の手をなめた その向こうには青空がある
2012年04月29日
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映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(メリル・ストリープ主演)公式ウェブサイト3月16日(金)全国ロードショー公開原題 “THE IRON LADY”「鉄の女」英文コピー “NEVER COMPROMISE.”「妥協せず。」【映画前売券】マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙【送料無料】 価格:1,300円(税込)米アカデミー主演女優賞受賞;メリル・ストリープ生涯見た中で10本に入る傑作。サッチャーは実はメリル・ストリープだったと思わせる程の演技。本作を伝記映画と思ってはもったいない。ヒトの普遍的テーマが描かれている。黒鉄ヒロシ(漫画家)これは政治映画ではない。デートムービーである。日本の「鉄の女」達よ、草食男子を誘い観に行こう。涙越しの彼に優しくなれる(はず)。おちまさと(プロデューサー)メリル・ストリープの凄さを思い知った。女優という仕事のすさまじさに圧倒され、上映時間はもっと長くていいと思ったほどだ。内館牧子(脚本家)現代人は人生の大半を、もはや体の要求のみに従って生きているが、精神によって生きようとする稀な存在もある。これはそういった女性の物語ではないか。名越康文(精神科医)
2012年03月10日
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NHK大河「江」絶好調、視聴率も逆転回復〔楽天ソーシャルニュース・拙文記事リンク〕NHK大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」が、ここへきて視聴率も20%台を回復し、内容も歴史ファンをうならせる展開で絶好調だ。当初は主演・上野樹里の「のだめカンタービレ」風演技に批判が殺到、「戦国版・時をかける少女」だの「フェアリーテイル(おとぎ話)ファンタジー大河」だのと酷評されて前途が危ぶまれていたが、江の成長とともに、本来の戦国時代絵巻の面白さと深みをいかんなく発揮してきつつある。原案・脚本を一手に引き受ける女流脚本家・田渕久美子氏の、緩急自在でシリアスとコミカルを往還する見事な脚本と、重厚な演技派俳優陣の水を得たような力演が毎回光っており、まるで歴史的事実のその場にいるかのようだ。信長・秀吉の二代に亘って花開いた安土桃山時代のファッションも、本当に艶やかですばらしい。見ていて神々しいほどだ。まだ先は長いが、ここまでの流れを見ていて、歴代大河の歴史に新たな1ページを開きつつあるといえるほどの今年の大河ドラマだと思う。PS.役者たちが皆すばらしい。 特に宮沢りえが演じる長女・茶々姫(のちの淀殿)は、演技もいいが、丹念にキレイに撮られており、超絶の美しさ。 安土桃山時代の自由奔放な雰囲気の着物がよく映えています。 このあと彼女を待ち受ける苛酷な運命を思えば、いまからウルウル・ドキドキしてしまいます。
2011年05月12日
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昨晩、NHK大河ドラマ「江 姫たちの戦国」第15回「猿の正体」を見た。つい最近までは、「のだめカンタービレ大河」だの「フェアリーテイル(おとぎ話)ファンタジー大河」だのと、世評はさんざんだったと記憶している(・・・あ、オレも言ってたか? )が、主人公・江の人間的成長に比例するかのごとく、しりあがり寿(ことぶき)に良くなってきていて、ここ2~3回で前半の佳境に入ってきたと思う。12歳の時、政略結婚で佐治一成(さじ・かずなり)に嫁いだものの、これまた秀吉の政治軍事的都合で早々に仲を引き裂かれ、強引に離縁させられた江が、実はまだ生娘(きむすめ)だったと知ってウハウハ喜ぶ浅井三姉妹「にねえちゃん」の初姫。