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November 16, 2016
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カテゴリ: トルコ国内出張
バスク修行の旅のはずなのに、いっこうにバスクの話が出てこないなあ・・・と思っているでしょう・・・。

大人の事情もあるのですが、ではバスクのバ・・・(のさわり)を。

バスクってトルコ語でプリント(印刷)のこと。
木版プリントは「タフタ・バスク(ス)」。もしくはもっとわかりやすい単語を選べば「アフシャップ・バスクス」。
木材によるプリントという直訳だけど、最近はトカットでは「タフタ・バスク」と言うらしい。

ちょっと前までは木版プリントは「タシュ・バスクス」と言うのが普通であった。
私もタシュ・バスクスの方が馴染みがある。

ところでタシュとはトルコ語で「石」のこと。
えーっ、木なのに、なんで石ーっ!? って。

それは歴史を遡ること・・・約3500年ほど前の話。
ヒッタイトの遺跡から土器で作られた版が出たそうです。
石の版・・・それが由来となって「タシュ・バスクス」と言うらしいです。

いつから木製の版になったかは知らないけれど、トカットでは約600年前からこの木版プリントが制作されているそうです。

さて、バスクはまず木版を作ることからスタートします。




そうなんです。
用意された型に染料をつけて押すだけだと思ったでしょ?
違うんですよ、奥さん。

それは糸が用意された状態でキリムを織ると思っている感覚と一緒で、本来はキリムだって糸を作るところから始まるのです。
羊を飼って、育て、毛を刈り取り、仕分けして、紡いで、染めて・・・・やっと糸になる。
織るのはそのあとですからね。
(えーっ・・・と、イーネオヤも蚕を飼って糸を引いて撚って染めてから・・・・とか)

バスクもまず木材を見つける、使える状態になるまで保管する、切る、デザインを描いて彫る・・・そしてやっと木版ができ、押すのはそのあとです。

細かい話はまたいずれにして、まずは木版作り。



使用される木材はトルコでは「菩提樹」に限られているようです。
菩提樹でないといけない理由は、縦に裂けやすいとか、ある程度の堅さがあるとか、水を吸収しにくいとかいろいろ考えられます。

菩提樹を採取したら両サイドをカバ―して、陽の当たらない、湿度のない、風の通らない場所で1年半~2年ほど保管します。
その後、使用できる状態になったら7cm幅にカットし、染料をつける片側をパラフィンで保護します。
表面にデザインの反対側から写した形を描いて、それ以外の部分を縁を1mmほど残して彫っていきます。

彫るための道具は上の1枚目の画像のもの。
カマのような刃のものは上側が切れるようになっているので、慣れるまで扱いに要注意です。

道具の使い方とコツを教わりながら、彫る、彫る、彫る・・・・ひたすら彫る・・・・。
上から下に力をかける作業なので、椅子に座ってはいけません。(← 先生談)
立ち仕事です。(それで2日間集中して立ち続けてぶっ倒れる・・・とか)




比較的簡単なデザインでも最初は1日から2日ほどかかるかと思います。
彫り終わった後は、型を切り出す大工仕事も待っています。

これらの作業を見ていたら(もしくは体験したならば)、木版の値段を聞いてもびっくりしないと思いますが、知らないと腰を抜かします。

バスクの「バ」のさわりはこれぐらいにしておきます。
「バ」の続きと、バスクの「ス」と「ク」は、実際に修行に励んだ、さと子さんのブログやワークショップをお待ちください。
私はそれ以外のバスクの四方山話とトカットのイーネオヤの話とその他の話を続けることにします。(やっぱり尻切れトンボで終わらせる気か・・・?)


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Last updated  November 17, 2016 12:18:29 AM
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