型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2021.09.01
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テーマ: 作曲(9)
カテゴリ: クラシック音楽
つい最近、昔お世話になった先生がLPレコードを買ったという記事をSNSで見て、
「家にたくさんあるのでリクエストがあればお譲りしますよ」と書いたら、
「全部」欲しいとおっしゃったので400枚弱だったと思いますがお譲りしました。
これまでヤフオクで売っていましたが、最近は売れなくなってきていました。

レコードが今ブームで古いレコードを洗浄をする人が増えてきているようです。
クラシックではいろいろな演奏が新しく出るものの名演と言われるのは、
どうしても昔の演奏が挙げられ最近の録音演奏が長く取り沙汰されません。
これは作曲作品も同じで、たくさん出て来はしますが再演率は依然低いようです。

不思議な話ですが、良いものがないはずはなく注目されないのです。
数十年前に売れ筋は確定してしまいそれを上回るものが出なくなった、
と言うか出さなくなったと言うのが正確だと思います。
売れるものが良いもの、需要のあるものが良いものという世界が今は全盛なのです。

この社会のあり方は1900年初頭のベルエポックのパリとは全く異なる点です。
皆がさまざまな芸術分野に日常的に接し忌憚のない意見を出し合っていた時代です。
音楽でその礎になったのがガブリエル・フォーレで、
時代の節目として新しい音楽が発表される中でもクラシックの伝統を橋渡ししました。

フォーレの室内楽の中でも2つのピアノ五重奏曲は1900年以降の傑作です。
その魅力は、曲中よく見られるピアノの分散和音を伴った弦楽器のユニゾンという、
極めて古風な手法を何にも変え難い魅力として後世に伝えたことです。
弦楽器のユニゾンは、水を得た魚のように奏者を奮い立たせるのです。

そんなピアノの分散和音の中で現れる弦楽器のユニゾンから、
高次倍音が女神の声、あるいは心霊現象のように聴こえる箇所があります。
フォーレが狙って作ったどうかはわかりませんが、
主題が再現する際の劇的に高揚した時、それは現れます。

ピアノ五重奏曲第1番ニ短調作品89の第1楽章の再現部の一部分で、
フォーレが聴覚に異常をきたしていた頃の作品として興味深いです。
5分49秒 ちょうどの4拍目から4分音符でファ-ミ-レと高い倍音の声が確かに聴こえます。
4拍目でチェロ以外の弦楽器は皆一瞬ファの音を奏しています。

克明に聴き取るためにできるだけ大きなスピーカーで耳を澄まして聴いてください。
少し前から聴かないとよくわからないと思います。
オーリン弦楽四重奏団、ピーター・オース(ピアノ)
ひとつめの動画

この現象は同じ演奏の録音を他の人がアップした動画でも聴かれますので、
後から加工したりデータ変換で偶然起きたことを証明しています。
同じ演奏ですが音はこちらの動画のほうがいいです。
ふたつめの動画

自分はこの演奏を聴いた時にとにかく気持ちが晴れます。
救われるという心持ちになれるのです。
このように心が洗われる、特別な作用を及ぼす曲が作れたらと思うのです。
1997年の録音ですが、これをもしレコードで聴けたらより凄いのではないかと。





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最終更新日  2021.09.01 20:12:52
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