日本語で話そう

February 16, 2010
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カテゴリ: 東海道五十三次

先週の木曜日深夜、母の見守り隊1号と2号が、東京で残業を終えて、私達の東海道五十三次の旅の間留守番をするため我が家に帰って来た。

「今度はどこまで行く予定?」と聞かれた。

「4日間ぶっ通しで歩いたことが無いからわから無いけれど、行かれたら大津まで。そうしたら、後は逢坂山を越えて山科を抜ければ終着の京都だよ。最後を残しておくから、最後は家族みんなでやろうよ」と言うと、次女は、

「出来るだけ歩いて来てよ。最後は少しだけ歩けばいいように。たくさん残さないように」と言う。

長女は「じゃあ、ホテルはウェスティン都ホテルがいいかな。私は三条大橋で、完歩おめでとうの横断幕持って待ってるよ」と言うじゃないか。

まあ勝手なことを言ってはいるが、協力してくれ、応援してくれるのはありがたい。

そして先週金曜日4時起きして家を出て、名古屋までの新幹線に乗った。

東海道五十三次最終章の一歩手前、4日間の旅への出発で有った。

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まずは新幹線の中で戦いの前の腹ごしらえ。

新幹線は名古屋で降りた。近鉄特急で四日市まで行き、内部線に乗り換えて終点内部まで。そこが前回の旅の終点、今回の旅の始点。

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内部から少し行くとすぐに旧街道は細くなり急な坂道になる。

杖衝坂

坂は登ってすぐ緩やかな下りになる。そんなにたいした坂ではないけれどこの坂、ずいぶんとオーバーな謂れがいっぱい伝えられている。日本武尊が剣を杖代わりにしたとか、急坂の為松尾芭蕉が落馬したとか。

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そしてこの日一番最初の宿場の石薬師寺であるが、ちっとも着かない。おかしい。先人の地図ではすぐに国道1号線から旧道に分れるはずなのだが、いつまでたっても国道を歩いている。分かれ道も見つからなかった。

しかし、こういったことはすでに何回も経験しているので、犬の鼻じゃあないけれど嗅覚がものを言う、旅人の第六感が者を言う。

途中からながら国道を離れて旧道を見つけ出し、石薬師寺の宿場へ。

そして石薬師寺。

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裏門から入って表門に抜ける。

この頃から天気予報通り、早くも雨が少し降り始めて来た。

石薬師寺の宿場を出るとそこは田んぼの真ん中。寂しいなあ。きっと昔と変わらないだろう風景。ここを夜通ることになったらこわいだろうなあ。

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ボディーガード付きで良かったと、しみじみ思う。現代も山賊が出るんだねえ。

国道の下のトンネルを通過。時々こうやって現代に引き戻される。江戸時代から。新幹線の下をくぐったり、高速道路の橋げたの下を通ったり、国道で分断された旧道を信号を求めて大回りしたり。

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しばらくは国道一号線を歩く。横を車がびゅうんびゅうん通っていく。雨も降っているけれど横を通るトラックの興す風で傘を支えるのがやっとだ。

うんざりした頃、国道から離れて、旧道に入るとそこはもう庄野の宿。長女が持って行けと言ってくれたマフィンを雨宿りしながらお寺の軒下を借りて食べた。

美味しかった、ありがとう。

ここは広重の浮世絵でかの有名な庄野。浮世絵もまた雨の中。

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国道を走るトラックからの風と雨を避けるための姿勢はまったくこの中の絵の人物と同じ。違うのはデジカメのバッテリー切れを気にする現代人がいるだけ。

おかしいなフル充電して来たのに。

庄野宿はほかと同じで過去の世界に取り残された昔が残っている静かな宿場だった。宿場資料館に入り、保存されている大きな高札やら古いものを見せてもらう。古い建物はかび臭い。喉の弱い私は咳がひっきりなしに出るけれど、階段ダンスやそこにさりげなく活けられた椿や白梅が気になった。

雨は少しずつ強くなる。

旧街道を歩いていて困るのは、ほとんどレストランを見つけることが出来ないことだ。仕方が無いから、近くを平行しているであろう国道一号線が近づいた地点で、一度国道に出て、レストランやトイレのあるコンビニを探して、そしてまた旧道に戻るのである。

