いろいろな疲労が重なっています。
じつはかなり痩せましたが、こんなことで痩せたくはないな。
「結婚しない鉄道員」(仮題74)
このフィリピン人女性がなんでKを知っているのか、竹夫には疑問が残った。
Kが酒に強いというのは、介護施設で訓練をしていた時に聞いていたが、彼女の日頃の生活では介護の仕事と「CFE」のエージェントとしての仕事で、とても外に飲みに出かける時間はないはずだ。
実際彼女の口からは、家で飲むだけだと聞いていた。
そのKが、わざわざ車でもかなり時間がかかるこの駅近くのスナックまで飲みに来るとは考えにくかった。
「どんな付き合いなんだい?」
「彼女ねえ・・・よく言うんだけど昔は海外で仕事してたんだって。」
たしかに「CFE」の秘密エージェントとして、海外勤務をしていたと聞いたことがある。
「今は事情があって地元に帰ってきたんだけど、もう一度向こうで仕事がしたいから、英語を忘れたくないんだって。」
英会話のためだけに・・・と言うことだろうか?
「そういえばKちゃん、イケメンに弱いのか・・・モモちゃんや金ちゃんのことをよく私に聞いてきたよ。・・・今日三人が飲みに来たから思い出したんだけど・・・」
「え?俺のことは?」
浦島太郎が身を乗り出して尋ねた。
「えっと・・・浦ちゃんのことは言ってたかな?」
竹夫は察知した。
Kは、鬼退治をした桃太郎と金太郎がこの半島に棲んでいる事を知っていたのだ。
それは「CFE」のエージェントであれば、知りえる秘密であっただろう。
組織が秘密にしていたとしても、それくらいの情報はKほどの訓練を積んでいればなんということもないのだ。
しかし、蠣崎城址にいると知っても、暗号は知らなかったに違いない。
おそらく姉の敵討ちを頼むために、蠣崎には何度も行ったと思われる。
三人を見つけることはできなかったが、それでも桃太郎・金太郎・浦島太郎がこの店に、よく現れている情報をどこかで知ったのだろう。
現代人はまさかと思うだろうが、このおとぎ話の英雄たちは、思った以上の派手な衣装を身につけているのだ。
普通の人間にはおとぎ話の主人公たちが現実にいるとは思わないだろうが、Kにはわかったのだ。
「でも、実際にKちゃんは、ここでこの三人とはあってないんだろ?」
「そういえば、何度来ていても、一度もあってないよね?」
フィリピン人の女性は、おとぎ話の主人公たちの顔を見たが、三人とも首を横に振った。
だから、竹夫が蠣崎城址に行くとき、Kは喜んでついてきたのだ。
Kの気持ちが生半可でないことがわかったような気がした。
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