Black Swan/メディア情報の歪みを正す

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Feb 3, 2012
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カテゴリ: 国内の政治・経済
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ソース: 「三橋貴明ブログ」
URL:http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

2012-02-03 09:48:00
「所得がなくても、人は飢える」

たまには楽屋ネタを。

 TOKYO MXの番組(ゴールデンアワー)は、放送作家さんがシナリオを書かれているのですが、楽屋の会話で少し変わったりします。例えば、昨日。

作「デフレ期のボランティアについて、先生、以前『微妙』と仰っていましたね。他者の雇用を奪ってしまう、と」
三「はい、ボランティアの方々の志は尊いですが、デフレ期には他者の雇用、所得を奪ってしまう可能性があります。例えば、被災地のボランティアの方々に、本来は政府が金を払うべきなんです。ボランティアの方々は、労働の対価として政府から得た収入を、東北の現地で使う。これが、被災地の復興をむしろ助けます」
徳「そういえば、仙台の景気がいいらしいですね」
三「そうなんです。ホテルは一杯で、歓楽街も満員」
王「こないだ仙台行ったら、タクシーの運ちゃんがバブル期よりも景気がいいって言っていたよ」
徳「復興需要でお金が回りだしているんですね。仙台ではキャバクラが一時間待ちだそうです」
全員「おーっ!」
三「仙台だけではなく、銀座も景気が戻ってきているそうです。建設業の方々の仕事が増えてきているので」
徳「歓楽街で女の子にお金を使うというのも、先生、景気のバロメーターですよね」
三「そうです。それで女の子がお金をたくさんもらうと、化粧品やブランド物にそのお金を使います。そうなると、別の人の所得が増えるわけです」
徳「お金を回す、というのが経済なんですね」
三「実は、今話しているのと全く同じことを、1930年代の昭和恐慌の時に高橋是清が言っているんです」
全員「えーっ!」

 というわけで、シナリオが少し変わり、仙台の話などが盛り込まれたわけですね。
 ちなみに、高橋是清が何と言っていたのかを、ご紹介いたしましょう。

『更に一層砕けて言うならば、仮にある人が待合へ行って、芸者を招んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を費消したとする。これは風紀道徳の上から云えば、そうした使い方をして貰いたくは無いけれども、仮に使ったとして、この使われた金はどういう風に散らばって行くかというのに、料理代となった部分は料理人等の給料の一部分となり、また料理に使われた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及びそれらの運搬費並びに商人の稼ぎ料として支払われる。この分は、即ちそれだけ、農業者、漁業者その他の生産業者の懐を潤すものである。而してこれらの代金を受け取りたる農業者や、漁業者、商人等は、それを以て各自の衣食住その他の費用に充てる。それから芸者代として支払われた金は、その一部は芸者の手に渡って、食料、納税、衣服、化粧品、その他の代償として支出せられる。即ち今この人が待合へ行くことを止めて、二千円を節約したとすれば、この人個人にとっては二千円の貯蓄が出来、銀行の預金が増えるであろうが、その金の効果は二千円を出ない。
 しかるに、この人が待合で使ったとすれば、その金は転々して、農、工、商、漁業者等の手に移り、それがまた諸般産業の上に、二十倍にも、三十倍にもなって働く。ゆえに、個人経済から云えば、二千円の節約をする事は、その人にとって、誠に結構であるが、国の経済から云えば、同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから、むしろその方が望ましい訳である。これが個人経済と、国の経済との異なっているところである。(高橋是清:著「随想録」(中公クラシックス)』

 戦後、日本は確かに豊かになりましたが、それほど賢くなっているわけではないんだなあ・・・、と、つくづく思います。

『【増税のウソ】財政再建=国の借金減らすことではない
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120202/plt1202020856002-n1.htm
 財政再建という言葉を聞くと、日本国民の多くは「政府の負債(いわゆる国の借金)」を減らすことと認識してしまうが、この定義は間違いだ。財政再建の定義は「政府の負債対GDP比率を引き下げる」ことである。これは筆者独自の定義ではなく、IMF(国際通貨基金)も「政府の債務比率(対GDP比)の引き下げ」が財政再建だと定義している。
 すなわち、政府の借金残高と名目GDPを比較し、その割合を下げることこそ「財政再建」の定義になるのである。
 「財政再建の定義」の問題は極めて重要だ。何しろ「政府の負債対GDP比率の改善(引き下げ)」であれば、別に政府の借金残高を減らさなくても、名目GDPを成長させれば達成できる。
 日本政府の負債対GDP比率は、中期的に悪化している=図参照。すなわち、財政が悪化しているわけだ。とはいえ、昨日指摘した通り、日本政府は他国と比べて、それほど政府の負債残高を増やしていない。
 それにも関わらず、対GDP比は諸外国最悪で、さらに悪化を続けている。なぜだろうか。
 理由はもちろん、日本の名目GDPが成長していないためだ。
 例えば、中国は政府の負債残高を2001年比で、7倍に拡大している。ところが、政府の負債対GDP比率の方は悪化していない。大規模景気対策を実施したため10年は悪化(上昇)したが、09年までは横ばいだ。理由は、中国が政府の負債を増やすと同時に、名目GDPを成長させているためだ。
 すなわち、IMFの財政再建の定義である「政府の負債対GDP比率の改善」は、政府の借金を減らさなくても、名目GDPを成長させることで実現できるのだ。しかも、名目GDPが成長すると、政府は自然増収になるため、二重の意味で財政再建が達成される。
 逆に、デフレ期に政府が支出を削減、あるいは増税し、負債残高を減らそうとすると、名目GDPが成長しないか、マイナス成長になる。結果、政府の負債対GDP比率は悪化していく。何しろ、政府の支出(最終消費支出および公共投資)にしても、名目GDPの一部となるれっきとした需要項目なのだ。
 日本が財政再建する、すなわち政府の負債対GDP比率を改善するには、名目GDPを成長させる必要がある。そのためには、デフレから脱却すればいいのだ。経済成長こそが、全ての解なのである。
 ところが、日本のメディアや評論家は、IMFの定義までゆがめ、財政再建を「政府の負債を減らすこと」と解釈し、増税を推進している。結果的に、日本ではデフレ下の緊縮財政が強行され、財政が悪化する悪循環が続いているのだ。』

 消費税増税で日本のデフレが深刻化すると、失業する、すなわち「所得を得られない人」が増えます。それが究極的なところまで進むと、その国は、
「食料が有り余っているにも関わらず、国民が(所得がなく)飢える」
 という状況に行き着きます。供給能力不足で食糧が足りなくなっても人間は飢えますが、所得不足(デフレ深刻化)でも飢えるのです。すなわち、極端なインフレーションや極端なデフレーションを起こさないことこそが、国民経済の究極の目的なのです。

 1929年に始まった大恐慌下のアメリカでは、全国の失業率が25%弱、都市部は50%に達しました。結果、農地で価格下落を防ぐために、農産物を収穫せず、腐らせている状況で、市民が飢えたのです。

 すなわち、デフレを放置するどころか深刻化させる政策ばかり採ろうとしている現在の政権や財務省、日銀は、まさしく、
「所得不足により、日本国民を飢えさせる」
 方向に政権の舵を取っているのです。

 舵を切り直さなければなりません。それができるのは、もちろん日本国の主権者である日本国民以外にはいません。







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Last updated  Feb 3, 2012 04:42:48 PM


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