この「小説もどき」も、おかしな具合になってきた。
「町おこし小説」のようになってきている。
どこかで軌道修正しなければ・・・・・私としては「大感動スペクタクル恋愛ドラマ」にしようと思っていたのだから・・・
「結婚しない鉄道員」(仮題21)
キノップ峠を通り過ぎるとまもなく「下風呂温泉」の看板が見えてきた。
国道から山手に入ると温泉街になるらしい。
国道に沿って右手には漁港が見える。
その中にちょっとした広場があって・・・「いかさまレース」という看板も見える。
「いかさまレースって、堂々と出していいんですかね?」
竹夫は社長に問いかけた。
「ああ・・・いかさまってインチキっていう事じゃないよ。・・・津軽海峡にはイカがたくさんいるんだよ・・・それを集めてレースをさせるんだ。」
社長はあまり興味のない顔をしながら答えた。
「でもね・・・この温泉は漁港が間近にあるっていうことで、この半島の中数ある温泉の中でも料理がいいっていう評判だよ?」
「へえ。。。料理がおいしいんですか・・・・」
それに・・・・ここではコンパニオンなんていないから、俺が昔泊った時には大間から漁師の奥さんたちが来てくれて・・・その話が面白くってさ。・・・あれは一見の価値はあるね。」
筆者も感じていることだが・・・旅の楽しさの中には地元の人と話をするというのがある。
地元の方言で、地元の人と会話が出来たらなんて楽しいんだろう・・・
しかし残念ながら、旅行会社の企画ではそういうものはあまりない。
団体旅行の宴会では、標準語の上手なコンパニオンがやってくる。
一人旅でようやく地元の食堂のおばちゃんと話しができるくらいだろう。
そんな会話のできる旅があってもいいと思う。
ところで・・・キノップ峠を降りたあたりから、むつ市から風間浦村となる。
そしてほどなく、大間町へと到着した。
この町は近年・・・マグロの町として売り出している。
「大間のマグロ」というブランド化もしているが・・・大きなマグロは都会に直送されてしまい・・・・地元ではあまり大型のマグロは食べられない。
「それでもな・・・俺が頼んだマグロは特別にとっておいてもらったものだ。うまいぞ・・・・」
そう言うと・・・社長は一軒のみすぼらしい家の前に車を停めさせた。
「ここですか?」
竹夫やレディ・マッスルは普段着だからいいけれども、社長の高級ブランドスーツは汚れそうな気がした。
中に入ると案の定・・・部屋は汚れ畳は擦り切れている。
茶の間では・・・・ひとりの老人がお茶を飲みながらテレビを視ていた。
ここは青森県ではあるが・・・・テレビに映っているのは北海道のニュース・・・・電波が北海道からのものの方が強いのだろう。
老人はきっと、漁を終えて休憩している漁師だろうと思われる。
するとその漁師に・・・・社長は一枚のカードを渡した。
のそのそと漁師はそのカードを受け取った。・・・そして・・・
テレビの下のテレビ台のふたを開けた。
ビデオデッキのようなものがあり、 その中に社長のカードを入れたのである。
するとどうだろう・・・・茶の間の奥の台所の床がスライドして開いたのである。
「なんですか?これは?」
レディ・マッスルが大きな声を上げた。
竹夫は・・・未来にもあるようなシステムなので驚きはしなかったが・・・それでもこんな田舎町に・・・・という思いはあった。
中には、下へと続く階段があった。
かなり長いような会談だったが・・・・人の体重が加われば、赤や青や黄色の明かりが点くようになっていて足元を照らした。
社長を先頭に、竹夫とレディ・マッスル・・・最後に運転手が続いた。
一番下まで着くと・・・そこが2畳くらいの広さになっていた。
目の前にエレベーターのドアのようなものがあって・・・しばらく待つとそのドアが開いた。
そこにあったのは・・・豪華絢爛というか・・・かなりの広いスペースん鬼…まばゆいばかりに輝いていた。
「社長・・・・ここは?」
「わが組織の接待用の施設だ。」
「大間の旅館で新鮮な魚を食すのもいいが。高級感のある店はないからな・・・・接待用に社長が作られたのだ。」
今までしゃべらなかった運転手が初めて口をきいた。
右手の方には高級クラブのような場所が・・・人形のような女性が待機している。
左手には・・・・和食用のお座敷だ。
何やら特別な施設のように思われる。
「今日はこっちだ・・・・」
社長は座敷の方に入った。
ふすまが閉められると・・・・かなりの防音設備になっているようで、高級クラブに流れていたアンニュイなブルースの音が消えた。
「今日はマグロを中心に会席料理だ。」
社長は手をこすり合わせる。
見るからに食通の社長が期待をしている料理・・・・竹夫たちも期待をした。
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