この作品では今のところ徹底してコメディ・リリーフの扱いらしく、水川あさみさんの次女・お初が出てくるシーンは、相変わらずコント仕立てだが、けっこうスベリがなくて、毎回きっちりと笑わせてくれる。茶々、江のビルの谷間のラーメン屋みたいな僕の好きな初姫(拙作、歌誌「短歌人」3月号掲載)・・・それにしても、生娘、ヴァージン、乙女座 Virgo。・・・いずれ劣らぬいい言葉ではありますのうそして、江が秀吉という権力者の謎に挑む「独裁者側近極秘取材・大坂城潜入ルポ・独占スクープ・要人連続インタビュー」のジャーナリスト的展開が滅法面白かった。脚本・田渕久美子氏の独壇場。細かい伏線が縦横に組み合わされて徐々に期待が盛り上げられた中で、次第に浮かび上がってくる秀吉(この時「羽柴」、まもなく「豊臣」)という日本史上の一時代の寵児の底知れない凄さと魅力。以前にも絶賛したが、演技派・岸谷五朗が、一挙手一投足・一台詞一表情に至るまで計算し尽くした大胆かつ緻密な演技を見せ、それがいちいち見事なドツボにハマって心揺さぶられる。記憶に残っているだけでも、緒方拳、西田敏行、中村トオル、竹中直人、香川照之、柄本明など幾多の名優が演じてきた大役・秀吉に、岸谷によって今新たな1ページが開かれつつある。喧嘩腰で喋って、本音が飛び交って、江を演じる上野樹里の目がみるみる潤んで、大粒の涙が頬を伝った時、人間ドラマとして、前半の一つのクライマックスだったと気が付いた。泣けた。愛すべき直情径行の江を演じる上野の「ウハハハ~、ウへヘヘ~」みたいなベタな泣き方にはちょっと笑えてしまったが、人間、心底感極まると案外こんな風なマヌケな泣き方をするものだと、僕にも思い当たるフシがないでもないこのようにして、サル殿は当時の全ての人心を鷲づかみにした。何ともすごい政治家である。菅首相を筆頭に、今のスケールの小さい政治家たちは、爪の垢かヘソのゴマでも入手して煎じて飲むといいだろう。なにしろ秀吉の存命中は、さしものあの徳川家康だって本気で手は出せなかったのだから(「小牧・長久手の戦い」の鞘当てはあったが、互いの力量を見極めるや否や、すかさずシャンシャン手打ちしている)。江が長姉・茶々に言う。「サルは大嘘つきです。でも、その大嘘の中に『まこと』があるのです。そのまことに人は動かされるのです。心動かされてしまうのです。」歴史上稀なる「人たらし」秀吉を語りつつ、脚本の田渕さんは自らの作劇術についても語っているように思った。いわばドラマの形を借りた「豊臣秀吉論&言語表現論」である。そういえば、われわれ歌詠みも、ウソ(虚構)の中にまこと(まごころ)を詠むことがしばしばある。拳拳服膺するにふさわしい、含蓄に富んだセリフだと思った。なお、ストーリーを中断して歴史や思想の「論文」みたいなものが入るのは、ドストエフスキーや司馬遼太郎の長編小説にしばしば見られる専売特許的な手法だが、田渕女史はたぶんそういうのを読んでるんだろうな~とにらんだ。・・・っていうか、物書きならそりゃ当然か。ところで、主演の上野樹里、回を重ねるごとにキレイになって来ている。ナチュラルで奔放で華やかな安土桃山時代のファッション・髪型が本当によく似合っている。見るからに気の強そうなお姫様の役は、たぶんに地の部分でもあるのだろう。そういう演出もあるだろうが、何やら近寄りがたい貫禄と品格さえ漂って来たな~。天真爛漫な喜怒哀楽や得意満面や、深い苦しみ悩み悔しさの表情も、真に迫っていてすごくステキ~こりゃあ、薩摩・鹿児島の野育ち山出しの少女から、当時の日本のトップレディたる江戸城大奥の頂点に君臨し、その最後を見届けるまでを描いた「篤姫」の宮崎あおいの大女優道まっしぐらの再現だわいと思って、ますます楽しみに見ておりまする~
2011年04月25日
