謹賀珍年大騒動

mikazukiノンフィクション劇場

2002年のお正月、mikazuki家は波乱万丈の幕開けとなりました。

「謹賀珍年大騒動」

  (1)嵐の前の静けさ

お正月2日は我が家恒例のすき焼きである。

お正月には必ず何か事件がおきるのである。

ところが今年は何事もなく、誰も怒らない。

不思議なぐらいみんな機嫌がよかった。


例の6000円の日本酒のおかげかも知れない。

みんなで気分よく、飲みながらワイワイ飲み食いをしていた。

めずらしい現象である。


ところがすき焼きを食べ始めたとき、ある事件が起きたのである。


すき焼きを全員ひととおり器にとり、3口ほど食べているころ、 突然、ドアフォンがなった。

ぴんぽー-ん、ぴんぽー-ん、
ピンポンピンポンピンポンピンポン、ぴんぽーん!!!


誰だ、こんな時間にチャイムならしたのは!

いたずらと違うか?

きっといたずらに違いない。

私はそう思った。

いや正しくは、そう思いたかった。



  (2)「タカミ」見参!

ぴんぽーん、ぴんぽーん、ピンポンピンポンピンポンピンポン、ぴんぽーん!!!

まだしつこくチャイムを鳴らしつづける。

誰やねん。こんなせっかちなチャイムの鳴らしかたするのは?

またもや、 ピンピン、ぴんぽーん


姉がインターホンにでる。

姉(よそ行きの声で) 「はい、どちらさまですか?」

相手の名前を聞いた彼女は慌てて電話口をふさぎなから、叫んだ。

「タカミやー!」

彼女は驚いた顔でいった。

タカミというのは母の兄である。

そのタカミの奥さんが いつものことやけど なんの前触れもなく、突然やってきたのである。

このタカミという叔父は家族全員嫌っているので、誰が応対するか、みんなすき焼きを食べる箸がとまってしまった。

えー、どうする?
誰が出る?
どうしよう。

家族全員の目がテナモンに向けられる。

満場一致 でテナモンに応対させることにした。


しかしよく考えたら、いくらなんでも正月早々、居留守を使うのもなんだし、結局、母がテナモンの後ろに続いて玄関へ向かった。

幸いなことにタカミの奥さんは玄関で帰ってくれた。

あがってこられたら、せっかくの美味しいすき焼きが台無しである。

彼女を送り、母が戻る。

母の手にはビニール袋が・・・。


なんとその中には体長 40センチの鯛 がはいっているではないか!

しかも 活きた やつ。


私「なんでこんな時間に鯛もってくるねん!」

時計は8時をさしている。

弟「ああ、あの人のことやからデパートの売れ残り買ってきたんや」

私「鯛もってくるんやたら、もっと早い時間にもってきてくれないとあかんやんか!」

弟「せやから、デパートの 売れ残り やゆうてるやろ。売れ残り買ってもってきたから、こんな時間にきたんや」

とふたりでブーブー文句を言っていた。


その間、父とテナモンは何も言わない。

ちょんまげ事件をお読みになった方はご存知だろうと思いますが、 彼らは魚が大嫌いなのです。

私は父が突然不機嫌になったので、彼の魚嫌いを思い出した。

父からみれば、ものすごく腹がたっていたのであろう。

なんと言っても
「魚が 大嫌い 」な家庭に「活きた鯛」 しかも まるごと (もちろん内臓つき)もってきたら、それはもう嫌がらせ以外の何物でもない。


たちまち父は箸を投げ捨てて自室へひきこもってしまった。




  (3)我が家を襲う鮮魚の恐怖

気まずい雰囲気の中、すき焼きを食べ終え、いよいよ鯛の解体作業開始である。

なにせ丸ごとだから早く血抜きをしないと食べられなくなってしまう。

我が家の女性人は全員大阪生まれの大阪育ち、しかも全員働いていいるので、魚をさばくなどという作業は今までほとんどやったことがない。

このmikazukiも昔に冷凍の鯛を知人からもらって、裏庭で半泣きになりながらウロコ取りをしたことが一度だけある。

姉も一度何を思ったか、魚をまるごと買ってきて、その時の魚は何だったかは本人ももう覚えていないが、顔から髪の毛から、全身そこらじゅうウロコだらけになった記憶があり、それ以来、我が家では魚は「切り身」しか買わなくなったのである。

さて、ここで問題です。この鯛の解体は一体誰がやったでしょう?



  (4)腑分け!

