タイトルは 「これから赤ちゃんを産む方へ-----産科医療の危機と言われる時代に」
河合さんの近著 「安全なお産、安心なお産」 に、大変深く、広く、歴史と現状、これからの展望が書かれていますが、確かに、お産をとりまく状況は厳しいものになっています。
お産ができる施設は、この15年間に、6割くらいの数に減ってしまったそうです。
その問題のために今すすめられていることとして、河合さんはふたつのポイントを紹介しています。
■ひとつは、「集約化」と「リスクによる産み場所の振り分け」による、 地域全体の医療の立て直し です。
地域の拠点病院にたくさんの医師が在籍し、医師の負担を軽減、そしてクリニックや助産院でのお産ではいざというときに、しっかり助けてもらいます。これまでのように、地域に大小たくさんの産み場所があった時代と同じようにはいかなくなってしまったのです。産む施設が遠くなっても、みんなが少しずつ我慢して、地域全体の安心、安全なお産を作っていきましょう、という形です。
またローリスクの妊婦さんは、診療所や助産院を産み場所として選び、ハイリスクの方や緊急のときのために、大きな病院の負担が過剰にならないようにすることも大切ですよね。
地域全体で、そして妊婦さんみんなの協力で、安全、安心なお産を作っていかなければ!
■さて、もう一点は、もっとも大事なこと、私たちに今すぐできること、です。
河合さんは 「産科医や大きな病院の高度医療以外のものでお産を守っていくこと」が大事 、と言っています。
「わたしのお産サポート・ノート」を私たちが作った目的、読者の方々に語りかけたいことも、まさに、ここにあるのです。
言うまでもありませんが、妊娠、お産、育児は本来、医療の範疇のものではありません。異常が起きた時に、医療の手が必要になります。どれだけ医療に助けてもらえるかということは、時代よって変化してきました。医療の力で体か楽になったり、今まで助からなかった命が助かったりするのは、とてもありがたいことです。神に祈るしかなかった昔に戻ることはもうできないでしょう。
しかし、私たちはその医療のありがたさを、少しはき違えてきているようにも感じます。
わたしのからだ、わたしの赤ちゃん、わたしのこころ、その声をきき、状態を把握し、傾いた時には立て直す、それはあたりまえの日常の行為だったはず。妊娠したことをきっかけに、その当たり前の感覚を、体と心に思い出させてほしいのです。
医療に頼りすぎないで、妊婦さんに、私たちに今すぐできること。
たとえば、心や体のセルフケア。体のどこに痛みや違和感があるのかを知る、睡眠不足にならないようにする、ご飯をちゃんと食べる、というようなことから始まって、医療者にアドバイスをもらいながら、気持ちいい妊娠生活を送ってほしい。それは安産につながり、育児を楽にします。
アドバイスを求めるのは、病院でなくてもかまいません。保健所には保健師さんや助産師さんがいます。地域の助産院はお産だけが仕事ではありません。体のこと、育児のこと、相談してみましょう。近所の先輩ママに聞くのもいい方法です。医師ではない専門家の教室、治療室もいろいろあります。興味をもって調べてみましょう。
ただ、アドバイスや情報を自分の中に取り込んで、自分のものとして育てていくことは必要です。みんなが同じことを言うとは限りませんから。でも、それがいいのです。健康管理やストレス解消法、人づきあいなどなど、自分に合う方法は結局自分にしかわかりませんよね。
わたしのお産サポート・ノートは、そんな、それぞれの妊婦さんの模索を、助けることができると思います。 書くことは自分の心と体に向き合うこと。読んで知識や感動を仕入れることも大事。そして、しっかり相手(医師、助産師をはじめとして・・・)とコミュニケーションをとること。そこから始めてみましょう。
もちろん、生れつきからだの弱い人、障がいをもったひと、突然のトラブルなど、いろいろな人、いろいろなケースがあります。 それぞれの人が、自分を大切にすることで、お互いを支えあっていきたいものです。
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