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2019.10.08
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テーマ: 脳腫瘍(202)
カテゴリ: 小脳腫瘍
術後1日目。入院生活でいうと6日目。
私は一般病棟に戻ってきた。

と言っても、手術前の大部屋ではなく、重症患者用の個室だった。2、3日したらまた大部屋に移動になるかもですけど…と看護師さんに言われた。

しばらくしたら母がお見舞いにやってきた。
一般病棟に移動したら、早い人だとすぐ尿の管が取れると、手術前に看護師に聞いていたし、同じ脳腫瘍の人の体験ブログでも一般病棟に移動したら尿の管が取れた。と書いてあった為、私も移動したらすぐ取れるものと思っていた。


が、頭を動かすだけで酷い吐き気に襲われ、嘔吐した。それでも管を外してほしかった私は座ってみたいと看護師さんに言い、手伝ってもらって、体を起こしてみた。


無理だった。とてつもない吐き気に襲われ、嘔吐が止まらなかった。手伝ってもらわないと、体を起こすことも出来なかった。

ずっと看護師さんが背中をさすってくれた。ここの看護師さん達は本当に優しい。入院中何度も嘔吐したが、その度に皆んな背中をさすってくれた。

ベッドに横になることにした。それでも暫くは嘔吐が止まらなかった。

先生に吐き気を抑える点滴を処方していいか確認してくると言ったっきり看護師がなかなか戻ってこず、母が先生がつかまらないのかなと呟いた。


とてもじゃないが、今日尿の管を外すのは無理だと判断して、外すのを諦めた。


その日は時間が過ぎるのがとてつもなく遅かった。

夕方頃、主治医の先生が様子を見に来た。ICUは、1日だけ我慢すれば楽になると思って頑張っていたのに、今は何を目標に頑張ればいいのか分からなくて、何で自分が病気になってしまったのか。私だって好きで病気になったんじゃない。頭も痛くて、吐き気も嘔吐もするし、ずっと気持ち悪いし、いつまでもこの状態が続くんじゃないかと思って、本当に辛くて辛くて、先生と母親の前で号泣した。恥ずかしいとかもうどうでもよかった。

忙しいのに、先生を足止めして悪いなと分かっているが、泣くしかなく、先生にずっと「助けてください」「いつになったら良くなりますか?明日には良くなってるんですか!?」と泣きながら訴えていた。

それでも先生は私がもういいですと言うまで病室にいて、母と一緒に私の泣き言を聞いてくれた。

「看護師も、よく頑張ってるって言っていたよ」

と先生に言われた。
先生もいなくなって、母もいなくなって、1人になった。1人になったら泣けなかった。誰かに代わってほしいとは微塵も思わないが、誰かに辛さを分かってもらいたいと思っていたんだと思う。

その日は昼からご飯が出る予定だったらしいが、とても食べれる状態ではなく、昼も夜もご飯を断った。気持ちも絶望的な気持ちになっていた。


私にとってはICUにいた日より、この日が何よりも地獄だった。





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最終更新日  2019.10.10 10:38:15
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