世界をあっと言わせる未来MONOM

世界をあっと言わせる未来MONOM

2008年10月21日
XML
テーマ: 宇宙(914)
カテゴリ: 宇宙・自然
 時折、昼間だというのにヒンヤリとした心地よい風が、窓から玄関に向けて吹いてゆく。足元がそわそわして、すぐトイレに向かって立ち上がってしまう。でも、それは錯覚だ。その一連を客観視するように、自分を乗り物のように動かして無意識のうちに席に戻る。その繰り返し。そんな子供の時のそよそよとした気分で、こんな心地のよい秋空は一瞬ですぐに消えてしまうものだよなぁ、とそわそわを抑えて机に頬杖をついて窓を見て、春もそんな気持ちだったと回想してしまう。いつか風に誘われて沈丁花の薫りが漂うベランダに座って、来春モデルのコピーを考える。仕事なのか、趣味なのか。ぼんやりとして黒い大空を眺めていると、いつしか自分がベランダと一体となり、存在するけど宙に浮いているような、月と漆黒の中の空白のよる雲の中にすっぽりと入ってしまうような情景が浮かぶ。そんな舟にのって夜空を漕いで、もっと仰げると、さらにそわそわする。ベランダから駐車場を見ると、愛車の単コロが早く跨ってエンジンかけてくれと、燃え尽きない紅い裸体で必至に地に踏ん張っていた。よっしゃ、到頭か久々か、夜風とともに走り出す。何処にも辿る場所もなく。

 風とともに消えてゆくのは、幻だろうか。
 時折、時折々に何かとても大切な忘れものをしたような
 そんな気持ちが燻っている。
 けれども、もう涙をふこう、だからもう怖がらないんだ。
 よく見てみれば何とかわかる、大した物でもね。
 夜空にはかからない虹を探して
 風のオートバイに乗って、その虹の彼方までさ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008年10月21日 10時13分16秒
[宇宙・自然] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: