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May 10, 2016
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「エフェオヤ」という言葉が独り歩きしている昨今。
エフェオヤの形をしているオヤは「エフェオヤ」と呼ばれる。

ただ、私の中ではエフェオヤはあくまで「エフェ」のために作られた、「エフェ」が身に付けていたオヤのこと。
そしてそれらはどこから手に入るかというと、すごく単純で当たり前のことなんだけど、先祖にエフェがいたお家から。である。

私が個人コレクションしている「エフェオヤ」たちも、おじいさんがエフェだった、ひい爺さんがエフェだった・・・という家族が持っていたものが、お家の経済的理由から放出せざる負えなくなったときにのみ手に入る。
そうじゃなかったら手放さなかったと思う。
今も持っているけど手放さないお家もある。

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(アイドゥンの田舎町にて)


ところで「エフェ」って何? って話になるとトルコの人でも意外とちゃんと知っている人は少ない。
アイドゥン、ナージリリ、マニサ、オデミシュ、ムーラ辺りの私設軍隊のリーダー。そしてその地方の英雄。
元々、地方の悪代官に苦しめられた遊牧民たちが抵抗する形で立ち上がり、その後19世紀後半から20世紀初頭にかけては政府軍が苦手だった山間部での戦いに優れていたとされ、一転して政府の正規軍として、当時エーゲ海地方、特にアイドゥンに侵攻してきたギリシャ軍と戦った。

エフェたちがエフェオヤをつけたのは20世紀になってからと私は個人的に想像しているが、エフェオヤがなんだったのか、誰が作ってどうやってエフェに渡されたのか、そして本当にエフェはエフェオヤを付けていたのか・・・・。
いろんな疑問が頭をよぎっていた。
エフェオヤに関する記載のある資料を読んでも何かあとから作られた美談のようで、何か納得できずにいた。


P1220220_Fotor.jpg
(写真は民俗学博物館のエフェオヤの展示)


消化不良の状態。
でもいったい誰に聞いたらいいのだろう・・・。

エフェがたくさんいたのは、最も戦闘が激しかったアイドゥンである。

アイドゥンで最後のエフェは、たしか6,7年前に亡くなっていると聞いている。
事実、1920年代に戦闘が終結すると、軍人としてのエフェの任務はなくなったわけで、ただ慣習としてグループのリーダーとしてのエフェの引継ぎはあったらしい。
今でもエフェの血筋をひくものはいるし、世襲制ではなかったようだけど、息子にその実力があって長老たちが認めれば代々引き継ぐ場合もあったという話。

この辺りの話は大学の研究者もいるし、本や資料にもなっているから調べることは難しくない。
でもエフェオヤのことはなんだかいつもよくわからない。

DSC_0003_Fotor.jpg


すごく面白い話なんだけど、エフェオヤの最後の持ち主はほとんどが女性である。
エフェオヤだから代々、それを引き継いだ男性が持っているものかと思っていたら、違うんだよね。
管理していたり、それを実際に譲り受けたのは娘や孫娘だったり、お嫁さんだったり。
もしかしたらあくまで所有者は男性かもしれないけど、父親や夫が亡くなったことで、それを女性たちが経済的理由で手放すことが許されるのかもしれないな、とも思う。
それでもエフェオヤを売ったお金で子孫が助かることがあるわけだから、最後の最後までエフェに守られたって考えたらエフェは子孫にとっても本当の英雄だったんだなあ・・・・と。


エフェオヤのことを知ったって、私が論文書くわけでも、どこぞで発表するわけでもなく、別にどうにもならないんだけど、実は今回、きっかけとなる出来事があった。
その義務感がいつの間にか自分の興味と重なって、会うべく人たちに会っておかなければならないと思ったのである。
みなさんご高齢だしね。
次のタイミングはあるのかさえわからない。

DSC_0004_Fotor.jpg


人に尋ねて、人を訪ねて、何も得られなかったり、何も得られなかったり・・・・。
エフェの子孫たちを見つけて、彼らが子供の頃に見聞きしたエフェオヤの話を聞いているところです。
連絡先がわかっているとか、電話してアポとるとか、って次元じゃないので本当に亀の歩み。
待ち時間とか無駄な道のりとか。
行っても留守とか、電話連絡しようがない相手とか、会えても70代、80代の年配の方たちでなんでここまでわざわざやってきて、そんなことを聞きたいんだと怪訝そうな顔されるとか・・・・。

飽きたらやめちゃうかもしれないけど、まだ他にも会う予定の人たちがいるので、そのうち頭の中で整理してエフェオヤにまつわるお話ができたら、と思っています。
そのうち・・・だからね。
そのうち・・・・。


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Last updated  May 11, 2016 06:42:24 AM
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