人とロボットの物語

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毘夷零

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2006.11.27
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カテゴリ: 機械仕掛けの天使
「そろそろ時間、行くぞ!」
俺は相棒に声をかけた。
「わかりました。」
相棒は言われたとおりに、車に乗り込んだ。
俺達は鈴木さんの家に向った。

一時は危篤状態だった鈴木さんだが、奇跡的に持ち直して自宅に戻ることが出来るようになった。
ただ、完治した訳ではなく、いつ容態が急変してもおかしくないそうだ。
医学的には、こんな元気な状態は有り得ないそうだ。
医者もこれから先、鈴木さんがどうなるか予想が付かないそうだ。
相棒が娘だと勘違いし、その相棒が言った「いつまでも一緒だ」と言う言葉で今まで何十年も気に病んで事が解消されたのだろう・・・

俺達は、また鈴木さんの介護をする事になったのだが、相棒が実は娘ではなく、更にはロボットだと言う事を感づかれてはいけなかった。
もしも、鈴木さんがその事に気づいたら・・・・
たぶん、鈴木さんを支えていたツッカエ棒が外れて何が起こるか分からない。
最悪、死んでしまうだろう。

俺は今まで以上に鈴木さんに対して神経を使う事になった。

そんな俺の心配には関係無く、相棒は相変わらず失敗を繰り返していた。
その度に俺は相棒がロボットだとバレないかと焦っていた。
そんな状況でも、鈴木さんは日に日に元気になり、ある程度は自分の事は自分で出来るようになっていた。
やがては相棒の失敗をフォローするくらいに元気になった。

そんなある日、会社に鈴木さんが男を連れてやって来た。
俺は応接室に呼ばれた。
「失礼します。」
俺がそう言って部屋に入ると俺の上司と鈴木さん達が何やら真剣に話していた。
「まぁそこに座りたまえ。」
上司が俺に言った。
「何でしょうか?」
俺は上司に聞いた。
「こちら、鈴木さんのお知り合いの弁護士の浜田さんです。」
そう上司が言うと、弁護士は
「始めまして。浜田です。」
と言って俺に名刺を渡した。
「この度、マイコさんを買い取りたいと思いまして。」
そう弁護士が言ったので俺は慌てた。
そんな事言ったら相棒がロボットだって事が鈴木さんにバレルじゃないか。
「な・な・なんの事ですか??」
と一生懸命ごまかした。
そんな俺に
「ありがとうございました。あなたが一生懸命にマイコの正体を隠してくれた事分かってました。」
そう鈴木さんが言った。
「え?!」
俺は言葉が詰まった。
「鈴木さんは、マイコさんがロボットだって言う事は分かっています。
 その上で、鈴木さんはマイコさんと暮らしたいと願ってらっしゃるんです。」
弁護士がそう説明してくれた。
それで会社に来たわけか・・・
「事情は分かりました。しかしそれは会社に言う話しで私には関係無いと思うのですが・・・」
俺はそう言った。
「正直マイコは完璧に仕事をこなせるとは思えません。私も今は何とか動けますが、
 いつまた動けなくなるか・・・」
そう鈴木さんが言うと、すかさず弁護士が
「そこであなたに鈴木さんの専属ヘルパーになっていただきたいと言う訳です。
 一応、マイコさんフォローも仕事に含まれます。」
と付け加えた。
「この頼みを引き受けてもらえないだろうか。頼みます。」
そう言って鈴木さんは頭を下げた。
そうまで言われたら断る訳にはいかない・・・
どうなるか分からないが、その仕事を引き受ける事にした。
正直に言うと、相棒と鈴木さんがどうなるのか?その結末を見たいと思っていた。





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Last updated  2006.11.27 19:30:46
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