型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2018.10.05
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テーマ: 新しい音楽(16)
カテゴリ: 新しいこと
サティがどうしてその業績を残せたかということです。
「ジムノペディ」がいかに名作であっても、
当時の時流としてはやはり後付けかと思うのです。

サティは論理的にそれまでの芸術音楽を否定し、
それを冒涜するまでの批判と風刺を表す音楽活動を行ったのです。
忠実に集まったのがフランス6人組でした。
急速に前衛化する1910年頃のフランス音楽界は、
ストラヴィンスキーをはじめとする新しい音楽が席巻し、
シェーンベルクは徐々に12音技法を確立するに至っていました。

そんな中、サティは音楽を残すというよりも、
反骨精神に満ちた音楽と言葉を残したわけです。

そのひとつを最近動画にしました。
サティの曲にどれほどの意味があるかはわかりません。
しかし、当時フランスで潮流に乗りつつあったシュル・レアリスムの画家、
ジョルジュ・デ・キリコが頭角を現したことを意識したのではないか、
曲からは曲想と関係ありそうで微妙に外すわけです。

その顕著な例がこのピアノ曲「干からびた胎児」です。
その中の「無柄眼類の胎児」がこの動画ですが、
楽譜には音符以外にコメントが書かれていて、
中には実在しない「シューベルトのマズルカからの引用」ともあり、
楽曲の内容よりもタイトルやこのコメントのギャップで曲が残っているのです。
この「干からびた胎児」の前の年にやはりピアノ曲である、
「犬のためのぶよぶよした前奏曲」を作曲し出版に際し出版社から断られ、
「犬のためのぶよぶよした本当の前奏曲」を続けて作曲しています。
この執念こそがサティの真骨頂ではないかとも思います。
サティはそれまでの音楽、また台頭した前衛をも否定し、
新しさではないその独特の主義を主張していたと考えられます。
決してパロディなどという単なるユーモアではないと確信します。

エリック・サティ/「干からびた胎児」より第2曲「無柄眼類の胎児」





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最終更新日  2018.10.05 22:41:59
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