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そろそろ、ネタ切れしそうではありますが、 久々のC級小説いってみます。 皆様にもおありでしょうか?現時点での生活を全て変えたい訳で はありませんが、あの一瞬に戻りたい。あの時違う展開になって いたら・・・などと思うことは? ----予期せぬ展開/Unexpected Thing---- あの曰くつきの家に住んでいた頃のNobubuは、 あの家に帰りたくないという想いも強く、バイトに明け暮れ、 親が不在なのをいいことに、週末は気の合う仲間と共に、 方々へ遊びに出かけていた。 その週末も、バイト先の仲間の一つ上の大学生のK、 高校のクラスメートの友人M、同じくバイト先の 何人かの仲間、総勢6人ほどで六本木のディスコへ 踊りに来ていた。 その場所は、当時人気のサーファー系のディスコで、 ファッションやセレクトされる曲もファンキー系 やしっとり系で、なかなか洒落た雰囲気だった。 皆で丸くなって踊り、盛り上がっている時、 旅行者らしい3~4人のグループの 1人からから声をかけられたNobubuであった。 宙を仰ぐが如く、見上げた先には、 彫りの深い巨大な、かなりビビットくる 金髪青年が立っていた。(推定身長190センチ) 既に有頂天になっているNobubuであったが、 聞こえてくる言葉に注意を集中すると、 どうやらこういう事を言っているな?と 推測できた。 ビッグD(勝手に命名)が言うには、 彼らはオランダから来たツーリストで、 1週間ほど日本に滞在するらしい。 巷で流行っているディスコを覗きにきたそうだ。 一緒に踊らないか?(この部分だけはっきりわかった) 全て、オランダ訛りの英語である(多分) ビッグDは笑顔の素敵な人、 ブログ仲間のracquoさんの細木先生流の分析で言うなら、 男っぽくあろうとするけれど内面は弱く でも感性がややあるタイプという感じだろうか。 Nobubuの脳内は、オランダの風車の風景にワープしていた。 友人の存在を忘れてしまってもいいさ~ と思える程の貴重なヒットであった。 後に、この思いにしっぺ返しがくるという ことを、このときのNobubuは知る由もなく。 Nobubuの間髪いれずに答えた「オフコース」に続き、 皆で仲良く踊り始めた。 皆で踊っていたといっても、Nobubuの視線の先は ただひとつ、ビッグD。 首がひきつりそうになりながらも、ビッグDと他愛の ない会話を片言で交わし、何曲が踊っていたら・・・ 暗転・・お待ちかねのチークの時間。 誰に止められようとも、絶対ビッグDと 踊ってみせる・・と意気揚々なNobubu。 夢見る乙女に優しい誘い・・トレビアン!(←意味不明) チークの曲は、その頃流行っていたスイートレディ (George Duke)だったような気がする。 甘い雰囲気とは裏腹に、Nobubuの目の前の景色は ブルーなシャツ一色、そして胸のボタンのみ。 ふ、踏み台が欲しい~内心そんなことを思いながらも ビッグDの顔を見ることなく、チークは終了かと 思えたその時・・・・ 天使が微笑んだ。 おもむろに、Nobubuを持ち上げたビッグD。 自分の顔の高さまで、Nobubuを移動させ、 しばし見つめ合った後に、優しい表情で語る。 「君と踊れて、嬉しかった。ありがとう!」 もうダメだ・・・気絶するかも・・・ でも、何か言わなければ・・しかしあまりの 興奮状態で、言葉が出てこない。 仕方なく微笑返しをしたNobubu、床に優しく着地を させてくれたビッグD。 この後の展開を期待するNobubu、明日以降、東京の 街を案内するっていうのは、いい手かも・・ いや、もうこのままどこかへ・・・ そして曲は再びファンキーな響きに変わる。 その時、予期せぬ人が現れた。殆ど存在を忘れていた バイト先のKだ。 再び宙を仰ぐがごとく彼の眼を見つめていたNobubu の横に、へばりつくように奴は立っていた。 ビッグDがKの存在に気付き、問いかける。 「もう少し、彼女と踊りたいから、彼女を借りても?」 次の瞬間、一気に南極に飛ばされたNobubu。 