存生記

存生記

2009年10月19日
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「Uボート ディレクターズカット」のDVD。「Uボート」は二回ほど見た記憶があるが、ディレクターズカットだったかどうかは定かではない。おそらくディレクターズカットではなかったのだろう。今回けっこう新鮮に見ることができた。

 司令部と現場のコントラストが凄い。激戦を生き延びた士官たちが渡航地のパーティに招かれたときの場面では、場違いな雰囲気が戯画の域に達している。潜水艦の生活はパーティ的な華やかさの対極にある。映画は臭いまで伝わってこないが、この映画からは潜水艦生活の悪臭に満ちた生活が伝わってくる。息苦しく緊張に満ちた生活で、音楽などの娯楽がどんな風に楽しまれていたのかもよく描かれている。よく言われることだが音楽に国境はなく、好きな曲に国籍は関係がない。

 ニヒルな艦長のキャプテンシーにはつくづく感心する。『白鯨』の船長のようなデモーニッシュな情熱に突き動かされるときもあり、単なる優秀な軍人ではない。だがこのニヒルな構えがファシズムのシステムを潤滑に機能させたのかと思うと、これでいいのかという問題は残るが、現場としてはやりようがなかったのだろう。自殺的な作戦を命令されながらも、知恵と勇気を振り絞って生き延びてみせる。そのことで「システム」に一矢報いたと満足したのであろう。一矢報いたあとには過酷な現実が待ち受けていたわけだが。





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最終更新日  2009年10月19日 16時53分13秒


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