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日曜夜、いつものようにNHK大河ドラマ「江 姫たちの戦国」の第12話「茶々の反乱」を見た。結論からいうと、かなり楽しめた。「評判悪いけど面白い」というpopy5333さんの意見に一票。評判が悪いのは、ひとえに田渕久美子原作・脚本の時代考証・歴史解釈(歴史改変・・・捏造?)が奔放すぎる、あるいは戦国時代を描くのに現代の民主主義・男女同権的な価値観を安易に持ち込みすぎているといった側面であり、「フェアリーテイル(お伽話)ファンタジー大河」と揶揄されていることにも、かなり同意する。今回も、身分こそ高いが寄る辺なき哀れな孤児(みなしご)の三姉妹が、秀吉に反抗して「ハンガー・ストライキ」だって!?深く考えなくたって、それ絶対あり得ませんから。田渕氏が、古代ギリシャ喜劇、アリストパネス「女の平和」を読んでいることは分かったが、これを戦国乱世に換骨奪回するのはどう見ても強引すぎると思った。女の平和価格:2,100円(税込、送料無料)・・・とはいうものの、「NHKスペシャル」の歴史捏造・政治的偏向問題などとは異なり、娯楽時代劇としては、諸手を挙げて賛成とまでは言わないが、ストーリーの膨らませ方としてはギリギリ受忍限度内といえるかな~?ホームドラマ風予定調和的な展開だったが、面白かったことは面白かったし、クライマックスでは泣けもしたので、まあ今回は不問に付すとしよう。・・・すいません、なんで俺こんなに上から目線なんだろ?閑話休題、それにひきかえ、役者の演技面では今年の大河は相当スゴイなと思う。まず、なんと言っても岸谷五朗の“チョイ悪”秀吉。全てのシーンで、一挙手一投足、一台詞一表情に至るまで研究し計算し尽くされ、ほとんどの芝居においてリアルさの上に微妙なデフォルマシオン(意図的誇張)を乗せていることがありありと分かる。気合い入りまくりである。それでいて、全体の間と流れは全く不自然さがなく、超スムーズ。かねがね上手いとは思ってたが、ここまでとはね~。独壇場ではないか。こりゃ「男杉村春子」だと感服。多少やりすぎ・作りすぎ・コミカルすぎという意見もあるし、見る人それぞれの好みもあろうが、何せまだまだ伸びしろのある演技派俳優の岸谷のことである。あまたの名だたる歴代名優が演じてきた豊臣秀吉という「超大役」を演じるに当たって、これぐらいやらなくちゃ埋没してしまうぞよ~という、芸能「業界」的な玄人筋の評価の“大人の事情”があることも斟酌しなくては気の毒であろう。そういった消息は、どこの世界にもあることだ。わが「歌壇」(短歌業界?)といえども、もちろん例外ではない。俵万智さんが「サラダ記念日」を引っ提げて颯爽と登場した直後、たちまち多数の熱心な信者を獲得する一方、守旧派のバッシングたるや凄まじいものがあり、25年経った今もなお記憶に新しい。「こんなものは短歌でない」という、旧陸軍内務班系、もしくは小姑お局さま系の定番新人若手いびりはもちろんのこと、「いい子ぶりっ子」などの人格攻撃や「タヌキ顔のクセに~」なんていう顔面攻撃まであり、俵さまフリークの僕としては同情を禁じえなかった当時、誰が俵さんをいじめたか、ファンはきちんと記憶している。その後、声望高まる一方の歌の女神の前に、理不尽な攻撃者は全て滅んだ、自滅した。ちなみに、当時も今も歌壇重鎮の岡井隆「未来」主宰が、俵さんをいち早く評価して、自らも批判者のとばっちりの火の粉を満身に浴びた武勇伝は、改めて特筆大書に価するといえよう。この事績によって、岡井氏の選歌眼も評価されたという「逆七光り効果」があったのは事実と思う。このように、誰が勝利者であるかは、時の流れが解答する。表現者は、すべからく気を強く持つべきだ。気が強いことは、あらゆる表現者の「いろはのい」の要諦である。現在では、思想史的な観点から、俵さんはたった一人で「反体制的な全共闘運動の余燼とジェンダーフリー・フェミニズムにとどめを刺したジャンヌ・ダルク」といったあたりが、彼女の驚異的な業績の最大公約数的評価であろう。このように、新基軸には賞賛と批判は常に付いて回る。岸谷も戦っているというべきだ。ともあれ、岸谷の表現意欲と意気込みを、もちろん僕は評価する。まだ先は長い。彼の大胆な挑戦と冒険を温かく見守りたいものである。