Kはこともあろうに、こう答えたのであった・・ 「No, She is MY GIRL!」 状況が把握できないで立ちすくむNobubu。 天使が去った・・・ ビッグDは、Kに答える 「Sorry・・・・・・・」 そして、Nobubuを再び見つめ、踊ってくれたことへの 感謝の言葉を。 何か言わなきゃ、こいつは関係ない奴なんだと、早く 早く・・気ばかり焦り、言葉が出てこないNobubu。 英単語も全て、頭の中から消え去ってしまったかのよう。 そうこうしているうちに、ビッグDはツーリスト仲間の 塊に消えていった。 マジで涙が出てきた。今さらながら追いかけて行って、 人ごみをかき分け、アイツは関係ない奴、 あなたと踊りたいと告げる気力が残っていないし、 少ない語彙力で、うまく伝えられないという気持ち も強かった。切なさが怒涛のように押し寄せる。 そして、Kが追い討ちをかけるように、笑いながら呟く 「さっきのオマエ、ウドの大木にしがみつく蝉!だったぞ」と・・ 生まれて初めて、微妙な殺意を感じた瞬間であった。 ----The End--- エンドクレジット・・・テンプテーションズ/MY GIRL you tubeでどうぞ ⇒My Girl 願わくば、あの瞬間に戻って、Kを押しのけ、 「あなたのガイドにして下さい!」と叫びたい。
2007.07.19
久々のC級小説いってみます。 ボブ君、ブルース君に続いて、今回登場するのは~ な・ん・と・・リアルな外人さんです!名前はとりあえず アレックとでもしておきましょうか 映画館での思い出-手に汗握る時 思い起こせば、花より団子の18歳のNobubu。 楽しみといえば、部活(体操部)終了後の 友人達との買い食い! いつものように学校脇の何でも屋系の食品店で でっかい肉まんを買い、食べていた時に友人が呟いた。 そういえば雑誌にペンフレンド募集っていうのが のっていたけど、あんた、手紙だしてみたら? 別に興味ないし・・と即答するNobubuに、 友人が力説する。 友の話によるとどうやら外人さんと お友達になれるサークルみたいなものがあるらしい。 最初はペンフレンドから始めるということで、 英語の勉強にもなるし、自分は試すのが怖いが、 あんただったら、出来そうだということ。 横から見て楽しみたい、という魂胆が あからさまだったが、なんか面白いかも? とかなり前向き(単純)な性格の Nobubuは、とりあえず自己紹介文を サークル宛てに出してみた。 それから、しばらくして3人位の人から文通希望の 手紙が届いた。どれも全て英語。 早くも、後悔をしながら辞書と格闘し、 全ての人に返事を書いたのだが・・・ 文通を希望されたのにも関わらず、 お返事をくれたのは、そのうちの1人、 東京在住のカナダ人のアレックだけだった。 2ヶ月ほど文通をした後に、東京だし会おうよ。 ということになり、ためらいまじりに待ち合わせの 御茶ノ水へ・・・ それまで、不思議だが写真交換などしてはいなかった ので、どうやって識別するのか?とかすかな不安は あったものの、今とは違いその頃は、街にそれほど 外国人がうようよと、溢れている状態ではないので、 待ち合わせ場所に行けば、すぐに判るだろうと、 明るい予測で待ち合わせ場所へ・・・ 予想100%的中。一目瞭然。 軽めのブラウンの髪に長身、絵に描いたよな外人。 この街中で、ああいう人と一緒に歩いたら かなり目立つだろうな・・と向こうは判らないのを いいことに、躊躇しているNobubuだったが、 知らないそぶりで5メートルほど接近した時に 不覚にも、眼が合ってしまった。ばちっと。 思いのほか、優しい眼をしている。 歩み寄るアレック・・Are you Nobubu?と生の英語。 もうごまかせないと悟ったNobubuは、 イエ~スと即答。 しかし近くで見ると、笑顔が可愛い23歳の外人。 なんだかドキドキしながら、お茶の水らしく お茶会へ・・ 2、3時間お茶を濁していただろうか? 伝えたいことの10分の1も伝えられないまま。 そしてヒアリングが正しければ、近いうちにカナダに 一度戻るから、その後また会って欲しいみたい な事を言われたような気がした。 