さあて昨日の問題の解答です。

鯛の骨は硬いので、ここはひとつ 力自慢 のテナモン登場です。

鯛の頭を落とし、内臓を取り出す。

その日はここまで。

なにせ夕食後でしたから。


解体作業が終わったテナモンに私が聞く。

「鯛の骨、硬かった?」

テナモン 「えづきそうやった・・・」

顔が青ざめている。

そうです。彼はオサカナ 大嫌い だったのです。

すっかり忘れてた。

可愛そうなテナモン。

年に一度しか役に立たないテナモンの怪力は、年明け早々その力を発揮してしまい、あとの364日はただの大飯くらいになってしまいました。




  (5)逃亡者!

翌日の昼過ぎ、姉が言った。

「あの鯛どうするぅー?」

そう、ウロコ取りが残っていたのです。

ウロコ取りが残っているのを知っているテナモンは、夜の内から逃亡計画をたてたらしく、早朝から(まだ皆寝静まっているうちに)どこかへ消えていました。

蒸発したみたいです。

テナモン、テナモン、どこ行ったの~♪

実はテナモンの逃亡は前科があったのです。

これについてはまた後日発表したいと思っています。おもしろいですよ。

テナモンはいろいろ面白いことをやってくれるので、HPのネタ的には おいしい ですが、一緒に住んでいる者にとってはほんと大変な人なんです。

やれやれ。

肝心の時に逃亡しやがって!!(怒)



  (6)恐るべし母の力!

しかたがないので母が鯛のウロコを取りました。

さすが亀のコウより、歳のコウというところですか。

しかし一体、彼女はどうやってウロコ取ったと思います?

普通は包丁の背側でウロコ取りしますよね。

ところがそれをすると台所中にウロコが飛び散ります。

姉と私は年末に大掃除したばかりの台所にウロコが飛び散るのが嫌だったので、

「家の外でウロコ取りするしかないな」

と話していました。

横っちょから弟が
「家の外でそんなことしたら、たちまち近所中の野良猫が寄ってくるんと違うか」
と彼はあいかわらず猫を嫌がってます。 (猫の糞害を参照して下さい)

そんなことをワイワイ言っている間に、母はおもむろに冷蔵庫から鯛を取り出し、鯛のウロコを取り始めたのです。

なんと素手で!

まさに「恐るべし母の力!」でした。

彼女のおかげでその夜は「鯛のムニエル」を頂けました。

美味しかったです。

テナモンもこの時間には家に帰ってきて、鯛のムニエル食べました。

彼は値段の 高い物は食べる んです。

さすがテナモンでしょ。

お魚嫌いだったら、鯛も食べるなよー。

全くポリシーのないヤツです。

でも母はさすがにめっちゃ不機嫌でした。

そりゃそうだよね。

鯛のウロコを1枚ずつ手で剥がしたんだから。

一体ウロコは全部で何枚あったんだろう?

タカミのせいで正月早々、父は「引きこもり」、母は「めっちゃ不機嫌」。

最低のお正月が終わろうとしていました。

が・・・。



  (7)テナモンの逆襲?!

最低のお正月が終わろうとしていた矢先、あの家出していたテナモンが帰って来ました。(夕食時をねらって)

友人の家で遊んで帰ってきたらしく、ちゃっかりと姪のお年玉までもらって帰ってきたのです。

お年玉っていうのは普通は本人に渡すものでしょ。

その友人も何故テナモンに姪の分のお年玉を渡したのかは不明ですが、こういう場合は普通受け取らないのと違いますか。

さすがテナモンです。

厚かましさにかけては彼の右に出る者はいません。

それはまあいいとして、まだあったのです。

お土産が。

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その友人はクワガタを飼っていて、こともあろうかテナモンはそのクワガタ(体長6、7cm)をもらって帰ってきたのです。

父は家で虫を飼うのが大嫌いなのです。

母も姉も弟も私もみな家でクワガタを飼いたくないのです。

そのような虫を家の中で飼うとゴキブリが寄ってくるのです。

だからと言って、そのクワガタをベランダにほおリ出す訳にもいきません。

外は今にも雪が降りそうなくらい寒いです。

外へ出したらたちまちクワガタは死んでしまうでしょう。

いくら私たち家族がクワガタを家で飼うのは嫌いだとはいえ、生き物をみすみす殺すようなことはしたくないのです。


姉「だから虫なんか、もらってくるな、って 前にも言った やんかー・・・」

私「えっ?」




  (8) 前科発覚!

実はこのクワガタ、もう3匹目なんです。

以前にもらったクワガタが2匹もうすでに家にいたのです。

私はそんなことちっとも知りませんでした。

姪が 「クワガタはこれで合計3匹になったなぁー」
って言ったので始めてその存在に気がつきました。

さあ、大変です。

このことが父にばれたら一体どんなことになるのでしょう・・・。


姉「そんなんもらってきて、エサはどうするの?」

テナモン「エサもちゃーんともらってきたよ♪」
にやにやしている。

姉「またジジ(←父)がおこるでー!『虫を家の中で飼うなー!!』って言って」

テナモンは平然としている。

そこへ姪からクワガタのことを聞きつけた母が息を切らせて階段を駆け上ってきた。

母「あんたー、何してくれるのーん!!」

テナモン(無言)

母「前にもカブトムシ飼った時、甘い蜜にゴキブリが寄ってきたやんかー! あれだけ虫はもらってくるな、って言ってたのに何してくれるのよー!」

テナモンは 図太さ にかけても、彼の右に出るものはいないのでした。




  (9) 食パンピラミッド

テナモンがこれまでの日記で「厚かましくて」、「図太い」ことはもう皆さんお分かりかと思います。

ところが彼には意外な一面もあるのです。

彼は父の前ではめっちゃ 小心者 なのです。

鯛の解体後、彼は家出しましたよね。

そう言えば、年末にも一度家出したんですよ。

これが面白いのです。


我が家は父が食べ物に 酒のみすぎで味わからんくせに うるさいのです。

毎朝食べる食パンも家族はその日の特売の食パンで満足しているのに、父はこともあろうか 食パンも銘柄指定 するんです。

だから我々家族は安売りのパンを食べても、 父の食パンだけ は、決まったメーカーの決まったパン (超熟) じゃないと機嫌が悪くなるのです。

ある週末の朝、姉はスーパーのチラシで『そのパン』を見つけたのです。

なんと一斤100円!

これは絶対に買いにいかねば。

だがなにせ年末のことで、姉はいろいろと用事があったらしく、テナモンに「お使い」をたのんだのです。

姉「パパー、○×スーパーで超熟の5枚切りを5斤買ってきて」 と言いながら千円札を渡す。

テナモン「うん、わかった」

姉「あっ!でも、もし5枚切りが無かったら6枚切りでもいいいよ」

テナモン「はーい」

出かけようとするテナモンとすれ違った母がテナモンに声をかける。

母「とにかく何でもいいいから売り場にある分みな買ってくるねんで」

この言い方がまずかった。

母は6枚切りでなくても、5枚切りでも、4枚切りでもいいから、と言ったつもりだったらしい。
テナモンは母の声を聞いたその瞬間、100円の食パンを千円で買えるだけ買ってくるものと勘違いしたらしい。

しばらくして買い物から帰ったテナモン、異様にでかいスーパーの袋を手に持っている。


な、な、なんと彼は売り場に残っていた超熟8斤を全部買い込んできたのである。

姉は、しようがないな。でもうちは人数が多いし、今はちょうど寒いから涼しい部屋に置いといたら大丈夫だわ、と思ったのである。

久しぶりにクイズといきましょうか。

さてその『涼しい部屋』とはどこでしょう?




  (10)涼しいお部屋

パンを保存しておくのに家中で最も適した涼しいお部屋。

それは父の部屋である。

父の部屋は何故涼しいか?

それは暖房を入れていないからである。

今の家を建てた時に彼は

「俺の部屋には クーラー をつけてくれ」

と注文したのです。

私達兄弟が何度も

「エアコンにしたら冬も使えるよ」

と言ったにもかかわらず、父はガンとして受け付けない。

要するにヘンコ(頑固)なんですわ。

そういうわけで彼の部屋にはエアコンはついていないのである。

そして1日中「寒いー、寒い」と言いまくる。

ストーブも駄目。「灯油がもったいない」んだとさ。

ちょうどホットカーペットが1枚余っているので、母が

「ホットカーペットひいたら少しはあったかいよ」
と言っても、

「いらん。電気代もったいない」と言う。

そういう訳で我が家では「涼しいところ」=「父の部屋」なのである。

さてその食パン8斤を父の部屋に持っていく。

当然のことながら、膨大な量の食パンを見て、父は激怒した。

「誰やー!!こんなにアホみたいに、食パンぎょうさん買ってきたんわー!!!!!」

その直後、テナモンはいなくなったのである。

クワガタをもって帰ってくる、あの図太さはどこいったん?

食パンごときで、大の男が家出するか、ふつう?

彼の思考回路はいまだ不明である。



というわけで、謹賀珍年大騒動はこれにて無理やり一旦終りにします。

そのうちにこの大騒動の「犯人」の話も書いてみたいと思っています。

乞うご期待!


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