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May 23, 2005
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冬の真っ只中のことだった。
ある晴れた日に君と海に行った。

冬の海風が肌を刺す寒さはとても冷たくて、たっているだけでも寒かった。

君はダッフルコート、僕はトレンチコートを着て完全武装していたつもりなのに、容赦なく海風は身体を冷やした。



人気のない浜辺を歩いていたら君のブーツが砂にのめり込んで、ブーツの皮が傷まないかということばかり僕は気になっていた。

堤防を二人で歩いた。
僕と君を鎖で繋いで、海に落ちないようにおそるおそる歩いた。



地平線の向こうに浮かぶ雲、その雲を消す「雲消しの術」をして、二人で雲の行方をずっとみていた。



海風が冷たすぎて、君の手も冷たくなった頃、海の家の間にかくれて抱き合いキスをしてお互いを暖めあった。



暖かいお茶を買って、小さなお寺を参拝して、その後、海沿いのカフェに行った。
君はわざと僕を怒らせるように挑発して、君を虐めるように仕向けた。



まんまと君の誘導にのった僕は海沿いのホテルに入った。
まだ信頼関係が作れてないと思っていた僕は、虐めるというには優しすぎて君には物足りなかったかもしれない。
身体じゃなくって、心と心で繋がりたい、と思っていた。
でも君はそれを避けているのを感じていて、君が単なる身体の刺激だけで空白の世界に行くたび、心で繋がれないもどかしさを感じていた。




窓の空が暗くなって、君が帰る時間を気にしているのを感じて、急いで帰る身支度をした。
高速を飛ばし、君の家まで急いで帰ったけれど、時計の針は8時を過ぎてしまった。
今考えると、君はもっと早く家に帰りたかったんだってわかる。
いつも、もっと一緒にいたくて僕は君を家に送るのが遅くなってしまっていた。


季節の変わったあの海で、もう一度二人でいって、暖かい日差しを二人で浴びたい。



でも今は、あれだけの距離、家から離れるリスクは冒せない。



だからこそ、あの時の時間やあの時の想いを抱きしめたい。





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Last updated  May 23, 2005 07:49:52 AM
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