初めてのお茶会は成功。そして1ヶ月ほど後・・ カナダ土産につられ、待ち合わせの新宿へ この日の予定はどうやら、映画鑑賞のようだ。 しかし、ピュアな日本人Nobubuは甘かった~ まさか、またしても題名の思い出せない映画 になろうとは・・ 映画が始まった瞬間、手を握り締めるアレック。 えっ?と一瞬ひるんだNobubuだったが、 まあ、外人だからこんなもんか?と 半ば我慢したのだが・・それがいけなかった。 生療法は怪我のもと・・(使い方間違っているかも?) この状態が2時間ずっと続くとは・・ 予想外の長時間戦。 徐々に粘ついてくる手の中、そして気分は 加速度をつけてロマンチックからかけ離れていく。 あたしは、日本人だな。大日本人! 痛切に感じた瞬間。 どうやって、自然に手をほどこうか?という ことばかりを考えていたので、 映画の内容を覚えていない。 頭の中では色々な作戦が浮かんでは消える。 (例・・身体伸ばし作戦、くしゃみ作戦、 映画で泣いて、ハンカチを取り出す作戦などなど) どれも実行できぬまま、時間だけは過ぎる。 映画のストーリーも置いていかれたままに。 そして映画が終わった頃は、手の中は、 梅雨時と化していた。 映画自体も汗ばんだ黄色い色合いに変わって しまったかのようだった。 映画は、やっぱり友達と来よう・・と 強く感じたあの日。 アレック君とはその後会っていない。 映画の後、食事に誘われたが、 門限があるからといって、断った。 映画館での展開を考えると、先が怖いし。 すでに、アレックへの興味がレスザンゼロ っていう感じだったのだろう。 なによりも映画を見終わるということが こんなにも幸せだったのかと 初めて思えた瞬間だった。 手元には、何通かの文通の手紙だけが 空しく残っていた。 The End ---エンドクレジット--- ラブレターフロムカナダ by畑中洋子
2007.07.03
映画にまつわる思い出、色々あれど・・・ それでは、後半いってみま~す。 前半は↓にあります。そちらから読んでね! 銀座の遠吠えの物語 後半 犬・・犬・・お犬さま。 (サウンド ボーンインザUSA byスプリングスティーン) しばし、ヨセミテの荒野をバイクで走る二人を想像して うっとりするNobubuであったが、姉の一言で現実に 無理やり連れ戻される。 「あんた、スカートじゃん・・」 がーん! 気合を入れて、少し短めのスカートで勝負に でようと思っていたNobubuは、なんの面白みもない 黒ズボンに履きかえなければならない運びとなる。 足取りも軽やかにバイク前まで進むNobubu、 おはよう!と声も軽やかに。 次の瞬間、自分の被っていたヘルメットを脱ぎさる ブルース。そして悩殺スマイルとともに、 「急にこれ(指でバイクをトントン)にしちゃって ゴメン。銀座で駐車場を探すのも嫌だと思って。」 アカデミー映像賞! いい男は何をしても絵になる・・背中に強烈な姉の 視線を感じながら、美しいブルースを見とれるNobubuの 頭にいきなりヘルメットが・・・バコッ。 一瞬、お先真っ暗・・もっと見ていたかったのにぃぃぃ! もうこのままヨセミテまで走って~ と声をあげて呟くNobubu、歌も歌ってしまおうか? どうせ聞こえないし・・などと考えていたのもつかの間、 ブルース君のバイク乗り換え作戦は功を奏し、 あっという間に目的地に到着。 ミニシアター系の映画館(遠い将来、レイフ映画でお世話に なるシアターだとは、このときのNobubuは知る由もない) 上映されていた映画は、冒険家の生涯を描いた 「植村直己物語」 だった。 映画が終わり、イタリアンかなにかのカフェで食事を する2人。いまだ映画の感動が冷め切れぬような 熱い表情のブルース君。 多分映画の事は、既に頭にないと思われるNobubuの 熱いまなざしとブルース君の視線が絡んだ瞬間 ブルース君からの現実っぽい言葉が・・・ 「映画どうだった?」 まさか・・質問形式でこられるとは思っていなかった Nobubuの頭は真っ白になり、先程見た真っ白いヒマラヤ かなにかの光景に同化して、こうつぶやく・・ 「犬がかわいそうだった。」 ・・・・・・・・恐怖の一行感想文。子どもの夏休みの 宿題。ワンセンテンス。ワン、ワン、ワン・・わんこ様♪ ーー映画の中の犬は本当に可哀相だったのだ! 氷と氷の裂け目(クレパス)に身を落とし、 泣き叫ぶ植村直己と一生の別れを余儀なくされるーー しかし次の瞬間、落胆の色を隠しきれないブルース君の 表情をNobubuは目の当たりにする。 でも、お願い、その日本人離れしたブラウンの瞳で、、 そうだよね。可哀相だったね。とか優しい言葉を 返して!と切望するNobubuに、それこそクレパスに 落とされたかのような一言を告げるマイペースな ブルース君・・・ 「他にない? 植村さんに対しての想いとか?」 Nobubuの頭の中に、天国にいるだろうと思われる 飼い犬のポチの遠吠えがこだまする・・・・ ポチ、ポチ、ポチに会いたい!もはや修正不能な状態。 夏だといえども、身体にあたる風は冷たい。 まして、バイクの上では。 心なしか、朝の背中とは別人になったブルース君 との温度差を感じながら・・バイクは走る。 明日は来るのだろうか?と考えるNobubuであった。 The End -----エンドクレジット---- サウンド 越冬つばめ 家に戻ったNobubu に姉が追い討ちの一言。 「うっわ! あんたの頭、鉄仮面になってるよ!」 ヘルメットを呪いたい、というよりバイク全てを 呪いたいNobubuであった。 本日2度目のポチの遠吠えが聞こえる・・・・。
2007.05.29
先日のC級小説、ちょいビターな想いと共に過ぎ去った 昔を懐かしんでいたのですが、ブルンボヨヨンさんと共に シリーズ化しようか?などと話が盛り上がり、 半ば強引にシリーズ化いたします。(笑) 本日も突っ走ります。お暇なら、お読み下さい~~~ 銀座の遠吠えの物語 (←銀恋からの強引なパクリ) 前編 予想外 (サウンド イージーライダーのテーマ) 銀座、銀座、ぎんざ~ ♪ 思い出のギンザ~~♪ 昔の歌にもあったが、どうやらNobubuの映画にまつわる 思い出は、銀座に絡むことが多いらしい・・・ 時は花も恥らう19歳の頃、専門学校生のNobubuは 夏休みを利用して、某雑誌社(就職情報誌)のアルバイト面接 にアポありで訪れた時に始まる。 事務所に入った瞬間に、面接官とは関係なく、 少し横に座り、お仕事中のブルース君(仮名)を観た時に それは起こった。 落雷・・そう呼ぶのにふさわしいビビリ人目惚れである。 もう、面接なんてどうでもいい!という気になった Nobubuであったが、しかし・・ このアルバイトをどうにかしてゲットしないと ただの夏の辛い面接の思い出に終わってしまう・・ という重大な事に気付き、100%のスマイルで(スマイル0円) なんとか、念願のバイトを手に入れたのであった。 そして、沢村一樹に激似のちょいワイルドなブルース君と、 どうにか仲良くなりたいという想いと共に バイトに燃えるNobubu・・・ ドリーム カム トゥルー そしてチャンスは訪れた!! 仲間内での飲み会の後、それ程遠くないという理由で ブルース君が、家まで送ってくれたのである。 飲み方セーブが功を奏し、きちんと会話できる Nobubuに神様からの贈り物・・ さよならする瞬間に、ブルース君からの言葉・・ 「今度、映画にでも行こうか~観たいのあるんだ!」 Nobubu、しばし昇天~~~~ そして、運命の日・・ 車で迎えに来てくれるというブルース君の到着を 今か今かと待ちわびるNobubu、その横に勤労新聞学生事件 (この話はまたいつか・・)で優越感にひたる姉。 車の音がしたら、すぐにお外に出られるようにと そわそわするNobubuの耳に飛び込んできたエンジン音! 彼だ!彼が来たのだ! と、ここで姉が猛ダッシュでトイレへ・・・ トイレの小窓からブルース君をチェックしようと試みる 野次馬化したあさましい姉に一瞥を送り 外へでようとした瞬間・・・・・・・・ 「くっせぇぇぇぇぇ~~~~」という姉のおたけび。 あまりにも 便所トイレには相応しすぎる言葉。 姉を押しのけトイレから覗くNobubuの目に飛び込んできた のは・・・バイクから降りるブルース君の姿。 予想GUYの予想外の行動、小脇に控えのヘルメットを かかえ、勇ましく立つ行動派のブルース君の姿は およそ下町には似つかないほど、美しかった。 ブルース君を取り囲む風景が、行ったことはないが、 雄大なヨセミテ国立公園に変わった瞬間であった。 ・・・to be continued
