書名としては非常に有名な「成長の限界=Limit to Growth」。1972年にローマ・クラブプロジェクトより出版された「成長の限界」、1992年の「限界を超えて」に続く、本書は30年間をアップデートした2002年出版のシリーズ第3弾となるようだ。シミュレーションによって、地球全体の経済成長はどの程度可能なのかを示したものである。
また、エコロジカル・フットプリント(=地球の資源基盤と生態系に対して人類が与える環境影響の合計)という言葉を至る所で強調するが、その定義が明らかでない所が、非常にもどかしい。たまに「エコロジカルフットプリントを減らすことを意識しよう」・「世界全体が先進国並みの生活水準になると地球が○個必要」なんて、したり顔で言う人々もいるが、本当に正確な意味を分かって言っているのか怪しい。定義が正確でないデータで出た答えは、全く意味がない。まさしく、Gabage In, Gabage Outだ。