読書つれづれ

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2026.04.24
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カテゴリ: 雑感

​4月22日東京都復興記念館に行く。陳祖恩著「上海記憶の散歩」を読み王一亭氏の展示を拝見したいと思い訪問。王一亭は​上海の慈善事業における著名人、商売で富を築いた後は「社会に還元を続ける」古訓を守り民衆より尊敬を受けた。関東大震災に際しての活動は日本民衆からも崇敬を受け、「中国国協済日義賑会」設立が決定されると副会長として実務を担当し、次男を直ちに被災地に向かわせ報告させ、慈善団体や各団体を通じて18万5千元の募金を集め白米500トン小麦粉20000袋、炭薬品などを購入し「新銘号」で日本へ送った。1925年「幽冥鍾」の寄贈を受け入れることに決めたが建設資金の目当てがなく仮安置された。王一亭は鐘楼建設が困難と判断5名の画家の絵画8点を送付展覧会で展示後オークションで販売しても良い旨日本側に伝えた。オークションによる寄付が成功すると呉昌碩など33名の著名画家の協力で265点の作品を集め上野松坂屋で展示後その場で販売され建設資金に寄付を行った。鐘楼が完成した翌年1931中国美術団の団長として来日し復興記念堂完成に合わせ絹本4点を展示した。然し寄贈されたこれらの書画は記念館の倉庫に長く保存されており公開されることはなかった。1980年初め文物整理委員会委員長西浜氏が整理の際書画を発見、公開されるようになった。西浜氏は蘇州に王一亭のお墓が完成すると石碑をたて宇都宮徳馬の揮毫による「恩義永遠不忘記」と刻み日本の感謝を伝えた。
南市に梓園という邸宅がある。王氏が母のために購入した私邸である。旧城内でこの地域は戦前の中国の雰囲気が色濃く残っている。1927年日本高等女学校の学生が訪れ文集が残されている。梓園が有名になった理由はアルベルト・アインシュタイン氏を招待し宴席を設けられたことによる。1922年香港で日本籍北野丸に乗船上海を訪れた。上海に到着する直前ノーベル賞受賞の知らせを受ており、到着後スウェーデン駐上海総領事から正式に通達された。中国側が宴席の会場に選んだ理由はその邸宅が中国人家庭の住居であること併せて中国の美術品を鑑賞してもらう事であった。
復興記念館は著者の記述でも訪れる人少なくと書かれており、無料であっても確かに展示物にも工夫がなく人を寄付ける魅力が乏しい印象が残った。





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Last updated  2026.04.28 11:36:17
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