2007.05.29
いよいよ、驚愕のラストです。 第1,2,3章前半は↓ 下にあります。そちらから読んでね。 銀座の中心で嘆き叫ぶ! 第3章 後半 ボブ、あなたはどうしてボブなの?(サウンド ロミオ&ジュリエットのテーマ) 女心と春の空、実際には秋の空なのだろうが、 その違いなど、Nobubuにはどうでもよかった。 10秒前まで、描いていた剣道部の先輩の顔は すでに忘却の彼方へと追いやられてしまった。 目の前の美しく輝く黒い瞳をみつめながら、 しばし、言葉を失うNobubuに、スマイル王子こと ボブ君は告げた。 元気だった? もうすぐ誕生日だよね? 映画のチケットを手に入れたんだけど、 一緒に行かない? Nobubuは、少しもったいぶった態度を みせるつもりが、生まれつき単純な性格が 災いして、魂胆とは裏腹に即答で答えてしまった。 うん!いいね~ と。 肩を並べて歩く2人を優しい風が包み込む。 遠回りして家まで送ってくれたボブ君の後ろ姿の なんとりりしいことか・・ しばし、この世で最高の幸せな時間を味わっていた Nobubuに、飼い犬のポチがまとわりつく。 そして、日曜日はやってきた。 その頃流行していたアイドルの髪形を真似、 サイドの髪の毛を充分すぎるくらいに流し、 後で怒りの雨が降るのを覚悟で、3歳年上の 姉の箪笥から無断で借用したスカートを履き、 心も足取りも軽やかに、Nobubuは待ち合わせで は有名すぎる場所、銀座のスクランブル交差点前 の有名デパート前に向かった。 浮き足立ち、はやる心の中には、なぜ最寄駅で 待ち合わせをしなかったのか?などというシンプルな 疑問も浮かばなかったNobubu。 銀座に降り立ち、少し歩いて、 スクランブル交差点を渡り始めたNobubuの足取りが 止まった・・・・・・・・・・・・・・ そう、丁度、横断歩道がクロスするあの魔の十字の 場所で完璧に止まってしまったのだ。 前方、某デパート前にたたずむボブ君を見た瞬間に。 あの遊園地の日からパワーアップしたと思われる 所々に穴のあいたジーンズ、しかも裾広がり。 通称 ラッパ!ラッパズボン・・・ラリパッパ~♪ Nobubuの時代より遥か以前に流行っただろうと推測 されるスタイル。頭には黄色いバンダナ・・・・ Nobubuの脳裏には、昔見た 中村雅俊主演のドラマが 浮かばなくてもよいのに浮かび、ぐるぐると回る。 そして、ボブ君の足元の大きな黒のギターケースを 確認したとき、Nobubuは仮死状態に陥った。 めまい・・魔の十字で足が完璧に止まってしまった。 しかし、現実は過酷だった。 Nobubuの耳に飛び込んでくる 信号が変わりますよの サウンド。 早くどうにかしなければ~ 引き返せ!くるりと踵を返し、とにかく引き返すのだ! 心の中でビリージョエルが叫ぶ。 人を見かけで判断したらダメさ、Nobubuちゃん、 君だって、ローラーズの衣装に身を包み、平気で 銀ブラしてたじゃないか、とディランの声。 引き返すなら、今しかないと引き返そうと思った その時、ボブ君に気付かれてしまった。 ありったけの微笑みと共に、 手を振られてしまった哀れなNobubu。 重い足を引きずり、ボブ君の前までなんとか 歩み寄ったNobubuに、ボブ君が告げる。 日比谷公園で、平和のために歌を歌ってきたんだ! じゃ、映画行こうか! Nobubuの頭の中で、ボブ・ディランと彼のもつ 強いメッセージ性がつながった瞬間。 言葉を失ったNobubuは、心の中で叫んでいた。 助けてぇ~ ヘルプ! S.O.S! メーデー と知っている全ての 緊急時の言葉を・・・ Fin エンドクレジット・・サウンドオブサイレンス。 この後のNobubuの記憶は、本当にブラックアウト している、20数年たった今でも、この後に 見た映画がなんだったのか、覚えていない。 思い出せないのだ。 覚えているのは、映画館に持ち込んだ黒いギターケース を見つめる迷惑そうな人々の視線、映画終了後に 食べたまずかったハンバーガーの味。 一瞬笑ったかと思われるお客さんたちの顔。 そして、怒り狂った姉の顔だけ覚えている。
