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2023.08.17
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カテゴリ: 広井勇
001-0551 小樽築港の礎 技師 青木政徳 近藤工業株式会社 YY-1 - オークション価格相場研究所

明治28年8月31日付 北海道毎日新聞(「小樽築港の礎 技師青木政徳」p.28)

「小樽築港試験工事は最近ようやく進捗したそうで、人造石の製造は既に三日ほど前に完了し、捨石の投入が終わるのを待って直ちに据付ける予定である。しかし、人造石〔コンクリート塊〕はかつて横浜築港で亀裂した前例もあり、青田(政徳)主任は直接同地の現状を観察して大いに得るところがあって、最初からこの製造に注意していたので成績は良好であると以前から聞いている。同氏はなお念のため今回最初に製造した人造石のうちで最も不出来な一個を破壊してセメントの凝結力を試験したところ、果して好成績を得たそうだ。現に我が社員はその現場に臨み、その人造石破壊面で結合した小石が両分したのを多く発見した。このことからもその凝結力がいかに強固であるか確証できた。

 先にこの据付用に製造した起重機船がこの程出来上がったので、目下出張中の工事監督広井技師と主任青木属が立ち会って一昨二十九日この試験を施行したところ少し支障があり、再試験を行うそうだ」。


日本土木遺産 廣井勇が築いた日本初の近代外洋防波堤小樽港写真集 – なまら北海道だべさ
小樽港北防波堤
明治30年、小樽築港事務所初代所長として、わが国で本格的な港湾整備の第一歩となる小樽港北防波堤に着手し、その指揮にあたったのは、波力公式「広井式」の考察者としても知られるエンジニア、広井勇博士であった。

北防波堤の構造は、投石マウンドの上にコンクリート方塊を積み重ねた混成堤であった。コンクリートブロックは水平に対して71度34分の傾斜をつけ、斜めに重なり合うように積
んである。こうすると工事中に先端のブロックが脱落するのを防げ、さらには捨石の沈降に伴って隣接するブロック同士で噛み合わせが強くなり、局部的な波撃に対して応力を分散させることができる。この方塊は防波堤の延長方向に傾斜積みされていることから、「斜塊」とも呼ばれた。

広井博士は、工事着工の前年から強度試験用の供試体(モルタルテストピース)の製作を開始した。比較のために3社のセメントを使用し、モルタルブリケット供試体を淡水と海水に浸し、耐久性試験を行った。基礎の捨石には針金で印をつけ、時化の後に移動状況を調べた。また、強い波浪の時は、波の高さ・長さ・速度と圧力を計測し続けるなどした。テストピース製作は着工後も継続され、総数は6万個にも及んだ。これらの大部分はすでに強度試験を終えているが、未だ5年ごとに当時と同じ方法で引張強度試験を行っている。製作後90年以上も経た供試体も含め、現在でもおよそ4000個が北海道開発局小樽港湾建設事務所に保存管理され、来たるべき100年目の強度試験を待っている。

広井博士は職工・工夫の人選に注意を払い、少数の優秀な者だけを雇って品質管理を徹底させた。そして頻繁に現場に赴き、自らスコップを使って指導した。その甲斐あって、北防波堤は、打設後90年を経過した現在でも表面は美しく、まったく材齢を感じさせない。明治生まれのコンクリートはいまなお健在であり、小樽港第一線防波堤として立派にその機能を果たしている。





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最終更新日  2023.08.17 06:41:24


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