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私にとって初の田辺作品。妻子ある50歳の男・レオと「共棲み」中の33歳のモリ。強いきずなで結ばれた彼との完結した世界はあまりに居心地がよく、脚本家業もおろそかにしがちだ。嗜好も、感性も、完璧に合致した二人。彼さえいれば何もいらない。彼のお気に入りの「ドデン」を囲んで、美味しいものを用意して、ごろりごろりとしていればいい。休日は、なにも用事がなくて、ただ二人でいられるから幸せ。心から彼を尊敬する。 心から彼を愛する。その時間のためだけに生きる。幸せ。足りないものはなにひとつない。そんなことを、きちんと仕事も地位もある30代の女性が言ってのけるのだから、すごい。その甘い暮らしを、美しい日本語で綴るから、よけいにうっとりしてしまう。ただ、自堕落に愛にすがって生きているわけではないし。彼に責任をなすりつけて生きているわけでもないから、美しいのだと思う。物語は、唐突に終わる。え、ここで終わり?いつまでも甘美な世界に浸っていたいと思うのに。ほんの少し生活の軸足を動かした30代の女性の自然な心の動きとともに起こることを、もっと見てみたいとも思うのに。田辺さんの世界を もっともっとのぞき見たくなった。
2010.03.30

大学進学で仙台に引っ越してきた椎名。引っ越し中に隣人・河崎に声をかけられる。河崎は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人留学生のために広辞苑を盗みたいと本や襲撃を持ちかける。かくして二人は本屋へ・・・ボブデュランの「風に吹かれて」を口ずさみながら。BSで放送されていたものを録画して鑑賞。放送時間の都合でいきなり本屋を襲う場面から始まって少々面食らうも、原作を読んでいたので展開は理解できててセーフ。伊坂幸太郎ワールド、俳優陣の素晴らしさで満喫しました。瑛太君、お見事。松田龍平はやっぱりかっこいい。濱田岳君の、ずんぐり具合がなんとも味わい深い。関めぐみちゃんも、はまり役だった。それぞれの気持ちが、とても自然に胸に迫ってきて。「重力ピエロ」でも感じたのだけれど、伊坂氏の問題提起に対する結論の付け方については、私には少なからず違和感を覚えるところもある。 復讐の仕方、とか。しかし、そうせざるを得ない主人公の気持ちも理解はできるし、ある種の清々しささえ感じるのがまら魅力でもあるんだろうけれど。「神様には目をつぶっていてもらおう。見ないふりをしてもらおう。」そう思いたくなるような切ないことは、私の日常にも結構たくさんあるかもしれない。
2010.03.26

デビュー作「悲しみよこんにちは」が大ベストセラーになり、18歳にして富と名声を手に入れてしまったサガンの波乱万丈の人生。小説かサガンか、と言われるほど、話題をふりまいてしまう、世間の注目を集めてしまう彼女の人生を早回しで見ているような作品。決して幸せいっぱいの笑顔を浮かべることがなく。頼りにしていた人は果たして真の理解者だったのか、天才に常識を課すことは作品のためにはマイナスなのか、せめて執筆している時間だけは彼女にとって幸福な時間だったと思いたい。
2010.03.25
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