南包の風呂敷
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8月10日に買ってから、二ヶ月弱、ようやく読了。それも、何とか息を切らせながらのもの。決して凡てを理解したわけではない。そんなのは言い訳ですが・・・。さて、この書からの自分なりの結論めいたものを、引用します。公正な社会は、ただ効用を最大化したり選択の自由を保障したりするだけでは、達成できない。公正な社会を達成するためには、善良な生活の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはいけない。p335そうなのです、【不一致を受け入れられる公共の文化】が必要なものです。人間は、思い込みと自分らの作り出したものの機械となって突進する。その勢いを、人間は誤まりやすいと自覚して、ゆるめようと努めるのが寛容。渡辺(一夫)さんはいつの世にもある不寛容に嘆息しながら、歴史を見れば寛容こそ有効だ、と言い続けました。(『「伝える言葉」プラス(大江健三郎)』―――不寛容より引用【不一致を受け入れる】こと即、【寛容】ではないかもしれないが、少なくとも、寛容の精神がなければ不一致を受け入れられる文化を作ることはできないのではないか。マイケル・サンデル教授の思想は、日本の学者がすでに語っていることに含まれていると感じた次第。とすれば、【公正な社会を達成する】ため人類の努力は、有史以前から続いているのだ。当然、と古代の人の声が聞こえる。『これから「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』から、引用しつつ考えたいところは他にもあるが、それは又いずれかの機会に・・・。『これから「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学(マイケル・サンデル/鬼澤忍訳)』装幀:水戸部功早川書房2010年5月25日 初版発行2010年6月23日 24版発行追記:本書の装幀、水戸部功氏が、ハヤカワ・ポケット・ミステリの新しい装幀者である。
2010.09.28
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