2007.05.25
期待されていても、いなくとも ただ突っ走るNobubu のC級小説、第3章 最終章の始まりです。 第1、2章は↓ にありますので、そちらから先にどうぞ・・ 銀座の中心で嘆き叫ぶ! 第3章 前編 別れ (サウンド バイバイベイビー by Bay City Rollers) 深いため息と共にポエムを見つめるNobubuであったが、 その時、重大なことに気がついた。 ボブ君の後に、一体何人の仲間にこの日記が回っているのか? 状況によっては、明日からのさわやかな朝の登校のシーンが 灰色がかった風景になってしまうかもしれない。 Nobubuは、おそるおそる、ページを開いた。 ガーン! もしくは ガチョーン・・・ よりにもよって、茶化し名人O君に回っているでは ないかぁ~~~ しかも、O君の日記にはご丁寧に、唇を尖らせて ヒューヒューと言っている、イラストまでついていた。 お2人さん、お熱いこと~ ヒューヒュー めまいと共に気絶寸前のNobubu。 しかし、同時に、身体の中にみなぎる不思議な力を感じていた。 こんなオチャラケ坊主に負けたくない・・ そして、交換日記にポエムを載せたボブ君に対して、 抱いていた淡い恋心が急降下した瞬間でもあった。 それまでは、せまりくる受験のドサクサにまみれて ここで日記終了宣言!を出そうか? 勝手に止めて しまおうか~ などとも考えていたNobubu であったが、 切り返し作戦に出ることを決意した。 Nobubuは、かなり幼稚な文章だがインパクトが強いで あろうと思われる、ショックを受けた乙女風に書き綴った。 悲しいぃぃぃ~ ビリー・ジョエルの事を悪く言う人 なんて 大っ嫌い~~~~と。 時は過ぎ、卒業式の日。グループ交際の仲間たちで 大記念撮影が行われていた。 ポエム事件以来、しばらくは続いていた交換日記は 仲間内の明るくて元気な女の子、Nちゃんが記念に 貰いうけることになっていた。 あのポエムの日から、よそよそしい態度でお互い 接していたボブ君とNobubuだったが、最後には とりあえず、仲良く ピースサインつきで写真に収まっていた。 時はまたまた流れ、高校生として、毎日元気よく 学校に通うぴっかぴっかのNobubu。 抱負といえば、剣道部の憧れの先輩、防具を持つ 姿がりりしい、あの素敵な先輩と、どうにかして 同じ車両に乗りたい~~走れ~駅まで走るんだ! アンラッキーにも、同じ車両に乗れなかった日の夕刻、 明日の朝に期待をよせながら、先輩の顔を思い浮かべ 少しニヤニヤしながらチンタラ歩く、 帰宅途中のNobubu にそれは起こった。 前方50メートル位に、こちらを向いて、さわやかに 手を振るボブ君の姿が・・・ すっかりご近所だったことを忘れていたNobubu、 間抜けなNobubu、そして優柔不断なNobubu。 不覚にも、さわやかな笑みを浮かべるボブ君は かっこよかったのだぁ~~~~白い歯、少し焼けた肌、 黒い瞳。 めまい・・自分を呪いたい感覚。 近づいていくのが怖い、けど近づきたい。 様々な思いが頭の中をかけめぐるNobubuであった~ ・・・to be continued
2007.05.25
お待たせいたしました~ 第2章です。 第1章はすぐ下にあります、読んでない方は、↓そちらへ 銀座の中心で嘆き叫ぶ (ギザチュー 無理やり) 第2章 ビリージョエル (サウンドトラック ストレンジャー) あの遊園地の日から遡ること2,3ヶ月ほど前~ Nobubuは8歳年上のビートルズ好きの兄から、 誕生日に1枚のレコードをプレゼントされた。 モノクロのジャケット、 ベッドの上に座る一人の男の横に1つの仮面 ビリージョエルのストレンジャーのLPレコード。 美しいピアノの旋律に、Nobubuは15歳の誕生日から ビリージョエルの音楽に心を奪われた。 