存生記

存生記

2010年12月24日
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「トロン レガシー」を新宿で観る。前作「トロン」はCGが革命的だというので大いに話題になったものだった。今回は3Dも物足りないくらいで、もはやそういう段階に映画が突き進んでいることを感じさせる内容だ。走行する、飛翔する、闘うといった3Dがはえるシーンもちょっとやそっとではもう驚かない。むしろ前作と似たようなコンセプトの仮想世界は懐かしさすらおぼえる。このブログのサイトのように現実世界は広告まみれであってもおかしくないが、このトロンのヴァーチャルな世界は、シンプル極まりない美意識に貫かれており、どこか「沈鬱な」とでも言うべき暗さには、昔のビデオゲームの飾り気のなさに相通じるものがある。

 前作の主人公が父親になり、息子が幽閉されている父親を助け出そうとする。この父親と対立する悪役がおもしろい。父親の若かりし頃の風貌をCGにして別の役者の身体に合成して作っている。若返りもCGで自然に作れるようになった。妙にくっきりした没個性の若々しい美男美女たちが画面に溢れる世界は、すでにCGを使わずとも日常的にテレビで実現しているが、これからは成長した生身のキャラクターも時間を逆回転するかのように若返りする。

 すでにネット世界でソーシャル・ネットワークが張り巡らされ、現実世界と連動しながら世の中は動いている。タレントの「つぶやき」で大騒ぎになったりする。トロンの描いていた仮想世界は、もはや「未来感」が感じられない。コンピューター・プログラムによって発生したかのように我々は生まれ、行動し、ゲームをさせられ、選別される。とにもかくにも「トロン」の主人公は悪夢のような仮想世界から帰還し──しかも美女が一緒についてくる──朝日を眺めて再出発を決意する。なんともお気軽な身分なわけだが、だからこそ娯楽としてはちょうどいいのだろう。





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最終更新日  2010年12月27日 00時59分18秒


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