家曜日~うちようび~

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2020.11.03
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公(おおやけ)と、私(わたくし)。

あくまで僕の場合ですが、

これまでの半生を振り返ってみても、

仕事で、家庭で、人間関係で、

あらゆる場面において 「私」 の自分ってのが、

自身を成長させ、何かしらの成果を掴む原動力となったというケースは、

極めて少ないと記憶しています。

てか、一度もないと言い切ってしまっても、ほぼ差支えないのですが、

すっかり忘れている希少な事柄もあるやもしれぬので、

この場合、念のため「極めて少ない」と記しているわけです。





プライベートな、ありのままの、本来の、正直な、内なる、もって生まれた的な、

みなさんは、そんな「私」が好きですか?

みなさんの「私」は、自分を成長させてくれてくれる存在ですか?

僕の「私」は、頑固で、偏屈で、自堕落で、ずる賢く、向上心のない、ロクデナシなので、

僕は自分の「私」が、あまり好きではありません。

けっこー嫌いです。

正直彼とは、あまり関わりたくありません。


例えば、仕事で、家庭で、人間関係で、

眼前の難局に立ち向かわねばという時に、または、立ち向かっている真っ只中に、

いつだって「私」の野郎がひょっこり顔を出し、僕に囁くのです。

こんなことして何になる?

そこまでする意味がどこにある?

なんの得がある?

いくらになる?

つらい。

キツい。

休みたい。

逃げたい。

そして、とどめの決め台詞。

一度きりの人生、自分らしく生きよう。

やりたいことだけやって、楽しく生きよう。

これ、僕ら世代の成功者が、執拗に宣う悪魔の囁きですね。

もとい、今の時代は、天使の囁きか。





そんな時、必ず「公」の自分が颯爽と現われ、僕を叱咤するのです。

僕の「公」は、

「世の為、人の為に生きよう」的な、「社会人として、この国や地域に貢献しよう」的な、

そんな、もっともらしい説教はしないヤツなんだけれども。

ただ、いつもぶっきらぼうにこう言います。


自分らしく生きる。

やりたいことだけやって生きる。

楽しく生きる。

人は、そんな欲の無い生き方をしてはいけない。

人は、もっと欲深くあるべきだ。

自分らしい生き方も、自分らしくない生き方も、

やりたいことも、やりたくないことも、

楽しいことも、楽しくないことも、

生きているうちに、片っぱしから根こそぎ体験し、

惜しみなく、徹底的に自分を使い切る。

それこそが贅沢な人生だ。

やりたいことだけやって生きる?

そんな謙虚な生き方をしている暇はない。





そんなこんなで、長らく「公」の自分ばかりを奮い立たせて生活していると、

かつては、先ず「私」の自分ありきで、

社会に出向く時にだけ、家の玄関扉の前で「公」を身にまとっていたのが、

いつしか、「公」の割合が、自分の大半を占めるようになり、

気が付くと、家路辿り着いた玄関扉の前で「私」を身にまとっている自分がいたりする。

べつに、この感覚は嫌いじゃない。むしろ着心地は良い。

そして、この感覚は決して特別なものではなく、ある一定の社会人は普通に持ち合わせていると思う。

時代がこういった発言をはばかるから、あえて言わないだけであってね。



兎にも角にも、

プライベートな、ありのままの、本来の、正直な、内なる、もって生まれた的な、

そんな自分だけが、本当の自分じゃないってコトよ。

「公」のミーも、「私」のミーも、どっちも本当のミーざんす。





以上、色づき始めた京都は嵐山「天龍寺庭園」の風景と共に、はんなりとお送りしました。



仕事の方は、相も変わらずバタバタですが、

歩む姿は、しゃなりしゃなりと行きたいものどす。





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最終更新日  2020.11.08 21:48:21
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