型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2020.06.23
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カテゴリ: 今だから
COCOAという厚生労働省が開発した新型コロナウイルス接触確認アプリ ​を、
ダウンロードできるようになった6月19日から試しています。
接触したからと言って必ず受診や検査ではなく症状や環境に応じて、
その後どうすればいいのかという指示が出ます。
個人情報は守られ名前などの登録もありません。
ただ、まだ開発途上で不具合も多いようです。

このアプリの普及率は23日現在392万件で3%だそうです。
確実に機能するするためには国民の60%の登録が必要のようです。
また、感染するとわかると言っても一度感染した人が登録しなければ機能しません。
ヨーロッパでより被害が甚大な国々でも数%しか普及していないと聞きます。

濃厚接触したかどうかの条件は感染者が1m以内に15分以上いた場合だそうです。
一般的には電車に15分以上乗った場合などが考えられますが、
濃厚接触した感染者が特定できる可能性が高いのではないでしょうか。
電車内などのように他人のこともあれば知人のこともあると思います。
また、お店の店員などであれば会わないように足が遠のくことも考えられます。

結果として、わかることによって都合が悪いことも多いでしょう。
感染者の登録はリスクがあるかもしれません。
いずれ意味があるのかどうかという議論が出ると思います。

しかし、このアプリの意味はまだ別にあると思います。
不安や恐怖に取り憑かれている人の一時的な安心が得られることです。
実際の感染者数やダウンロード数から考えて、このアプリに表示されるのは、
半永久的に「感染者との接触はありませんでした」でしょう。
その精度がどうであれ、つかの間の安心感は得られると思います。

このアプリが普及するかどうかは、
新型コロナウイルスを本当に怖いと感じているかどうかの試金石ではないでしょうか。
本当に怖いと感じていたら皆ダウンロードすると思いますが、
自粛を強いられ緩和された今になってもう辟易としてきたとも考えられます。

ところで、新型コロナウイルスが収束して生活がある程度もとに戻ることがあるでしょうか。
できるかできないかで言えばできるようになると思われます。
ただコンサートのようにお客を集める場合は、以前も書きましたが、
座席に間隔を空けなければならないためスタッフの準備に多くの負担がかかります。
コンサートホールの場合はお客が少ないと響き過ぎのうえ採算もとれません。
ステージが狭いと奏者間の距離も取れません。

そしてお客が以前ほどは来ません。
今、いちばん怖れられていることはウイルスに感染することそのものよりも、
感染したことが職場に知られることではないでしょうか。
職種によっては職種そのものにもダメージが生じることもあり、
感染した本人はポジションを失うことにもなりかねないわけで、
職を賭してわざわざ人の集まる場には行きたくない人も多いと見られます。
これは奏者側にも同じことが言え、感染してしまったら何週間も休まざるを得ず、
他の人にも迷惑がかかるためにダメージが計り知れません。

国内のプロオーケストラが再開し始めましたが、
本来、個人練習はより離れて音を出すことが望まれ、
合わせる時はより近づいて演奏するのが理想であり、
今はその反対を迫られていますが、とにかく再開したいということだと思います。
しかし、とりわけ音大はただでさえ練習室が切迫しているうえ、
教育上難しい対応をせざるを得ないことや環境による制約がかなり増えたと思われます。

SNSで見ることは本当に等身大の人が垣間見られます。
日本古来の謙虚さが失われたのもSNSが普及してのことでしょう。
ひと昔前は理想の音楽を目指してそれなりのものしか演奏できない時代がありました。
今は音楽の質は問わずできることは何でもやるようになりました。
いくらできるからと言ってもかの大先生は同じことはしないはずです。

音楽の尊さ、人が芸術として成しえる素晴らしさをなくして欲しくないのです。
今聴きたいのは、少し前までは普通に聴けたベストコンディションで演奏された音楽です。
そうでない音楽はしばらく静かにしたほうがいいかもしれません。
それでできるんだと思われるのはあまりにも残念で、芸術を犠牲にしてはならないのです。
いかに従来の環境を取り戻せるか必死で考えなければならないのです。





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最終更新日  2020.06.23 22:35:57
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