絶対に後戻りしない夫が一緒だから、その区間は少しだけ旧東海道はパスするのであった、 いつも。

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亀山の宿に入った頃、雨は本降り。スラックスの足元が濡れて重くなって来た。トイレにも行きたい。そうこうしているうちに痛恨のミス。

地図を読み違えて、まったく違う方向に進んでしまったのだ。ショッピングモールがあるところで、ビデオやさんのトイレを借り、カメラのバッテリーを買った。地図を示してその辺のおばあさんに道を聞くが要領を得ない。若い人に改めて聞くと、「全然違いますよ」と言われた。20分のロスタイム。

役所のロビーを借りて夫に借りて来たゴルフ用の雨ズボンをスラックスの上から履く。夫も持って来たが痩せ我慢して履かない。ついでにレインコートをリュックに掛ける。夫はこれもやせ我慢して掛けない。これが後で運命の分かれ目になるのだった。

そしてさっき下ってしまった亀山城下町の丘をまた登る。まあ、いいさ、旧道にはトイレのある店もないし、カメラのバッテリーを売っている店も無いから。この迷い道、ラッキーだと思おう。

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Last updated  February 16, 2010 05:16:52 PM
コメント(22) | コメントを書く
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寒いのに~雨なのに~  
家族で眼鏡  さん
黙々と歩き続けられて、すごいです。
たしか、金曜も土曜も、東京のほうはすっごく寒かったのですが、雪とか大丈夫でしたでしょうか?

道はなんとなく普遍的に感じてしまうけれど、こうして説明を読んだり、写真を見ると、変わった部分と昔ながらと両方を感じることができます♪ (February 16, 2010 08:23:33 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
Blue*Hawaii**  さん
雨にも負けず急坂にも負けずよく歩かれましたね!

国道1号はほんとうにトラックが多くて怖いですよね~
昔弟が三重の親戚の家まで自転車で行ったことがあるのですが・・・
かなり大変だったようです。 (February 16, 2010 08:39:03 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
やせがまん、、、運命の分かれ目。。。

ジャジャジャーん。いったいどうなるのでしょう。
衝撃の次回、今からもうドキドキです。 (February 16, 2010 09:16:02 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
長い道のりお疲れ様でした♪
やせ我慢したご主人はどうなったのかしら~?
雨に濡れて風邪ひいたとか??

(February 16, 2010 09:47:30 PM)

ご家族の応援が嬉しいですね。  
流石に、寒そうな画像です。
デジカメきっと、寒いから消費が早かったのかもしれないですね。
でも買えるところがあってよかった!

マフィンのことも、横断幕も、お留守番もほんとに優しいお嬢さんたち!

さて、無事にどこまで行けたんでしょう? (February 16, 2010 10:45:53 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
旧東海道には趣きのある場所がいたる所に残っているのですね。
昔と現代を行き来されて歩かれるのはその対比がおもしろそうです。
ご主人様の運命やいかに!? (February 16, 2010 10:50:10 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
あじょむ  さん
こんばんわぁ。。。
もう少しでゴールなのかな???
総距離って如何程あるんでしょうか?
わい歩くのが好きだから羨ましくて仕方が無いけど
暇があれば是非歩きたいなぁ。。。
でも・・北海道では無理だよねぇ。
(February 16, 2010 11:18:17 PM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
ringo5190  さん
この日は、また特に雨がひどくて、夜になってもジャバジャバ降っていたので、ウサギさんご夫婦の身を案じていました。

レインコートを被せなかったご主人のリュック、、、着替えも、ビショビショになってしまったとか~(笑)

ゴールのウェスティン都・・・・・いいですねぇ~
完走したら、どんなビッグホテルでも問題ないですよね~(笑)
(February 17, 2010 09:08:47 AM)

Re:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
「室長」  さん
こんにちは~
広重と同じ旅、風流といえば風流ですが冬の雨は体が冷えて大変だったことと思います。ご主人様、あららら・・・・・内部線は色はカラフルになっていても中身はレトロのままの車両のようですね。トラックの横では風流もどこかに飛んでしまう・・・原付で走っていた若かりし頃、緊張したものでした。 (February 17, 2010 09:09:42 AM)

