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「猫の部屋」の一日は、朝ご飯の催促に始まる…
『ごはーんごはーんお腹減ったよー』
スリスリ、ニャーニャー大騒ぎする仲間
『あのぅ…私、もうお腹が減って倒れてしまいそうです』
秘書たちの近くまでやって来て、座り込んで上目遣いをする仲間
『……』
まるで念を送るかのように、無言でプレッシャーをかける仲間
「はいはい皆さんわかりました」
「はいはい作らせていただきます」
たらふく食べた後
次に仲間たちが向かうのがトイレ
「…みんな、食べたらすぐに行くのね」
「うん、健康的な証拠です」
今はほとんどの仲間たちがドミトリーとなったため、至る所に大きめのトイレを設置していますが…
ここで不思議なことが1つ
どうやらみんな使い分けをしているようなのです
こちらのトイレにはオシッコばかり
あちらのトイレにはウンチだけ
いつもきちんと分かれています
「いったい誰が仕切ってるんだろうね…」
「間違えると怒られたりするのかなぁ…」
仲間たちの食後の儀式が一通り終わった後
秘書たちがトイレの掃除を始めると、必ずやってくる小さな黒い影
「あっお手伝いの人が来たよ」
それは黒猫兄妹のおしゃまな妹、アトムです
なぜかアトムはトイレの掃除を始めると、率先してお手伝いをしてくれます
そう…
きっと彼女の中ではお手伝いだと思います
次から次へ、トイレを回って一生懸命砂をかけてくれるのです
「あ、アトムさんありがとね」
「あ…、そんなに砂をかけなくても大丈夫なんですよ」
せっかく掘り当てたモノまで、必死で砂をかけるアトム
『これは大変だわ、お手伝いしなくっちゃ』
とてもありがたい猫の手です
トイレ掃除が終わると、地面に散らばった砂をホウキで掃いていきます
秘書たちがホウキを取り出すと、必ずやってくる小さなまだら模様
「あっまたお手伝いの人が来たよ」
それは、おもちゃ大好き、遊ぶの大好き、キジ三毛ももちゃんです
なぜかももちゃんは掃き掃除をしていると、どこからともなくやって来て…
可愛いまん丸のお目々はホウキに釘付け
「この方はお手伝いというか…」
「…ええ、ホウキが好きなんですね」
小さくて可愛いももちゃんですが、少し怖がりさんなところがあって…
ドミトリー生活になってからも、何かあればすぐに逃げてしまったりするのです
「ももちゃーんほら、おやつあげよう」
「こっちおいで、ももちゃん」
最初は絶対に近寄らず、地面に置かないと食べてくれなかったのですが…
最近は何とか手から食べてくれるようになりました
しかし、ももちゃんはまだ怖いのか、ある一定の間隔をあけて座ります。
仕方がないので、秘書たちはももちゃんのお口に届くように思い切り腕を伸ばします。
するとももちゃんは、恐る恐るおやつをパクリ
3度に1度は、上手にお口でおやつを受け取れるようになりました
「うぅ、ももちゃん…腕が…」
「でも立って近寄ると、やっぱり後ずさりしちゃうもんね」
そんな恐る恐るでも、おやつはおいしかったのか…
ももちゃんは少し離れた場所に可愛くちょこんと座り、いつも期待に満ちた目で秘書たちを見つめます
「ももちゃん、そこにいるとホコリだらけになるよ」
お目々をまん丸にしながら、ホウキの動きと同じようにお顔を左に右に
ホウキの先を可愛いお手々でちょんとつついたかと思うと…
すぐにダーッと向こうに走っていって、またホウキの動きにお目々をキラキラ
お尻を振って、狙いを定めて、またもやホウキを追いかけます
奥のお部屋を掃いていれば、奥のお部屋に
裏道を掃いていれば、裏道に
ホウキのあるところならば、どこまでもついてくるももちゃん。
「ももちゃん、ものすごく可愛いのですが…」
「ものすごくお掃除しにくいんです…」
それでも、ももちゃんはキョトンとしたお顔をしながらずっとホウキを狙っています
何とかももちゃんをかわしながら、お掃除を終了
壁にホウキを立てかけて秘書たちが汗をふいていると…
ももちゃんは物足りなげにホウキを見ていました
『どうして動かないの』
「ももちゃん、もうお掃除は終わったから、おもちゃで遊んでおいで」
そう言いながら、まわりを見渡す秘書たちの視線の先には…
破壊された”ボールころころ”発見
「…爪研ぎ部分がヒモになってるし」
「アンタたちのお手々で、どうやったらこんな風に出来るの」
横には素知らぬお顔でヒモにくるまり、視線をそらすトイレ掃除担当のアトム…。
「アトムさん、これは共犯者がいるよね」
「たぶん…いや、絶対にアイツだ」
すでに逃走したのか、兄サスケの姿はありませんでした
「そうだ、ももちゃん”エビちゃん”は」
「うん、”エビちゃん”にしようよ」
みんな大好きで、ゴムで吊してあったはずの”エビちゃん”
前の「猫の部屋」からも大切にお引っ越しさせて来たはずの”エビちゃん”
しかし秘書たちの目の前には…
無惨にも腹わたの出た”エビちゃん”の姿が
「あぁ、”エビちゃん”切腹だよ」
「…いったい”エビちゃん”が、アンタたちに何をしたというのか」
気の毒な”エビちゃん”の姿を見つめている秘書たちを尻目に、何やら後ろでゴソゴソしているアトムとももちゃん
「あっ、おもちゃ見つけたんだね」
「良かった良かった」
そう言って秘書たちがアトムとももちゃんの持っているおもちゃを見ると…
見覚えるのある大きな黒いねずみ…
「これは、大黒ちゃんが外敵から守ったはずのおもちゃ…」
「なぜにまた、こんなところにあるのか」
「…楽しそうなのは嬉しいけどさ」
大黒ちゃんのお部屋から大きな黒いねずみは誘拐されてしまい…
「やはりこちらの犯人も…」
「ええ、アイツしかいません」