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2023.07.25
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カテゴリ: 広井勇

『小樽築港工事報文』から工事概要を見てみる。

「本港修築事業は左の3工事より成立するものとする。

第一、        防波堤築設工事。

第二、        浚渫工事。

第三、        岸壁及び陸上設備工事。

 防波堤の位置は、港湾の地勢及び本港将来の発達にかんがみてこれを定め、港湾の左右に起こり、延べて海面480万平方メートル〔原文146万坪〕を包囲し、また港内の平静を維持し得るを限りとし、船舶の出入りを自由ならしめんため、両堤頭間に272メートル〔原文900尺〕の離間を存せり。
北防波堤から南防波堤を臨む

北堤は本港の北端に近き本泊崎に始まり、南28度東に向かい総延長1,288メートルにわたり、水深12メートルの箇所に達す。その途中起点より約150メートルの箇所において幅15メートルの通航路を設けるものとす。南堤は延長約2,363メートルとす。

 北堤は本港の大半を被覆し防波の効用上緊急の工事とす。故に工事着手の順序を定めて、北堤を以て第一となし、南堤は北堤の竣工をまって更に企画するものとす。

 すべて防波堤の築設は設計施工共に土木工事中至難の事業にして、その構造は最も僅少の工費を以てその効用の全きを期せざるべからず。

 本防波堤の構造は陸地よりの遠近に従い、波浪の高さ及び海底の地質により、甲乙丙の三部に分かち、各部の設計を異にするものなり。

 甲部は、陸地接近の部分延長48メートルに在りて海底ことごとく岩盤なるにより、場所詰コンクリートを以て左右各厚さ1.8メートルの壁を造り、干潮面上1メートルに達せしめ、割石を以て裏詰となし、上に厚さ1メートル・幅6.7メートルの場所詰を施し、堤頂の高さ、干潮面上1.8メートルに達せしむ。

 乙部は、甲部の終端から始まり、延長132メートルにわたり、海底耐圧の度充分なるに依り、袋詰コンクリートを以て基礎を造り、上に重量16トンの塊を積畳し、割石を以て中詰を施し、上部は甲部に於けるが如く場所詰コンクリートを布設し、堤頂は干潮面を抜くこと1.8メートルないし2.1メートルとす。外側の塊上部二層は左右に凹凸を設け、栓を挿入して波浪の突入を防止せしめ、また内側において1.8メートルごとに径9.1センチ(3寸)の気孔を設けて圧気の排出に備うるものとす。

 丙部は、捨石を以て基礎を造り、コンクリートを以て上部の構造を施すものとす。捨石は比重2.5を下らざる硬石を用い、各個の重量0.05ないし1.8トンとし、その軽小なるものは上部において激浪の衝に当たらしむるものとす。捨石はブイ及び立標をもってしるしたる位置に投入し、ほぼ所定の作工面にならし、なお1ヶ年間波浪の動作により、充分定着するをまってコンクリート土塊を積畳するものとす。

 捨石の法は、外部に在りては2分の1ないし5分の1、内部は1割5分とし、上面は干潮面下5.7メートルに止むべきものとす。

 かくのごとき防波堤の構造は、波浪の単純なるハイ動に変化を生ぜしめる不利ありと雖も、小樽港における激浪は、遠く外海より回旋するものにして、その湾内に入るや既に直動性を承け、波力全深に及べるをもって、専ら砕波(さいは)の効用を主とする構造を施せるものなり(以下略)」。

「ボーイズ・ビー・アンビシャス第4集 広井勇と青山士」が神奈川県立川崎図書館でも蔵書となっていた | GAIA - 楽天ブログ






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最終更新日  2023.07.25 17:00:11


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