そして、来る日も来る日も、ビリージョエルを 聞いていた。 それから何ヶ月か後、みんなの楽しい日常が綴られた 交換日記がNobubuのもとに回ってきた。 あの遊園地の日からどれ位たった頃だったろう? 穴のあいたジーパンの事などすっかり忘れていた Nobubu は、受験が近づいてくるので、そろそろ この交換日記も終わりかな~ などと感慨にふけり ながら、前回の自分の日記の後から読み始めた。 何人かのお笑い系の日記を読みあさり、大笑いを していたNobubu の目に飛び込んできた文字・・・ Nobubuは自分の目を疑った。お笑いが全盛の 交換日記の中に、ポエムらしきものが・・・ そこにはこう記されていた・・ ビリージョエルが好きな君へ ビリージョエルの曲で涙してはいけない。 ビリージョエルの曲で愛を語ってはいけない。 そこには、真実はないのだから・・ 僕が君のために、ボブ・ディランの詩を贈る。 ボブ・ディランの曲で涙し・・・・・ (以下省略というか、覚えていない) Nobubuは超高速で兄の部屋に、ノックもせずに侵入し、 ボブ・ディランって、誰だっけ?と兄を問い詰めた。 兄は、このマナー知らずの妹に、嫌な顔ひとつせず、 ボブ・ディランについて説明してくれたが、 生まれつき、興味のない話題には全くついていけない Nobubuの耳には無駄な解説だった。 正直、自分の事を気にかけてくれているのか? はたまた、自分の思っている崇高な音楽を よく知ってもらいたいのか? ビリージョエルをけなしたいのか? 江戸っ子気質、白黒はっきり、シンプルさが売りの 3人兄弟の末っ子のNobubuには、頭の痛くなる ポエム・・ 3歳年上の姉に相談してみようか?という淡い期待 がNobubuの脳裏をよぎったが、姉とは インドターバン事件以来、嫌われている感が強く、 相談できそうにもない。(このエピソードはいつか~) Nobubuの頭の中では、兄のよく聞いていた 曲のワンフレーズが鳴り響いていた・・ ♪君とよく、この店に来たものさ~ ・・片隅で聴いていた、ボブ・ディラン~~♪ to be continued~ すいません、やっぱり、3章がラストってことで!
2007.05.24
最近、仲良くしてくださっているブロ友 ブルンボヨヨンさんの彼女を映画に誘う時という、 面白い日記を読んで、思い出しました。 というか、書きたくなりました。 映画にまつわる思い出、みなさまにもおありと思いますが、 私の初デートde 映画@銀座はかなりビターな思い出です。 以下↓C級小説風にお送りします。 銀座の中心で嘆き叫ぶ! 第1章 予感 (サウンドトラック ユーモレスク) グループ交際、この罪がなく、大人への階段の1歩めを 踏み出したような交流を楽しんでいた15の頃、 せまる高校受験へのプレッシャーを忘れるために Nobubuは、グループで後楽園へ遊びに行った。 総勢9人くらいのグループ、どちらかというと 男の子達は学校でもお利口さんグループに 属している。反する女の子達は個性的なユニーク 集団といった感じだろうか・・ いくらグループ交際とはいえ、何度となく交流をしていると、 お目当ての男のこ、女の子が出来るのは自然な成り行き。 お年頃のNobubu もその中のワイルドな風貌(ちょいと 草刈正雄似・・かなりひいき目)なアウトロータイプの ボブ君(仮名)に密かな恋心を抱いていた。 そして、問題のジェットコースター乗車時にそれは 起こった。 よりにもよって、人数調整の罠にはまり 本日最大のチャンス、カップル乗車を人数の 余った女子同士で乗る組になってしまったのだ・・ 失望のNobubuは、ボブ君の後ろ姿を、刺すような 視線で眺めるしか、術がなかった。 しかし、何か違和感を感じる。 なぜだろうとNobubuは考えた。 そうだ、制服じゃないから? いつもの黒の学ランとは違い、私服だった彼ら。 そしてボブ君の穴の開いたGパンとバンダナをじっと 見つめるNobubuであった。 ・・・to be continued
2007.05.24
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