.                      和屋 ~wa ya~

. 和屋 ~wa ya~

2008.08.21
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信州の短い夏休みもほぼ終わり、平日だし午前中ならゆっくり見られるだろうと予想して出かけたら、とんでもない、駐車場探しにも一苦労するほどの盛況ぶり。関東ナンバーの車もちらほら。

信州ゆかりの人だもの、一目見たいと思うのは、誰でも同じということか。

今や、TVCMですっかりおなじみ。kaii5

私が彼の作品に出合ったのは数年前、仕事先の某ホテルで。
年に数回訪れていた会場だが、その日は込み入った仕事でずいぶん緊張し消耗していた。
ほんの一息つけるときに、壁の一角に飾られていた緑の木立と水面の深い穏やかな風景に吸い寄せられるように魅せられた。その絵がそこにかかっていることは、以前から知っていて、気にも留めていなかったのに、その日はなぜか目に、心の中にまで飛び込んできたという感じ。
一服の清涼剤とはまさにこのこと、これが、絵画の力なのかと気づいた出来事だった。


今回は生誕100年ということで彼の軌跡を十分に堪能できる構成だとか。

kaii6 『道』
代表的な初期の作品。本物を目の前にして、その大きさと絵力に驚かされる。
あらゆるものを見つめて見つめて、掘り下げて掘り下げてたどり着いたシンプルな表現のもつ深み、とでも言えばいいのか。
独特のクローズアップされた紅葉の風景なども、とても素敵だった。

kaii8
『百夜行』
北欧旅行を経て描かれた透明な空気までも映しとったような作品群が大好きなのだけれど、とりわけこのモクモクとした針葉樹林と淡い日の光との取り合わせには、心を奪われる。
こんな瞬間を(あるいは永遠の風景を)どうして絵にすることができるのだろうか。


kaii4
月をテーマにした作品も数多い。しんとした白の世界も魅力的。


kaii3
唐招提寺の襖絵の一部。
この波や岩崖のスケッチも展示されていて、なんと私の故郷の海でスケッチされていたとある。しかも、私の生まれた年に!
見れば、確かにあの海のような気がする。
不思議で、胸が震えた。




誰もいない美術館で、一つ一つの作品と向かい合ってみたい、そんな気持ちにさせられる。
夢心地のひと時だった。






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最終更新日  2008.08.21 18:58:45
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