体調不良は未だ続いていますが、休むわけにはいかないんですよね。
貧乏暇なしです。
今日もどうすればうまく経営が安定するのかの会議です。
品確法っていう法律ができても、いまだに役所は考えてくれてません。
適正価格の協議をしてください。
「結婚しない鉄道員」(仮題37)
午後10時を過ぎて、竹夫と長丸家親子の3人は「YOU」というスナックに来ていた。
「あら?こちらの方、初めてね・・・」
顔なじみなのだろう・・・・このお店のママさんが竹夫のことを長丸家の親子に聞いていた。
「今度駅に来た、南森さんよ。・・・・今日ここで歓迎会をするって聞いてないの?」
「ああ・・・駅長さんがそんなこと言ってたけど・・・誰が来るか、何人来るのかも言ってないし・・・第一、長丸さんたちが来ることだって聞いてないもの。」
そうなのだ・・・・
10時開会予定の歓迎会なのに、駅員は誰も来ていなかったのだ。
スナックでただ待っているわけにもいかず、3人は飲み始めていた。
しかし、この親子のお酒の量は半端じゃない。
竹夫がビールジョッキ一杯も飲まないうちに、もう焼酎の水割りが3杯目になっていた。
「あんたたち飲み過ぎよ?・・・こちらさん、驚いてるじゃない。」
そう言いながら、ママさんは名刺を手渡した。
「駅の人たち、けっこう来て下さってるんですよ。今度はご一緒にどうぞ。」
にこやかにほほ笑みかけてきた。
「のみ過ぎって言ったって、どうせ一人飲み放題3000円でしょ?・・・いくら飲んでもいいじゃない?」
「あんた達親子は別にしたいわ。・・・うわばみってアンタたちのことを言うんじゃない?」
「あたしもそうかな?」
「あんたはお母さんほどじゃないけど、素質は充分よね。・・・うちのホステスさんに雇いたいくらい。」
「うちの子、時給が高いわよ?・・・いいの?」
「めんこい子だものお客さんには人気が高いし、それだけ飲んでもらえば売り上げも上がるからいいわよ。」
たしかにこの子なら、どこに出しても人気ナンバーワンになりそうな気もする。
しかし・・・たしか昨年まで高校生・・・まだお酒を飲ませてはいけないのではないだろうか。
竹夫は心の中でそう思った。
そこへ駅長ともう一人の駅員がやってきた。
「なにやってるのよ・・・遅いじゃないの?・・・お客さんがお待ちかねよ。」
長丸母が大きめな声で怒鳴った。
「お母さん・・・あたし、駅長さんのことが大好きなんだから、そんな怒らないで?」
娘の佳代子がちょっと頬を膨らませて母親を叱ったが・・・・どう考えても、この駅長とは釣り合わない気がする。
これが天賦の才能というものだろうか?
案の定・・・駅長の目じりは急激に下がり・・・「ささ、一杯飲んで?今日はいくらでもご馳走しちゃうから。」
やに下がった顔で駅長は佳代子にサービスし始めた。
「駅長さん・・・・今日は南森さんの歓迎会なんでしょ?・・・挨拶と乾杯の音頭は?」
「あ、そうだったそうだった・・・」
いったん座りかけた駅長がグラスを持って立ち上がった。
「南森くんには突然の辞令交付で、大変あわただしかったと思いますが、明日からきちんと働いていただきます。聞くところによると、下北観光についてはある程度の実績があるようですから、その観光の営業の方をやってもらいますが、何とか売り上げを伸ばしていただけるよう頑張ってもらいたい。よろしく・・・・カンパ~イ」
こうして宴会は始まったのだが・・・・竹夫に下北観光の実績がある?・・・初めて聞く言葉だった。
「駅長さん・・・今の言葉・・・・どういう意味ですか?」
竹夫は何度か聞こうとしたのだが、駅長は佳代子ちゃんの方だけ見るだけで、上の空だった。
しょうがない・・・明日聞こう。
竹夫はそう覚悟した。
「南森くん、カラオケ行こうよ」
「はい」
未来人だからこの時代の歌は知らなかったのだが・・・旅行の営業をするならばお客様のリクエストにこたえるのが添乗員だ。
ウッドベルの営業所から駅に着くまでの間に、数曲は暗記していた。
「何かリクエストはございますか?」
「むつ市民歌!」
おっとこれは・・・・まだ竹夫が暗記した中には入っていなかった。
「あたしが代わりに歌ってあげるわよ。」
そこへ立ち上がったのが長丸家の母親だったのだ。
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