Black Swan/メディア情報の歪みを正す

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Jan 26, 2012
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カテゴリ: 国内の政治・経済
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ソース:

URL:http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
「2012-01-26 11:20:07
財政再建とは何なのか?」

さて、昨日に引き続き告知ネタです。日本経営合理化協会主催の「三橋貴明の経済動向塾」が3月から開催されます。主に経営者の皆様を想定顧客とした「経済動向塾」になります。
 二か月に一度、わたくしが豪華ゲストをお招きし、講演及び情報交換会を開催するというものです。

【三橋貴明の経済動向塾(日本経営合理化協会主催)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_36.html#Gorikakyokai

 現時点で決定しているゲストの皆様は、以下の通りです。

第1回・3月14日(水)中野剛志先生
第2回・5月16日(水)麻生太郎先生
第3回・7月11日(水)田母神俊雄先生
第4回・9月5日(水)石平先生
第5回・11月7日(水)藤井聡先生
第6回・平成25年1月16日(水)(現時点では未決定)

 募集人員に限りがございますので、ご興味がおありの方はお早めに上記パンフレットをご覧ください。

 チャンネル桜の「桜プロジェクト」にキャスターとして出演しています。

【増税誘導】IMFは路線転換、増税よりGDPの拡大が先[桜H24/1/25]
http://www.youtube.com/watch?v=F4zB31GCuQQ
【市場の空気を】ギリシャは既に「債務不履行」状態[桜H24/1/25]
http://www.youtube.com/watch?v=pljmyi5AHrc
【領土問題】中国、尖閣諸島を航空機巡視ルートに加える[桜H24/1/25]
http://www.youtube.com/watch?v=FOBBsou8t4w

 三橋貴明の「明るい経済教室」の第十回も掲載されています。今回のテーマは「有効需要」。

【明るい経済教室】#10:国民経済の本質、有効需要の創出を[桜H24/1/25]
http://www.youtube.com/watch?v=meC0r6gXXas

 さて、上記桜プロジェクトのトップに取り上げた読売新聞の記事ですが、相変わらず無茶苦茶なミスリードをしています。何しろ、財政再建の「定義」をIMF方式から「読売オリジナル」にすり替えてしまっているのです。
 まずは、IMFのソースを見てみましょう。

『政府は、中期的な財政戦略の一環として、2015 年を目処とした消費税率の10%への倍増案を含めた税制改革法案を提出する予定だが、それだけでは債務比率を減少方向に転ずるには不十分といえる。
http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/fm/2012/update/01/0112j.pdf 』

 IMFは「債務比率の減少」すなわち政府の負債残高対GDP比率の低下を「財政再建」の定義としています。これは、日本以外の国についても同じです。
 そりゃあ、そうです。わたくしにしても「政府の負債残高対GDP比率の引き下げ」が財政再建の定義だと言われたところで、別に文句を言いません。と言いますか、わたくし自身が同比率の引き下げを財政再建と定義し、著作を書いています。

 例えば、徳間書店の「2012年(http://www.amazon.co.jp/dp/4198632774/ )」において、わたくしはこう書いているわけです。

『それに対し、08年に発足した麻生政権は「経済財政改革の基本方針2009」に、
「国・地方の債務残高対GDP比を位置付け、2010年代半ばにかけて少なくとも安定化させ、2020年代初めには安定的に引き下げる。今後10年以内に国・地方のプライマリーバランス黒字化の確実な達成を目指す。」
 と記している。
 ちなみに、筆者の「財政再建」の定義も、基本的には「経済財政改革の基本方針2009」と同じである。すなわち「政府の負債残高対GDP比率」の改善である。(P19)』

 「政府の負債残高対GDP比率」を財政再建の定義にしているのは、かつての麻生政権やわたくしだけではなく、IMFも同じなのです。この「政府の負債残高対GDP比率」を財政再建と定義することは、極めて重要です。何しろ、「政府の負債残高対GDP比率」を改善するには、政府の負債残高を減らす必要はないのです。借金を返済するのではなく、GDPを成長させることで実現できるわけです。

 何しろ、デフレ期の政府が「借金返済」に走った日には、確実にGDPがマイナス成長になります。GDPがマイナス成長になれば、税収が減り、財政は却って悪化します。
 IMFもようやく上記の問題(緊縮財政の悪循環)を認識し、「短期的な財政再建を目指してはならない」と言い出しているわけです。

 ところが、これも日本のマスコミ(及び裏にいる財務省)にとっては、増税路線への「武器」に様変わりしてしまいます。

『世界経済3.3%成長に減速…IMF見通し
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120125-OYT1T00006.htm
 国際通貨基金(IMF)は24日発表した世界経済見通しで、「世界経済の回復は失速し、下振れリスクが増大している」と指摘した。

 欧州危機が世界経済を揺るがしているとの見方で、2012年のユーロ圏の成長率はマイナス0・5%に落ち込む。また、IMFは同日発表した財政報告で、日本の財政再建には、2015年までに消費税を10%に引き上げるだけでは不十分だとした。

 ユーロ圏の12年の成長率は前回(昨年9月)の見通しを1・6ポイント下方修正した。ユーロ圏は国債の利回り上昇や、金融機関による貸し渋りに加え、各国が緊縮財政を進めることで「緩やかな景気後退(リセッション)に入ると見込まれる」と指摘した。イタリア、スペインは2年連続でマイナス成長に陥ることになる。

 世界経済の成長率は12年を3・3%に、13年は3・9%にそれぞれ下方修正した。12年の成長率について、日本は2・3%を1・7%に、米国は1・8%の見通しを据え置いた。ユーロ圏の景気後退で、新興国の経済成長も減速が免れないとの見方だ。』

 オンライン版は記事の前半しか載っていませんが、桜プロジェクトの番組で解説した通り、後半には以下の記載があります。

『日本が2015年までに消費税率を10%に引き上げても「政府債務を引き下げていく道筋に乗せるためには、十分ではない」との見方を示し、財政再建を急ぐべきだと指摘した。』

 お気づきでしょうか。読売新聞は同じIMFソースから記事を書いているにも関わらず、財政再建の定義を「政府債務残高の低下」にすり替えてしまっているのです。「政府債務比率の低下(IMF定義)」と「政府債務残高の低下」では、全然違います。何しろ、「政府債務残高」の削減は、政府が借金を返済しない限り実現できません。そして、デフレ期の政府が「借金を返済」しようとすると・・・(略)

 何といいますか、
「そこまでやるかっ!」
 と言いたくなるわけですが、現在は、この種のミスリードはあっという間に衆目にさらされることになります。今後もこの種の新聞等のミスリードを追いかけていきます(現在、PHPの仕事でこのテーマの本を書いています)ので、読者の皆様も拡散へのご協力、何卒よろしくお願いいたします。






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Last updated  Jan 26, 2012 03:30:15 PM


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