存生記

存生記

2010年01月21日
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「イングロリアス・バスターズ」を恵比寿で見る。ブラット・ピット率いるアメリカの特殊部隊は、インディアンのようにナチスの頭皮を剥ぐ残虐集団。とことんアホっぽく野蛮に描かれている。「テッド・ウィリアムズ」や「フェンウェイパーク」といった固有名をわめきながらバットで殴殺する米兵などアメリカの戯画の最たるものだ。それに対してドイツ、イギリス、フランスは、会話にせよ飲食にせよ映画の趣味にせよ「文化的」に描かれている。復讐のやり方も凝りに凝っている(例によってというべきか、イタリアはコミックリリーフ的な役回りだ)。

 ユダヤハンターのドイツ人大佐と追われるユダヤ人美女のキャスティングが見事にはまっているので、長尺でも退屈しない。大佐は、ヒトラーやゲッベルスよりも厄介な悪を体現している。主義主張に縛られることもなく我欲だけの悪党だ。呆れるほど語学も達者で万事において臨機応変に行動する。洗練された悪が最後に「野蛮人」とどう対決するかも見物である。リアリズムにこだわった作品でもないので、史実と異なる展開は読めず緊張感がある。

 映画を見て帰ろうとしたら、ホームで人身事故があった。非常ベルが鳴り響き、電車のドアが開かず、中の乗客は閉じこめられている。「目撃された方は…」というアナウンスが聞こえてきた。目の前の電車のどこかの車両と線路に誰かが挟まれてぐしゃぐしゃになっているのかと思うと気分が悪くなった。映画館の外も血なまぐさいことを再認識した日だった。





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最終更新日  2010年01月21日 23時31分35秒


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