悩める裁判員経験者・似蛭田妖のブログ

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2020.05.22
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​​ 今回は、個人的な話で恐縮ですが、僕の個人的な恐怖譚をお話したいと思います。

 それは10代の頃、地元警察の刑事数名から、あわや連続放火犯に仕立てあげられかかった話です。


 僕は10代の頃、受験浪人を経験しました。その時、僕は、予備校生になるのではなく、自宅で勉強をして、模擬試験だけを予備校に受験しに行くという生活をしていました。

 アルバイトもせず、毎日、ほぼ1日中、勉強していましたが、勉強ばかりでは運動不足になるので、勉強の合間には、腕立て伏せやスクワットなどを自宅でやり、屋外でランニングなどもやっていました。

 僕の家があるところは田舎ですが、それでも昼間は、自動車、トラック、バイクなど、そこそこの交通量があるので、安全な時間にランニングをやっていました。

 ランニングするのは、夜8時から9時30分くらいの時間でした。10時を過ぎることはありませんでした。

 ある夜、たまたま、職務質問を受けたので、素直に氏名、住所、浪人生であることなどを答えました。

 すると、その数日後から、何日も続けて、自宅前に不審な男が立つようになりました。

 僕は、「Z会」や「大学への数学」の学力コンテストなどの答案を、ほぼ毎日、自宅外200メートル先にあるポストに出しに行っていたので、その不審な男とは頻繁に顔を合わせました。

 何度も顔を合わせるうちに、気持ちが悪くなったので、ついに「どちら様ですか。なにか用があるんですか」と訊ねました。

 そうしたら、その男は、刑事であることを明らかにして、「連続放火事件の捜査をしている」と言いました。

 同じ頃、別の刑事も、僕の父の職場を訪ねて、同じく「連続放火事件の捜査をしている」と言って、僕のことを根掘り葉掘り、父に訊ねたそうです。

 どうやら、僕は、その「連続放火事件」の犯人であると所轄署から疑われていたようでした。

 実は、警察が僕に目を付け、僕の家の様子を伺っていた最中も、放火事件は2件起こっていました。

 僕は、疑われていると知って以降は夜外出していないので、警察が僕のアリバイを証明したはずでした。

 ところが、僕の家の前にいた捜査員は、僕に対して、「お前がホシだ」とぬけぬけと言い放ったのです。

 僕は、若気の至りもありましたが、堪忍袋の緒が切れて、その捜査員に猛抗議しました。そして、それでも納得できなかったので、所轄署に乗り込み、刑事課長に噛み付きました。

 警察が24時間、僕を見張っている間に、同一犯によるものと思われる放火事件が2件起きた。この時点で、僕はホシじゃないだろう。そう認めろよと、抗議したのです。

 すると、刑事課長もまた、ぬけぬけと言いました。「ホンボシは他にいるかも知れない」と。

 『わっはっはっはっは、あんた達は馬鹿じゃねえか。こんなことだから、連続放火犯がなかなか逮捕できないんだよ』 僕は笑い叫びました。

 10代の僕の放言に、50代の所轄署刑事課長は反論できませんでした。

 この連続放火事件は、夜、人がいない木造の建物を狙って、火が付けられるという事件でした。

 それらの放火現場はすべて、僕のランニングコースからは遠い所にありました。その何れの放火場所にも、僕は行ったことがありません。

 結局、警察が僕へのマークを解いて、しばらくして、その連続放火犯は逮捕されました。

 僕をマークしていた捜査員と、僕の家族や知人に僕のことを訊いて回っていた捜査員が、僕たちから離れたから、人海戦術で犯人が逮捕できたのです。

 田舎の所轄署には、「少ない捜査員」しかいません。

 その「少ない捜査員」を効率的に使い、的確な指示を出さないと、このように、狭い田舎の連続放火事件ですら、犯人逮捕に時間がかかるのです。

 夜、ランニングしている浪人生が、ひょっとすると、むしゃくしゃして、放火したかも知れない、と考えた刑事課長の着想は悪くはありません。それでビンゴする事もあると思います。

 しかし、僕にアリバイがある中、2件も同様の手口の放火事件が起きているから、その時点で、刑事課長は、捜査員に、僕から離れて、他をあたれと指示しなければならなかった。

 刑事課長が僕に拘ったために、捜査員の割り振りに失敗して、犯人に、余計な放火事件を数件も起こさせてしまった。

 連続放火犯の最後の数件の犯行は、間抜けな刑事課長のアシストがあったから成し遂げられたと思われても仕方がないのです。

 この捜査の実態を知れば、被害に遭った建物の所有者と一般市民の皆さん方は、どう思ったでしょうかね?


 僕は、僕の家を張り込んでいた刑事とそうするように指示した刑事課長に謝罪を求めました。

 証拠もないのに、「お前がホシだ」と言われて、僕は心を痛めたからです。

 そして、同時に、僕は、ぞっとしました。

 アリバイがあるのに疑いを持ち続けられました。

 知らない間に、警察の中では、僕は「ホシ」と呼ばれていた。

 もし、犯人が逮捕されなかったら、僕はアリバイがあっても、強引に犯人に仕立て上げられたのではないか。張り込んでいた捜査員が「家から出た」と嘘を言えば、僕は犯人にされてしまいます。

 僕の生殺与奪の権利を、その捜査員が握っている。僕や一般市民にとっては正当な抗議でも、その捜査員から逆恨みされれば、大変な事になったかも知れない。

 そう考えると、夜も眠れませんでした。

 たまたま、雨が降れば、濡れた傘は家の中に持ち込まず、玄関外の傘立てに置きます。

 また、洗濯物は普通、庭の物干し竿に干します。

 もし、その家の外にある、傘なり、洗濯物なりを、誰かが持ちだして、放火現場に置いたら、僕は、犯人でもないのに、犯人にされたのではないか、などと、この出来事があった、10代当時、僕は考えることがありました。


































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Last updated  2020.05.24 22:37:08
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