土曜日の書斎 別室

土曜日の書斎 別室

September 18, 2008
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高級参謀 ・ 板垣征四郎大佐 は、 北大営の中国軍兵舎砲撃と、 奉天城内への進撃を同時に下令した。
  既に、 北大営に照準を合わせ、 待機姿勢に在った 24糎榴弾砲 が咆哮。
  中国軍兵舎は、 忽ちにして粉砕された。
  この巨砲は、 謀略の決行に備え、 隠密裡に、 奉天に運び込まれていたものである。

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(山本薩夫監督作品 『戦争と人間 第一部 ・ 運命の序曲』 )

  奉天総領事代理の 森嶋守人領事 は、 急報に接するや、 戦闘行動の即時停止を要請する為、 奉天特務機関へ直行した。
  特務機関には、 板垣大佐を始めとする関東軍参謀連が詰掛け、 今や・・・臨時の戦闘指揮所として機能していた。

  「攻撃命令は、 司令官閣下が出されたのですか?」
  「本庄閣下は、 旅順の司令部に居られる。 緊急突発事件であるからして、 自分が代行指揮を執っている。 我が重要権益たる満鉄線が攻撃を受けた以上、 即座に応戦するは当然至極なる措置ではないか?  軍は規定の方針通り・・・」
  「中国側は無抵抗主義で行くから、 速やかに鉾を収めて貰いたいと、 総領事館に再三に渡って電話が入って居ります」
  「もう遅い。 統帥権 は、 既に発動した!」
  「いえ!  遅くはありません!!」

  森嶋領事は、 食い下がった。

  「今すぐ停戦命令を出していただければ、 我々が責任を持ち、 外交交渉によって解決致します」
  「総領事館は、 統帥権に容喙干渉 するのか!  ソレが総領事館の方針か?」

  板垣大佐は、 矢庭に威丈高に成った。
  一度腰砕けになったら、 計画全てが破綻する。
  三年前の二の舞である。
  軍の陰謀である事が露見する。
  首謀者は、 免官程度では済まない。
陸軍刑法 による厳重な処罰が待っているのである。

  特務機関長代理の 花谷正少佐 は、 軍刀を抜放つと咆哮した。

  「統帥権に干渉する者は叩ッ斬る!」





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Last updated  December 27, 2011 12:30:07 AM
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