型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.12.10
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カテゴリ: 芸術
作曲にしろ演奏にしろ目的が明確にあっても、
それが音楽としてアカデミックに良いとは言い難いです。
音楽にこうでなければならないということはなくても、
良い悪いの尺度やこうあるべきという絶対性があります。

しかし、それよりも「(コンクールなどに)勝つため」
「自分たち(演奏者もしくは作曲者)が楽しむため」
「ウケ狙い、人気を得る、聴衆を増やすため」「仕事のため」など、
目的がはっきりわかるようになってきました。

では、儀礼的な「君が代」や校歌などはどのように演奏するのか?
この10年くらいを見ても、「君が代」が演奏される機会は減り、
国家的もしくは国際的な催しの演奏をテレビで見る時くらいです。
中でもオリンピックを始め、国際的なスポーツ大会が多いです。

「君が代」の演奏されるテンポはこの10年でも速くなってきました。
旧来の編曲ではスネアドラムが入っていましたがさすがにそれはなく、
編曲もいろいろなものが聴かれ、一時期は無伴奏で芸能人が歌うなど、
他国の国歌が日本人歌手によって歌われることもありました。

他国で演奏される「君が代」の編曲が日本で聴かれるものと違えば、
日本人が聴けば違和感を感じるはずで、外人が歌えば尚更です。
世界的に機能的な和声が欠片もない「君が代」は個性的です。
日本人以外が歌えばかなりの違和感が出るはずです。

最近は、テンポの変化だけでなく質の低い編曲や演奏が増えています。
「君が代」の音楽的な本質や意味をわからない人は多く、
無理やり西洋的な和声を当てはめようとした編曲を聴いた事もあります。
「君が代」は日本の特異性を個性的に顕している象徴とも言えるのです。

今年のサッカーW杯の「君が代」もテンポが速すぎました。
「君が代」は旋律線から強弱の変化が自然に表れるもので、
従来の編曲ではフレーズの終わりに下声部の動きがあるため、
ディミヌエンドしながらの声部間バランスを取ることが難しいです。

テンポを速くすることで演奏はさらに難しくなると同時に雑になります。
録音や大きなスタジアムで流すPA装置の問題を加味しても、
W杯の「君が代」演奏はよくありませんでした。
さまざまなイベントで流される国歌の意味はどこにあるのでしょうか。

時に他国の国歌で感動することもあります。それは曲がよいからです。
他国の自分がそう感じるのですからその国民としては誇りだと思います。
日本人が「君が代」を誇りと感じるのであれば演奏にもこだわるべきです。
YouTubeで聴くといろいろな「君が代」を聴くことができます。

旧来からの編曲でバランスの良い演奏

テンポが速めの2019年のラグビーW杯

2021年の東京オリンピック閉会式

東京オリンピックの閉会式は宝塚歌劇団メンバーによる歌唱でしたが、
アンサンブルや声質で言えば特にいいとは言えません。
世界に向けて披露するのであればプロの合唱団を演出して、
ヨーロッパのクラシック音楽文化に通用する質にしてほしかったです。

「君が代」はテンポが他の国歌に比べて遅いわけですが、
諸外国はそもそも国家の演奏時間などは気にしていないと思いますし、
日本人が誇りとして世界に発する演奏をしてもらいたいと思います。
同じことを考えている日本人はたくさんいる筈ですから。





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最終更新日  2022.12.10 20:00:57
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