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「猫の部屋」のお当番の日
相変わらず第二秘書は、仲間たちの写真を大量に撮って帰ってきます
「あー、やっぱりタイミングがずれてる」
「もう少しこっちのアングルからの方が良かったな」
「…一眼レフが欲しいなぁ」
写真の整理をしながら、いつも結局その台詞が出てくるのですが…。
その写真を一緒に見ている第一秘書
彼女には心惹かれる仲間たちのポーズが二種類あります。
それは”あくびをしているところ”と”舌を出しているところ”なのだそうです
あくびをする前
少しだけ下を向き、小さくお口を開けて、ほっぺたがペコンと引っ込んだかと思うと…
次の瞬間
キバも奥歯も全部見えるくらい、パカッと大きなお口が開いて
『(ふぁぁ…)』
お口を閉じてからも、まだ少しぼんやりとした表情の仲間たち
「あれはジッと見てたら、何だかものすごく気持ちよさそうじゃない」
「…確かに」
「それに猫って、あんなに口開くんだよ」
「…」
「まるで二枚貝みたいに、何かパカッと頭がふたつに開くみたいな…」
「…怖いよ、それ」
少々マニアのような第一秘書
だからいつも、あくびをしそうになっている仲間たちを見つけると…
ソーッと近くまでいって、じっくりと見ているのだそうです
『ふきゃ…(ふぁぁ…)』
たまに思いがけず声が出てしまう子もいたりして
それもまた、たまらなく可愛いのだそうです
「ふあぁ…」
たまに第一秘書にも、あくびがうつっていたりするようですが
舌を出している仲間たちのユーモラスな表情
思わず笑ってしまうような可愛い写真が多いです
寝ていて無意識に舌が出てしまってるとか、ご飯中の一瞬とか、グルーミング中とか…
中にはいつも出ているとか…
いろんな場面で出くわします。
「しかし小さい舌だね」
「いっぱい出たら、結構長いんだと思うよ」
「なるほど、いっぱい出てるのも、チロッと出てるのも可愛いよね」
いつもはキリリとしている子でも、一瞬の隙に出る可愛い舌
その瞬間だけは、何だかすごく愛嬌のあるお顔になります
「居眠りしてたりする時に舌が出てると、”あっ出てる”って嬉しくなる」
「うん、安心して寝てるんだろうなって思うよね」
「後はご飯の時、口のまわりについたのを舐めてるの…」
「そうそう、あれって引っかかったりしてる時、あるよね」
猫の舌は犬の舌とは違い、柔らかそうに見えて実は少し固いものです。
そのうえ細かい突起のようなものがあり、喉に向かって並んでいるために表面はザラザラとしているのです。
もともと獲物に気付かれないように匂いを消すネコ科の動物は、暇があるとグルーミングをします。
その時に、この突起についた舌がブラシのような役割をして、汚れや匂いなどを取り除いているのだそうです
「いつも毛繕いした後は、ブラシをかけたみたいになってるもんね」
「でもその突起があるから、思わぬところに引っかかる…」
「うん、鼻の頭とか口の横とかに引っかかった時は大変そうだよね」
そう言って秘書たちは笑っていましたが…
猫にとっては笑い事ではなく、慌てて取ろうとしてジタバタしていたりするんですけど
ただ舌を出しているところをチェックしているのも…
やはり何か変わったところがないか、気になるからだと秘書たちは言っていました。
舌が健康な色をしているか、何か出来たり、ただれたりしていないか…
グルーミングも全身くまなく出来ているか…
「舌に炎症があったりすると、上手に舐めたり出来ないし」
「体調が悪い時はしなくなるんだよね」
「それに口の中や舌から出血があったりすると…」
「舐めた後、毛に血がついてたりするもんね」
あくびの様子も舌が出ている様子も、本当に可愛いものだと思います
その可愛い仕草をしている時に、目で見てとれる部分のチェックをすることは大切なことだと秘書たちは思っているそうです
「だって、いちばんストレスかからない方法だと思いませんか」
「無理に見ようとしても、特に痛かったりすると絶対に見せてくれないもん」
確かにそれは一理あるのかもしれません
マニアなように見えて、本当はちゃんとした理由があるのだと…
第一秘書はちょっと偉そうに言っていました
「ねっだからあくびとか舌出してる写真、頑張って撮るんだよ」
「…簡単に言うけど、タイミング難しいんだよ」
「そうほら、でも今までも上手だよ」
「…シャッタースピード遅いし」
「健康チェックも出来るし、可愛いし、一石二鳥」
「じゃあさ、やっぱり一眼レフを…」
「大丈夫君なら撮れる」
「…」