能登の手染め日記

能登の手染め日記

May 24, 2017
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カテゴリ: 染色
輪島塗で使うウルシの木から採った乾燥チップは黄色味を帯びていた。黄色が染まる、誰もがそう思った。予想通り確かに黄色は染まった。

しかし、誰がウルシ木材のチップを使ってピンクローズを染めることができると思っただろうか?そして、その色が耐光堅牢度3級という試験結果の良い染料だと、誰が想像しただろうか?(^^)


中央が現在染めた中で最も明るいピンクローズ(銅媒染:国産木綿布)
ピンクローズという表現は暫定だけど該当する色名が見当たらない

草木染めの色を染めるとき、多くの場合(1)古くから使われていて良い染料というのを使ってみる。これらは染料店から買うことが多い。そして(2)染色のテキストを参考にする。そのマニュアルに従って色を染めていく。更に(3)自分で新たな植物を染めてみる。

というのが一般的な進み方になり染め液を加熱20分ほど染める方法が多いが、その根拠は示されていない。上のウルシ色はフラボン系なので、木材学会の資料では沸騰状態で30分間染めるのが良いというデータが示されている・・・室温から染めて沸騰するだけでも長い!(笑

だが、そこから染めを進めると、もっと楽しくなる。新しい色に出会うと、もっと嬉しい。もっと工夫して(4)新しい染め方を見つけると凄く楽しい。更に、(5)染めた色を工業試験場などで調べて貰うと、ものすごく面白い・・・いや、落ち込むこともあるが(^^;)今回のウルシは「ものすごく嬉しい」に該当する!(笑)

実際、マニュアルに良いと書いてあった染料が、試験を受けてみると耐光堅牢度3級未満と出ることがある。この耐光堅牢度というのは染められた繊維の色褪せを等級化する試験で、一般的に使用する衣服の光への耐性が低いものを3級未満、そして3級より堅牢な程度を4~7級と検査し表示する。

摩擦や汗、洗濯や酸やアルカリへの耐性も試験し、衣服などの品質基準とされている・・・ これを知ると、え?どういうこと?その染め方で良いのだろうか?という疑問を持つことになる。

単純に言うと、昔は20回や40回の染色工程を繰り返し、何度も色を染め重ねて長持ちする色を出していた。生地が傷むまで染め直しも行った。今は、短時間で染める方法もあるし、インスタントで濃くする方法もある。体験コースのそれも、自然の楽しみ方だと言えるかもしれない。

自然とは便利な言葉だし価値観は色々だから、それで良いとも言う。趣味で楽しむことを否定するものではない。確かに、自然というイメージは豊かで良い。

そして一方で自然から今回のウルシのように今まで染めることのなかった色を、工夫次第で見つけることも出来る。こうして楽しむだけではなく、偶然ではなく、探し続けると手に入れられることもある。

創作の魅力は、ここにある。そして、ものづくりの面白さが、その先にある。どこにもなかった染めを行い、品質を高めて魅力的な模様を表現することができるなら、染めものを創作する者として、この上ない喜びになるのだと信じて進むことができる。

ウルシ木材のピンクローズの染め色の先に、未知の世界を拓く何かがある・・・かもしれない(^^

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Last updated  May 24, 2017 07:42:19 PM
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