いよいよですね♪  
Hanamari☆  さん
もうすぐゴールですね。
最後の旅、頑張ってくださいね~! (February 17, 2010 01:10:15 PM)

着実に近づいてますね~  
rikizuki  さん
灰色ウサギさんの東海道の旅が終るのは、なんだか、嬉しいような、寂しいような。
三条大橋で横断幕・・・想像して笑ってしまいました。今、さかのぼって読んできました。
ほんと、いつもおもしろいっ!そして、ほっとします。オーウェン君おにいちゃんになるんですね~
どうしても、寝姿を撮らせたいネコちゃん、そして地球の仲間入りしたみぃちゃん。
ちょっと、凹みぎみの私ですが、安らぎました。
京都市内まで、4時間弱、もっと近くだったら横断幕に参加したかったで~すっ(笑)
それでは、また、寄らせてもらいます。 (February 17, 2010 04:23:36 PM)

Re:寒いのに~雨なのに~(02/16)  
家族で眼鏡さんへ
旧東海道を歩いている限りは昔のままですが、一歩そこを離れると現代のもろもろが押し寄せて来ます。ギャップが大きい。
(February 18, 2010 06:19:27 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
Blue*Hawaii**さんへ
国道はすごいです。車がびゅうんびゅうん。
国道を歩かなければならない箇所が長いとうんざりします。江戸時代の欠片もないんですから。
(February 18, 2010 06:21:01 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
とらのこどもさんへ
ゴルフの雨具持っているのに着ない、面倒なんでしょうかね。ホテルの部屋で乾かしている姿はおかしくて笑っちゃいました。
(February 18, 2010 06:22:37 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
ゆかっち♪♪さんへ
夫は意外としぶといんですね。上は雨具になっているゴルフジャケットを着ていたので濡れなかったんですよ。リュックの中が濡れたので、その日は着替えることが出来なかったんです。
(February 18, 2010 06:24:44 PM)

Re:ご家族の応援が嬉しいですね。(02/16)  
Belgische_Pralinesさんへ
デジカメ最初からエラーばかり出ていたんです。そのうちバッテリー切れですと出た。それが、途中で一度出してまた入れたらしっかり大丈夫になりました。
(February 18, 2010 06:28:09 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
バームクーヘンさんへ
旧東海道のすぐ側を国道一号線が走っていてそこにはコンビにレストランガソリンスタンド、何でもあるんですね。現代と置き忘れられた道、対比を知る楽しさも分ってきました。
(February 18, 2010 06:31:06 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
あじょむさんへ
総距離は503kmです。
途中迷ったり、トイレや食事のために道をそれますから字再はもっとでしょうね。
(February 18, 2010 06:32:56 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
ringo5190さんへ
なんとしても前日は鈴鹿峠の真下まで行っておかなければと焦って歩きました。雨だからとやめるわけにいかなかったんです。鈴鹿はringo さんの大きな保険のおかげで安心して歩けました。
(February 18, 2010 06:35:19 PM)

Re[1]:東海道最後の仕上げはどうする?(02/16)  
「室長」さんへ
カラフルな内部線、実は3両の車両はそれぞれ黄緑、空色、ピンク。そしてレトロ。
広重は庄野ヲ描くのに雨と竹やぶを描きましたが、ほんとあの辺は竹やぶが多かったです。

(February 18, 2010 09:11:36 PM)

Re:いよいよですね♪(02/16)  
Hanamari☆さんへ
ゴールはもうちょっと先になります。
k族でやると決めたから、みなの都合と母の見守り隊員を見つけなければ・・・。
関宿は恵那山トンネルを抜けて何回か行った妻籠の風景にほんとう良く似ていましたよ。
(February 18, 2010 09:14:35 PM)

Re:着実に近づいてますね~(02/16)  
rikizukiさんへ
まだすぐには旅は終わりません。みなの都合もありますから。
忙しいのに遡って読んでくださってありがとうございます。
オーウェンはどうやら弟が出来るようです。オーストラリアから連絡がありました。
(February 18, 2010 09:16:56 PM)

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