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図書館でのリクエスト93人待ちから3ヵ月、ようやく自分のもとへとやってきた本です。
夫には「また鉄道本かよ」と蔑まれ、息子には「こんなの鉄道本じゃないっ!」と文句言われたけど気にしない。
たまには私だってベストセラーぐらい読むさ。
舞台は阪急今津線という少々マイナーな路線。
そのうち西宮北口~宝塚の8駅15分間に繰り広げられる、さまざまな人間模様を描いた作品です。
恋が始まる瞬間もあれば、終わる瞬間もあり。
元彼の結婚式に討ち入りしたばかりの美人OLに、彼氏のアホ話に爆笑する女子高生集団、そして格言者のようなお婆ちゃんと幼い孫娘・・・。
見ず知らずの乗客たちが直接的・間接的に少しずつ関わり合いながら、電車は進んでいきます。
雑誌パピルスでの掲載分が前半の西宮北口行き。
後日談は「折り返し」として書き下ろされた宝塚行き。
そんな構成がまた粋だこと。
「あたしもいろいろ間違ったほうや嫌なほうに行きそうなとき、行きずりの人からいろんな言葉もらってん」
一見さんとのわずかな関わりが、一歩前に踏み出すきっかけになったりすることもあるのかな。
すごく関西っぽいなと思うけど(東京じゃこういう関わり合いは生まれにくいでしょ)、素敵だね。
こちらまでほのぼのとした気持ちになってきます。
今津線にはあいにく乗ったことがないので、イメージとしては沿線に住んでた大学時代の友人のこと。
生きてたらどんな感想述べてただろうか。
ふとそんなことを思い浮かべ、少々胸が痛くなったのも事実です。
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