型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2020.01.24
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カテゴリ: 芸術
AIがさまざまな仕事に台頭し多くの人が失業するだろうと言われる中、
人類は本当にAIに託せることをすべて託すのでしょうか。
人はそれぞれに得意とすることが異なり個性も異なるわけです。
単純作業が得意な人、計算が得意な人はそれを活かして個性を発揮してきたわけです。
人の尊い才能をAIが肩代わりした時、その才能を持つ人の育んだ努力はどうなるのでしょう。

この半世紀で世の中の発展は著しかったわけですが価値観も大きく変わりました。
以前は価値が高かったことの価値がなくなり、善悪ですら反転しました。
例えば、原子力が生まれた時に発電に役立つと共に兵器にもなりました。
兵器としては規制ができましたが、発電にも規制が加わろうとしています。
しかし、原子力と共に電力が生活に何よりも重要なインフラとして発展しました。
何が起ころうと今すぐに原子力をなくすことはもうできないのです。
さらに、問題として地球温暖化が加わり、二酸化炭素を排出してはいけない、
日本の発電は火力ではなく現状原子力しかないのです。

5G、6Gの世界は医療を始めざまざまな局面で世の中に進化をもたらすでしょう。
しかし、AIは本当に人類を良い方向に導くのでしょうか。
人が働かなくなる、働けなくなる世の中が良いとは思えません。
コミュニケーションが問題化される現代で、さらに人同士の触れ合いがなくなります。
また、AIがどのようにプログラミングされるのか、間違いは起こさないのか、
世の中の機智や芸術性が削ぎ落とされるのではないかと危惧を感じます。

おそらくAIに不具合が出たとしても、すぐにAIなしには成り立たない社会になるのです。
自らの発展で自らの新たな問題を起こしている人類に学習能力はないのでしょうか。

でも、世界の国々を見渡してみると意外なことに気がつきます。
発展と権力を争っている国のことが目立つのは確かですがそれだけではありません。
例えば、昔のままの生活を営みながらもスマホが普及している民族もあります。
つまり、便利なものは採り入れるが生活は昔のままのあり方を守っていたりするのです。

発展させることに夢中になり、人々の本来の生活や営みに浸透しないまま広がっていくこと、
それは一部の人たちの企てや思惑によって広がっていくことかもしれません。
しかし、その発展や可能性を美徳と感じて賞賛する人があまりにも多いのです。
このことはクラシック音楽の発展も同じことが言えるかもしれません。
音楽の中で芸術が培われ、アカデミックな理論として確立されていったことまでは、
美学として認識でき実際の音として、効果として確認できます。
ただ音楽史の上で、途中で現れた12音技法やミュージック・セリエルは数学的な音楽で、
AIのもっとも得意とする音楽、AIがとって変われる音楽ではないでしょうか。

シェーンベルクや最近ではイサン・ユンの作品においては、
ひとつの作品の中で1%程度のイレギュラーなセリーの用法が見られますが、
そのイレギュラーな箇所がなぜ起こりえたのか、聴いても確認することは不可能で、
その意味を解明することはタイムマシーンでも作られない限り解明されず、
今の音楽事情や音大の内情から考えてそれが研究されることはまずありえません。
それほどに、世の中の音楽シーンは12音技法と離れてきているとも言えます。

では、調性音楽に目を向けた場合はどうか?
これもAIにとって変わられる可能性が高いと考えられます。
子供や若者が音楽を嗜むことが増え、それに合わせた音楽が多いからです。
曲にはイメージを想わせる体裁の良いタイトルが付いていますが、
音楽的な内容や構造はどの曲もあまり大差のない大衆向け音楽が増産されているようです。
没個性による音楽のパターン化はひとつの様式やジャンルを形成しつつある勢いですが、
それがクラシック音楽の芸術性や尊さと比較しうるほどのものではないと考えます。
画一化された音楽や表現の中では、人の創造力を真に育むことにはならず、
AIでも作曲できるものになってしまいます。





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最終更新日  2020.01.24 09:18:12
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