にわとりのあたま

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Nov 2, 2004

悲しい記憶

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去年の2月頃、二種免許とれたてでハイヤー認可申請の前、その前日の夜、私はとても心躍るものに出会い、あまりのうれしさにＳさんに電話した。

゛ねぇ、ハイヤー立ち上げたばかりでなんだけど、飛行機事業もいっしょにやったらおもしろいと思わない？それがね、なんとかできそうなのよ。゛

もちろん今の会社ではない。
私が一から立ち上げるつもりの話。

Ｓさんは最初、はぁぁぁ？？という感じだったが

゛江村さんがそんなに興奮しているなら本気なんですよね。会って話しましょうよ。゛

お休みだったのに、時間とってお茶をした。
今後のハイヤー会社の展開の話、そしてその延長上に航空会社の話。

Ｓさんはまだこのとき私と二ヶ月しか仕事をしていないのだ。
でも

゛私はずっと江村さんと仕事したいです。ハイヤー会社でも飛行機会社でもホテル事業でも、ずっとそばにいて番頭していたいです。いいですか？゛

その言葉、私はきっと照れくさかったんだと思う。
即座に否定して

゛何言ってんの。私より成長するかもしんないんだから、そんなこと言っちゃだめよ。自分がいつかは親方になるつもりでなきゃ。゛

でも実は本当はうれしかった。

そして本当に7月、航空事業の話がきた。

゛Ｓさん、社長をやって欲しい゛
゛ま、まさか飛行機ですか。こんなに早くきたんですか゛

でも彼は少し考えて

゛やります！だって俺、アウテックが大好きなんですよ！゛

いつだって本物なの。
私みたいに計算しない。
いつも直球勝負。
だから泣いたり笑ったり怒ったりする。
心の奥まで入ってこようとする。
仕事でそういうの、こまるからと言っても入ってくる。

今年の私の誕生日には家のドアノブに花がかかっていた。

そういう人なのだ。

彼は昨日亡くなった。
突然、亡くなったのだ。

真実に目を向けられず、一分一秒生きている。

今日帰ったら、部屋の外にプレゼントがあった。

゛愛海ちゃん、お誕生日おめでとう゛
と、私の新しいひよこ達から。

本当に気を使ってくれて有難う。
うれしかったです。

いつまでもブルーでいては駄目だ。
ちゃんと受けとめないと。

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