型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.08.29
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カテゴリ: 強かに生きる
食べ物を紹介する番組である農家のニンニクを紹介していました。
その農家の主人は一言二言でしたが収穫したニンニクを紹介しました。
そのニンニクを使った料理が何品か紹介されタレントが感想を言います。
基本的には「美味しい!」と言うことに違いはありませんが、

「ニンニクが効いてますね!」
「やっぱりニンニクは美味しいですね!」
「もうたまらない!」
「ギンギンになれる!」

などのアピールが次々と飛び出します。
これを見た視聴者は「美味しそう」「自分も食べたい」と思うはずです。
このニンニク料理はどのように作るのだろうという興味も湧きます。
ただ、ニンニクを提供した農家さんはショックを受けたかもしれません。

なぜなら、世の中に流通しているニンニクの宣伝にはなっても、
自分たちのニンニクが評価されていることにはならないからです。
農家さんはこんなに美味しいニンニクはそうはないという自負があるのに、
他の多くのニンニクと一緒に扱われたかのような落胆は大きいと思います。


最近、とある小さなピアノのコンクールの採点をしました。
自分は作曲が専門ですから課題曲の楽譜の表していることを解説しました。
ピアノの先生は作曲家の分析的な楽譜の読み方が興味深いようです。
ずべての演奏が終わった時に10分の講評を話しました。

”目から鱗のような話だった”とお褒めの言葉にあずかりましたが最後に一言。
「ピアノの◯◯協会はだからコンポーザーピアニストを優遇するんですね。」
この言葉ももちろん褒め言葉。しかし、自分はピアノをそれほど弾かないし、
楽譜から読み取れることをわかりやすく聞けるように話しただけなのです。

しかし、その話は自分よりも他の組織を肯定する結果になっていました。
どのように曲を読み取るか、それが演奏に役に立つかどうか、
話がわかりやすいかどうかは人によって異なるわけで同じではありません。
このひと言が誉められた喜びから瞬時に裏腹な気分に変えました。


「誉めて育てる」と盛んに言われ出してから久しいわけですが、
こどもであっても本気で誉められているかどうかは直にわかるようになります。
単なるルーティーンとして誉められることはペットの躾のようなもので、
誉められることに慣れると、他の人にも誉められないと苛立ってしまいます。

今回の場合では、ニンニクの違いなどわからないというタレントの率直さ、
他の人に当てはめて気づきを説く先生の自尊心、そんなことを感じました。
しかし、懸命に頑張った人を本当に認める気がない人と関わっても、
いつも誉められるだけでいつまで経ってもご褒美がもらえることはありません。

上司や先生などが自分を認めていく気があるのかどうかは人生で大きなことです。
結果を出しているのに置かれている立場が変わらず下っ端から抜け出せません。
しかも”誉められる”ことでうまくいっているかのような錯覚にも陥ります。
能力に関係なく出会う人や環境によって人生の可能性が全く異なってしまいます。

「誉めて育てる」のではなく「誉めても育てない」人のほうが圧倒的に多いので、
夢が叶うとその人を信じ続けるか、育てる気はないと判断するかは常に急務です。
自分の能力を他で活かせるなら他で、他になければ関わり方を決めることです。
悔しいけど弱者であることを実感したり、明らかな格差を認識する局面です。


能力を観る尺度として流行っているのがコンクールやコンテストです。
誉める=賞を与えることですが、その後に育つことができるのかが問われます。
昔は”箔をつける”ためと言われましたが、鍵は受賞者を誰が育てるのかです。
発信力があれば視聴者が育てますが、結局能力に比例しているとは思えません。

生まれてから大学までの育ち方は国、家庭環境、学歴、周りの人によります。
幼い頃から格差は起きます。が、世の中に惑わされずに強かに生きるべきです。
日本の場合は同調圧力に負けずに、自分の居場所を持つことだと思います。
それには、誉める・貶す関係なく心から話せる人を増やすことです。





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最終更新日  2022.08.30 00:32:23
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