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ロッカー の中
職場の同僚が俺の元部下のロッカーから音がしたので振り向いた。ロッカーが開いてる。荷物の入れ方が悪く荷物が雪崩のように崩れ落ち、ロッカーのドアが開いてしまったのだ。
同僚はこのままにするのがイヤなので親切で荷物を入れた。入れてるときロッカー内の天井部を見て彼は仰天。
なんと・・・
天井には複数の張り紙。字が書いてある。
「おれ、いがい、あけたら、呪いが、ふりかかりますように」
と「呪」だけが漢字だったと言うのだ。
その警告は一枚だけ。他の張り紙は「変な絵ばっかりで目玉の絵の周りに「人」と言う漢字が複数書いてあったのや、紙中、紫色の渦巻きの絵とか・・・とにかく理解できない様な絵ばっかり。気持ち悪いんだよ。それとなんか文字みたいなのがあったけど、あいつ自分の父親や今の総理大臣の名前も知らない、あの馬鹿がヒンドゥーやイスラム文字なんか解るワケがない。多分、自分だけ解る絵文字だと思うよ。」と彼は職場に誰も居ないのを確認して俺に報告してくれた。
元部下はいつも通り何か暗いオーラを出し仕事をしていた。
彼はそろそろ異動か転職を考えてるらしい。
地下病院
俺と同じくタイに興味持つ人から聞いた話。彼は30代で旅好き。特にタイは大好き。彼とは実際三回くらいしか会ってない。そしてこれから語るのはその最後に会った日に聞いたお話。
彼は今から5年くらい前、タイレストランで知り合った50代くらいのタイ人のオジサンと仲良くなり、オジサンが「もし身体が悪くなったら安くて良い病院教えようか?何でも治すよ。」と言ってきた。
「どこに有るんですか?」と彼が聞くと「カラダ、悪くなったら教えて。その時、連れて行くから。」とそのタイのオジサンが言ったのだ。
ある日、彼は試しにそのオジサンに電話して「身体が悪い。例の病院連れてってください」と嘘を言ったら「夜になったらまた電話する。」とオジサンが言った。
夜?彼はそこでオカシイと思った。24時間やってるのか?
しかし、いくら待っても電話は来ない。
「忘れたのかなと思ったよ。でも来ましたね。」
夜の10時ジャストにオジサンから電話があって。「前、出会ったタイ料理屋の前来て。」と言うのだ。彼は興味津々。速攻行った。
店の前に行くとオジサンの他に3人のタイ人男が居て皆、口々に「パッ。(行くよ)」と言って、しばらく歩かされた。会話がないのである。彼が話し掛けても皆、頷くだけでる。
ホテル街があって、金髪の外国人の売春婦達が立ちんぼし、中東系の外国人が座り込んでお話したりしている所を通り過ぎた。
「そこまではドコだかは把握出来た」と彼は言った。
オジサンが途中で「目隠しする。OK?」と言ってきた。彼は「何で?」と聞くと他のタイ人が怖そうな顔&片言の日本語で「早く早く」と言うのだ。
「怖いですよ。なんか普通じゃない。でも興味あったから言うことは聞いた。」
するとオジサンが手を繋ぎ誘導してくれた。途中、ドブ臭いニオイや日本語で唄ってるカラオケが微かに聞こえたので彼は建物の間で細い路地だと思った。
ある程度歩くとオジサンが「ストップ」と言って止まってる彼を回した。
「何回も何回も回された。多分、場所を解らなくする為だと思うんだけどね。でも「ストップ」と言われた時点でどこだか解らなかった。」
何回か回された後、また歩く。しばらくすると「下行く階段ある。気を付けてね。」とオジサンは言うのだ。長い階段だったらしい。途中、カーテンみたいなのを潜る。
ザワザワ聞こえる。言葉だ。何語だか解らないけど、とにかく複数の国の言葉らしい。
下に行くとオジサンが目隠しを取った。
彼が目にしたのは・・・
「外国人の列。しかも人種関係ないって感じ。南米系の妊婦や目のラリってる奴、作業着のケガしてる黒人、ブツブツなんか独り言を言ってる若いアジア系もネーチャン。凄いんだよ。」
彼は部屋を見渡すと漢字で「堕胎」や「薬」、「健康」の文字が見えた。そして何とも言えない悪臭。彼はその時点で気持ち悪くなりオジサンに「すいません帰して下さい」と言ったらオジサンが連れてきたタイ人が彼を囲み、その間に入りオジサンがニヤニヤして「誰にも言うなよ。財布出せ。持ってる金全部出せ」と言われ有り金全部渡し、また目隠しされた。そして再び歩いて数分の所で回されて、また歩かされた。
着いた所は例のタイ料理屋の前。目隠しを取るとオジサンと他の3人のタイ人は居なかった。帰るにも帰れないから友達を無理矢理呼んで自宅まで送ってもらった。
次の日、彼はオジサンに電話したがオジサンは一向に出ない。そして彼はその日の午後電話番号を変えた。
「やられたと思ったよ。でも有り金は四千円しかなかった。それでも全部出したけどね。怖いから。途中で怖くなったよ。でもあの病院恐らく飲食店だと思うよ。」
「どういうこと?」
「俺の感だと夜9時くらいまでは飲食店として営業。そのあとから病院に変わると思うんだ。」
「ですかねぇ?」
「だって並んでるとき病院内、良く見たら横にブランデーとかカウンターテーブルとか有ったし奥に厨房が有ったもん。」
その後彼はあのタイ料理屋に近辺は行かないことにした。
この話を聞いた2週間後くらいに彼に電話したら電話番号が変わってた。
彼の消息は未だ分からない。
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