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□イラスト□今回も絵チャで描いたイラストを。イラストはイスナさんのオリジナルキャラクターであるクロさんと拙作の登場人物――真田綾人です。イスナさんへのお祝いSS「クロと十五夜」では描いていない気を失ったクロを運ぶ綾人。「ね、ね、綾人くん!」「なんだ?」「わ、私にもお姫様だっこして!」「断る」「即答!? ううっ、クロちゃんばっかりずるいかも」「クロ? なんで、ここで彼女の名前が出るんだ?」「……これ、あの人から綾人君に渡してって」「これは……あの時の。あいつ、また余計なものを撮っていたのか」「さっき、あの人と会って――」「鈴音ちゃん。この写真を綾人ちゃんに渡してくれない? きっと喜ぶってお姉さんは思うんだよね。はっ、いけない! こんなことを綾人ちゃん大好きっ子の鈴音ちゃんにお願いなんてできないわ! お姉さんったら、とってもうっかりさん! ごめんね、鈴音ちゃん。この写真のことは忘れて、マジで。なんでもないから、本当に。うん、だから見せてとか言っちゃだめだよ? ああ、でもお姉さんは隠し事ができない主義だから心が痛むわ。というわけで、こんな写真です」「――と言って、見せてくれたの」「……」「さあ、私にもお姫様だっこをするのだ」「断る。他をあたってくれ」「待て、行こうとするな。ちょっとだっこするだけではないか。なぁ、綾人。お姫様だっこぅ」「服の裾を引っ張るな。手繰り寄せるな。俺の背中に体を預けるな。腕を回して俺を拘束するな」「どうだ? お姫様だっこをする気になったか?」「ならない」「おかしい。あいつの話だと、こうすれば綾人を篭絡させ、お姫様だっこをしてくれるはずなのだが」「……ほう。それは興味深いな。あいつはなんて言っていたんだ?」「うむ。あいつが言うには――」「お姉さんは思うの。綾人ちゃんはとっても照れ屋さんだから、普通にお姫様だっこをお願いしても反応してくれないと思うのさ。そこでお姉さんは閃きました。綾人ちゃんはお母さんがとても大切です。大好きです。だから、そんな綾人ちゃんには母性を見せて迫るのが最善かと策士たるお姉さんは考えるわけなのでありますことよ。そして鈴音ちゃんはその大きな母性の塊に綾人ちゃんを甘えさせてあげなさい。そしたらもう綾人ちゃんはイチコロ。喜ぶこと間違いなしね! お姉さん、ナイス提案!」「――と言っていたのだ」「どうしようもないな、あいつは」「はっ、しまった! 後ろからではだめだ。綾人の背中があったから、つい抱きついてしまったぞ。やるな、綾人。私としたことが……」「悔やむのは、そこか?」「さあ、綾人。私の胸の中に飛ぶ込んでくるがいい。私の母性にて綾人を包み込んでやる。甘えていいんだぞ。その代わりといってはなんだが、お姫様だっこをして私を甘やかしてくれ」「断る。それじゃあな」「足早に行ってしまった……。何がいけなかったのだろうか? 謎だ」以上、今回はこの辺で。web拍手ありがとうございました。
2008.07.20
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――とある日の記憶を失くした。いや、記録か。書き留めていたその日の記録は一瞬にしてなくなった。そう、一瞬で。「――あっ」と、言葉を発する前に。しばらくの間、僕は落ち込んでいた。他のものが手につかない程に。なぜなら、その日の僕が消えてなくなったから。――でも、違う。そう、それは違った。あくまでそれは記録であって、記憶ではない。その日の記憶は、きっと僕の中で眠っているだけ。ふとしたきっかけでその日の記憶は蘇るんだ。うん、そうだ。そうなんだ。だから、大丈夫。大丈夫だよ。今日、仕事の帰り道。目には浴衣姿の女性、耳に破裂音。空を見れば、光の華。――花火大会。近くの土手で花火大会が行われていることを思い出しました。帰宅してから荷物を置いて、土手へ。そこにはすでに多くの人が花火見物を。その中に混じり、夏の風物詩――花火を見ながら、夏を感じていました。もう7月も終わりですね。
2007.07.26
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