そのやんちゃな秀吉の正妻・お寧を演じる、現在日本演劇界のトップ女優・大竹しのぶの落ち着いた演技も、定石通りながら巧まざる巧みの極み。彼女の手綱の締め具合が、役柄の上でも演技の上でも成否を握っているといえる。加えて、萩原聖人の、ちょっと気弱でオロオロしがちだが、ソツなく知的で気が利いて心優しいナンバー2の三成が、破天荒秀吉とのベスト・マッチングで、まさに天の配剤。そしておあとに控えしは、北大路欣也の家康のさすがの貫禄。ただ黙って坐って映ってるだけでも、何を考えているのか分からないが最後には必ず勝者となるだろうな~と思わせる圧倒的なカリスマ感を醸し出して、重量感溢れる人物造形。・・・僕は性的には全くノーマルだが、こりゃ男も惚れますわ~石坂浩二の千利休は、この人については常に言われる通り、やや優男の二枚目にすぎるが、余人を以て代えがたいというほかはないハマリ役。現在のベストなキャスト。・・・鑑定士・中島誠之助さんもご納得だろう。そしていよいよ、輝く女優陣 鈴木保奈美のお市の方亡きあと、ここ2回ぐらいは実質的な主役といえる宮沢りえさまのお茶々様の、楚々として凛たる意志の強さを秘めた美しさが、もののあわれの極致。最近少しダイエットしすぎではないかと、女性週刊誌などで陰口を叩かれていたりえさまだったが、この役柄には全くもってうってつけ・もってこいのはまり役となった。・・・で、ここまで環境諸条件が整っていて、しかも今やおのれの掌中にある珠玉のごとき彼女を、手付かずでほっとくわけがないだろうな~と、完全に秀吉の目線に同化して見てしまった(笑)そういえば、お市の方、淀殿(茶々)、お初の方、お江与の方(江)には、それぞれよく知られた立派な肖像画があり、今に伝えられている。詳しくはないが、戦国時代当時の係累の女性の肖像画が、これほどまとまって残っているのは珍しいことなのではないだろうか。やはり美人親子・三姉妹として当時から有名だったのだろうな~と想像を逞しゅうしてしまう。江の肖像画も、剃髪後の晩年のものだろうが、当時の美人の条件である切れ長の眼と下ぶくれの輪郭を備えており、母・お市の方の面影も確かに感じられる気がする。伝えられる通り、さぞや気が強くて気位の高いお姫様だったろうなと思わせる美しさと凄みを湛えている。敵に回したくない感じだ。その江を演じている上野樹里さんは、今のところ錚々たる役者の芝居の狂言回し的な役どころであり、まあ当分はこんなもんでいいんじゃないんですか~と思って見ている。わがまま勝気な次女の初姫は、後に天下を巡って対峙した徳川方と豊臣方の調停・つなぎ役に奔走した誠実・真摯さを思えば、たぶん史実の人物像とはまるっきり違うんじゃないかと思うが、演じている水川あさみさんは可愛くてキュートでお茶目、見ていて楽しい
2011年04月05日
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NHK 大河ドラマ「江 姫たちの戦国」第5回『本能寺の変』は、先週の香道がらみの「加トちゃん式 ヘ~ックション(* >ω
2011年02月07日
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江姫は、きのう信長おじさんのところに遊びに行って、ズケズケと言いたい放題喋りまくって、帰りぎわにはおみやげだよとばかり、紫の袱紗(ふくさ)に包まれた名高き「蘭奢待(らんじゃたい)」を、ちゃっかりもらってきちゃったよ~昨晩のNHK大河ドラマ「江 姫たちの戦国」の一場面である。おうちで待ってたお市ママの驚いたのなんの。僕らも驚いた。おいおい、それは、おそれおおくも正倉院御物である天下第一の名香を、覇王・信長が切り取った歴史的宝物なんですけど~・・・しかしこの挿話、絶対にあり得ないとも言い切れないところが、信長という男の破天荒な凄さであり、おそろしい。冒頭シーンの、加藤茶ばりの (* >ω
2011年01月31日
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